ジャーマニーってアメリカのドイツ表記なんだね。戦争映画でドイツ兵がドイチェランドって言ってるものね。で、ドイツ製とシンガポール製のブラックモデルが来ています。下がドイツ製ですが、気になるのは巻き上げレバーは梨地クロームの上にブラック塗装がされていますね。オリジナルだとは思いますけど、普通は上のように真鍮地にブラック塗装ですよね。まず、ドイツ製からやって行きますが、途中で修理は受けているのですが、いろいろと不具合のデパートのような個体です。不具合個所を列挙して行くだけで画像が終ってしまいます。
カウンター窓の黄変は数字が判読できる程度であれば「味」だと思うのですが、オーナーさんのご希望により直します。
使い込まれた個体はダイヤル前面に小キズが多くあります。性能には関係が無いので修理としては手を掛ける必要はないのですが、私は気になるので研磨をしています。
ドイツ製の個体はCdsが劣化しているものが多くなっていますね。この個体も変です。受光窓を塞いでも針が中央から左に下がりません。もっと劣化が進むと針は中央に固定されて動かなくなります。
過去に修理を受けているようですが、特に回路の交換などはされていません。しかし、室内の明るさでメーター針は右に振り切っています。このままで良いかなぁ・・
トップカバーの「レバーアテ」ですが欠損していて、ネジがねじ込まれています。
オリジナル形状をご希望ですので旋盤で作りました。複製方法としてはシリコン型によるレジン成形や現在では3Dプリンターの活用なども出来ると思いますが、この部分はレバーの戻りで強い衝撃を受けますので耐久性を考慮してPOM材で旋盤加工としています。どなたか量産してくださったら助かるのですが・・
沈胴部ですが、まず沈胴スライドが緩い、先端のリング部にガタ、ヘリコイドグリス抜け、前面化粧リングの白化などがあります。
本当に不具合画像で終わってしまいます。圧板がフィルムレールに密着しません。
先端が曲がっているからです。これは乱暴に圧板を開いたためです。
曲がりを修正した圧板を取り付けます。フィルムカウンターが2枚以上は進まない不具合がありますので分解再組立をしました。沈胴レールの緩みも増し締めしておきます。その他、巻上げリンケージにグリスを塗布します。
沈胴チューブにはスライドによる傷はありません。珍しいです。しかし、沈胴が緩い症状がありますので調整をします。
フィルムカウンターはしっかり36枚まで動きます。ガラスもクリアー。右の巻き戻しレバーの回転が渋いです。
シャッターユニットはレンズの汚れ、ヘリコイドグリス抜けなどがありますので分解清掃をします。ここまで幾つ不具合があったかな?
画像が何枚あっても足りないので簡単に終わりますね。化粧リングを剥離してみるとネジが錆びていますね。
ストッパー含む3本のネジが緩んでいます。これがガタの原因です。
すべて組立完了。外観も汚れていましたので清掃しました。かなり良いコンディションになりましたね。シンガポールの方は何かあればUPすることにします。