次もPEN-W #1105XXなんですけどね。PEN-Wの生産は第18回東京オリンピックが開催(39年10月10日)されている前後に集中して生産された傾向があるのですが、この個体はコパルでのシャッター生産、昭和40年1月でオリンパスでのカメラ生産は1965年1月です。前回の個体は#1128XXで1964年12月でしたね。シリアル№はある範囲で前後することもありますし、トップカバーが製造途中で不良となった場合は欠番もあります。この個体もシャッターリングと距離リングの状態は良好ですから、それほど悪いところは無いのではと予想します。
過去に分解歴はありますが、オーナーさんからは「ファインダーが一番気になる」とのことです。見たところ途中で清掃はされていますが、フレーム枠に↗光線漏れがあります。乱暴に拭かれたのかもしれません。
駒数盤が正規の位置になっていません。トップカバー側面の調整ワッシャーが例によって無くなっています。(接着痕) 工場の組立は当然金型を直してくれと技術屋さんに言っているはずですが、組立をしていた私の経験では、技術屋さんは金型は中々修正はしたがりません。お金が掛かるからです。そのしわ寄せが組立に来ます。
分解清掃はしたのでしょうけど、本来エポキシで接着をするところをゴム系で汚らしくやってますね。フレーム枠の中央を遮光のために茶の塗料を塗ってあります。工場ではこのようなことはしませんので途中で傷つけたので修正をしたのでしょう。しかし、完全には遮光出来ていません。
作業は前回と一緒なので飛ばします。洗浄をした本体にオーバーホールをしたシャッターユニットを取り付けてあります。このコロは無くしている個体もあります。チャージ不良になります。
前回の個体では↑の部分に赤●がありましたが、こちらがオリジナルです。
フレーム枠はPEN-Sとはフレームサイズが異なりますので流用出来ませんので補修して使います。フレーム枠には製造時期によって製法がフィルム貼りタイプと蒸着タイプがあり、この個体は蒸着タイプです。
補修をしたフレーム枠の取付と対物レンズと保護ガラスをアラルダイト接着しました。
シャッターリング等のメッキの状態という私の理論が、ほぼ当てはまっていてレンズの状態はバルサム黄変も少なく、「PEN-Wとしては」悪くはありません。過去にも清掃を受けていますが再清掃をしておきます。
相変わらずPEN-Wの人気は高いですね。それと、みなさんから「PEN-W用フード」の再生産をご要望頂くのですが、問題は数が出ないのとコストなんですね。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)