その前にローライコードⅤです。「巻上げノブのロックが解除されない」というもの。これは稀にある症状で、毎回ロックするわけではないので原因特定が厄介です。まずは、巻上げノブのワンウェイクラッチ部を洗浄注油をしてみます。
症状が続きます。観察していくと、フィルムカウンターに付いているバネが巻き上げギヤと接触することが分かりました。
バネの力によって2枚のギヤがズレた状態でロックが解除になります。バネの張力劣化と変形により、巻き上げギヤと接触して2枚のギヤがズレないのが原因です。バネの形状を修正して改善しました。このように微妙な部品の組み合わせにより不具合が発生する機構です。
で、ローライ35#3055XXXとドイツ製としては初期型ではない中期付近の個体でしょうか? 外観はへこみもなく非常にきれいです。では、メンテナンスをして行きます。
過去に分解を受けていますがきれいな分解です。レンズなどのチリが出始めていますのでシャッターの分解清掃をしておきます。
最初に気になっていたのはドイツ製にしては露出計の針が元気に振れ過ぎるです。点検するとCdsが汎用に交換されていました。ドイツ製ではCdsの寿命を迎えている個体が多いので交換は仕方ありませんが、低輝度側の半固定抵抗の調整が利きません。よくよく観察すると、配線が間違っていました。トリマーに関係なく素通しになるターミナルに配線されています。一度抵抗を分離してから配線をやり直しでトリマーの動きに同調するようになりました。
ドイツ製としては使用頻度が少なくCdsの劣化による交換を受けている個体ということで、他は特に手を入れるところが無いですね。無造作にテーブルに置かれるのでキズが多くなる底部も非常にきれいです。開閉レバーは旧型の樽型で巻き戻しクランクは変更された樹脂製になっている仕様。
ガラス製のファインダーも光枠もくっきりでクリアーに見えます。
たまにはメンテナンス作業だけで良いコンデションになる個体もあります。ブログの種がないので私は困るのですが・・。
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