今朝の関東地方は冷え込んで氷点下だったようです。日中は日差しで暖かくなったので、年の暮れですから床屋さんに行って来ました。若い職人さんがバイク乗りで話が盛り上がってしまいました。やっぱりバイク乗りたいな。
で、タバンの懐中時計です。ニッケルのオープンケース入りで、外径はセイコーの鉄道時計よりも少し小ぶりで約41mmほどのポケットに入れておくのにちょうど良い大きさです。文字盤はちゃんとホーロー製で、針はブルースチールとお約束です。保管中に不注意でガラスの風防を割ってしまいましたので、ぴったりのサイズの新品を用意しました。懐中時計が欲しい方にお安くお譲りをします。
機械もあまり分解されていないようできれいですね。オーバーホールをして行きます。
腕時計から懐中時計になるとサイズが大きいので目に楽だわぁ・・すべて分解洗浄しました。
では、リューズ周りから注油をして組み立てます。
輪列を置いたところ。
受ケの位置決めダボがすごく固いので、ホゾがホゾ穴に完全に入っているか注意が必要です。
何の問題も無いので文字盤と針を取り付けました。
カメラのレンズもそうなんですけど、レンズに付着した指紋などが原因でレンズ自体が曇ったり浸食されたりしますね。ガラスは個体ではなく液体だ。とも聞いたことがありますが、原子が金属のように規則正しく並んでいない物質とか、まぁ、ガラスというものは不思議なものといつも作業で感じていますが、時計の風防ガラスも同じなんですね。大正から昭和初期のデッドストックでは、メーカーや寸法を表すラベルがガラスの中央に貼ってありまして、現在入手が出来るものの多くはラベルの糊が原因で腐食しているのですね。この風防ガラスも同じですので、ガラスを研磨してから使います。
ニッケルケースは年代を考慮すれば程度は良好だと思います。裏蓋の使用による小キズは仕方ありません。ちゃんと犬印のケースです。
機械をケーシングしました。
右がセイコーの鉄道時計ですね。運転席の計器盤にセットしているやつ。直径は50mmあります。流石にこれをポケットウォッチとして使うのはガサばりますね。その意味では左のタバンは41.5mmと小ぶりで、初めて懐中時計を持って見たいという方には良いのではないでしょうかね。
昨日、組立て、まだ調整をしていませんが、安定した精度を示していて調整の必要が無いくらいです。タバンは大正昭和の頃にウォルサムと並んで人気がありスイスから輸入されていた時計です。ご希望の方がいらっしゃればお譲りを致します。