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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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大古機のローライオートマットⅡの巻

2024年04月27日 10時00分00秒 | ブログ

ローライの二眼レフを整備していると古い機種もやってきます。これはローライフレックス  オートマットⅡですが、このシリーズは1937(昭和12年)から発売されたとものの本に書かれていました。いくら何でも大東亜戦争開戦前の志那事変の年ですよ。本気で使う方がいらっしゃるのかしら? シボ革はオリジナルのようでピカピカ光っています。底部のアルミ製三脚座は酸化が進んでいて四脚も陥没しています。

レリーズカバーがついているのでⅡ型ということでしょうか? ビューレンズにはバヨネットはありません。状態はシャッター不動、セルフ不動、レンズ汚れ、ファインダー内こってり汚れなど年代相応です。これを直すのかぁ・・

さすがにフードの内面塗装はかなり錆びています。フードカバーの前面中央がへこんでいますので修正をしておきます。

 

リンケージのガイド用ネジが欠落していますので段付きネジを作って取り付けておきます。ミラーは腐食はしていますが途中で交換されているので今回は清掃で使います。スクリーンの強固な汚れは洗浄します。

テイクレンズはカビ汚れが多いので清掃をします。

 

 

前玉の裏側にうっすらとリング状曇りが残りますが年代を考えれば悪くはありません。

 

ビューレンズは全体に曇っていますので分解清掃をして組みます。

 

問題はコンパーラピットのシャッターでした。(本来はここから始めないといけませんでした)緑青が発生して全体に酸化しています。

 

スローガバナーののアンクル軸が錆びで固着して全く動きません。さぁ、どうする? 超音波洗浄とCRC攻撃により奇跡的に固着は緩みましたが、完全に抵抗を除く必要があります。

セルフタイマーはシャッターと別体です。基本的にはスローガバナーと同じ原理で動きます。ジッジッとも言わないので、こちらも超音波洗浄攻撃です。

 

フード内の大掃除を終えたところ。

 

 

フォーカシングダイヤルは手汗の塩分で酸化が進んでいましたので研磨と彫刻文字の色入れをしてあります。この時代のオートマット装備は素晴らしい。これで現役復帰です。

 

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