ここ数日は気温が上がったり下がったりで自律神経に影響してか体調が良くありません。まぁ、連休も近いですからボチボチやりますね。PEN-FV ##1141XX (1968.2月製)はFVの生産開始からちょうど1年目の個体と思われますが、ユニット的には変更前のユニットが使われている頃でセルフタイマーもギっギッギッって言うやつです。この頃の個体は意外に巻き上げは軽くスムーズなんですが、逆に言えばシャッターのメインバネが弱いと言うことです。で、生産の古い個体に良く見ますが、裏蓋を閉めた時の感触が「あれっ」と感じるのはラッチ↑の動き渋くなると裏蓋側のラッチ↗の強度が弱くて飛び越しているんですね。これを知らずに使い続けている個体もあります。↑側に削られた形跡が無いか確認してみてください。当たりを修正しておきます。
一見未分解に見えますが、過去に修理を受けている記録があります。何をしたのかは不明です。
オーナーさんからのご指摘は「セルフタイマーが壊れている」とのことでした。セルフレバーが途中で止まっているからそう思われたのでしょう。しかし、これは故障ではありません。この問題で故障と思い込みクレームを頂戴したこともありますが、巻き上げが完全に完了していない状態でセルフタイマーを掛けてしまうと画像のような状態で止まり、にっちもさっちも動けなくなります。この場合は、セルフレバーを巻き上げ方向に少し力を掛けながら巻き上げレバーを巻いてもらえば状態から離脱できます。設計上の問題です。
分解をして行くと「ポロッ」っとスプロケットギヤが取れて来ました。まだ触ってもいないのにです。これも稀にありますね。頭が薄いためにスリ割りを切られているネジ部の厚みが非常に薄いのです。ネジ部はスプロケット軸内に残ったままです。取り除いて別のネジを使います。
シャッターユニットは変更前のバネが強化される前のユニットです。シャッター幕に問題はありません。
古い個体はプリズムの曇りがありますね。これ、不用意に拭き上げをするとコーティングが剥がれてしまうことが多いです。
まぁ、何とか剥がさずに清掃しました。シャッターも調子は良いです。
それより問題なのは接眼プリズムの曇りです。モルトが原因ですが、モルト側左半分は助かりません。清掃で剥離します。
セルフレバーが若干お辞儀気味なので調整しました。これでメカの組立完成。
付属の40mmを清掃しています。前縁のフィルターリングは塗装されているようですので全て溶かして清掃しました。
25mmは里帰りレンズですね。よってレンズの状態は良好ですが、絞りリングが斜めになっていますね。当初はリングの上下入れ替えで確実に収まっていないのかと思いましたが・・
稀にこの不具合もありますね。ピンのリングに対してのカシメが外れてしまったのです。そもそもF用レンズでは無かった機構ですのでFT用として無理な設計をしてあり、カシメが非常に不完全になり易いのです。
再カシメをしておきますが、一度外れたカシメは利きません。接着剤併用としてあります。
絞りリングは水平になりましたね。リングは上下入れ替えない方が良いです。
FVとレンズ2本は完成。変更前のユニット仕様ですが、調子は非常によろしいと思います。