人出を避けて今日(9日)に立川の諏訪神社へ初詣に行って来ました。思惑通り参道に並ぶ人の列はありませんでした。冬になると作業で手を洗うことが多いので肌が荒れています。今年はデッドストック新品の金ケースを奢って仕上げたセイコークラウンを嵌めて参拝です。
で、最近初期型のPEN-FVが多いように思います。#1075XXは1967年4月製で、製造開始から2ヵ月目の個体になります。珍しい38mm f2.8の廉価版レンズが付いています。
トップ面にかなり目立つへこみがありますね。出来るだけ清掃をしておきます。
作動をチェックするとリターンミラーの戻りが変です。絞りレバーが戻っていないです。分解をしてみると・・リターンバネが折れていますね。
PARTS № 5856 「モドシバネ」です。右が交換する良品。折れたバネはすでに開き気味で伸びていることが分かります。
この頃のリターンミラーは腐食しているものが多いです。清掃の結果、使えないこともありませんが、オーナーさんのご希望により新品と貼り替えることにします。
本体は洗浄をしてスプロケット/スプール軸などを組み立てて行きます。
ここでまた問題。シャッターユニットですが、テンションシャフトを分解しようとドライバーを当てただけでネジの頭が取れました。観察すると、過去の分解で左ネジを知らずに緩めようとして締め込んだようです。このネジは熱処理が強いので硬く残ったネジを削って取り出すことは困難です。
で、パーツケースを探して来ました。(右) メインバネは左のオリジナルを使います。
すみません。昨夜は難儀な個体に疲れ果てて寝てしまい更新が出来ませんでした。新しいリターンミラーを接着して前板に取り付け、リターンミラーユニットを組み込みます。
レンズマウント部には調整用のワッシャーが入っていることがあるので位置を記録して元通りに組みます。
最後にフィルムカウンターを取り付けます。この個体は変更前の仕様で、駒数盤をナットで止める方式ですが、変更後は逆にネジ式になります。
次は42mmです。このFVには厳しいです・・絞り羽根の作動も重いですが、マウント部の絞りレバーが異常に重いです。当方のテスト用FTでもフリーズします。
この部分の絞りレバーが腐食して白い粉を吹いています。すべて分解洗浄をし、部品を磨き出してフリクションを低減します。
次は標準レンズ38mmのオーバーホールです。絞りユニット内にヘリコイドグリスが流化した油が回っていますので分解脱脂をします。
38mm f2.8ですが、レンズの大きさ以外はf1.8レンズと部品構成は殆ど変わりません。これで果たしてコストダウンになったものか??
FTやFVの生産初期はシャッターユニットのバネが強化される前の仕様なのと、何より古いのでバネの張力も落ちていますので、作動の重い42mmなどの使用は非常に厳しいところがあります。ましてやPEN-Fで使用したいという方も多かったりして困ったものです。