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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKO ジャイロマーベルの巻

2018年12月24日 19時43分07秒 | ブログ

みなさん、メリークリスマス。と言っても何も楽しいことも無いけど・・ケーキを食べ終わってから写真を撮っていないことに気がつきました。この焼き物はドライバー立てに使おうかな?

 

今年も残り少ないですが、私は暮に精密検査が入っているので気が重いです。では、時計を続けちゃいます。セイコーのジャイロマーベルです。私もSSケースの良品を探していたのですが、中々ないですね。当時は金ケースの方が圧倒的に多かった時代ですから。ジャイロマーベルは1959年の発売だそうで、この個体は裏蓋打刻から1960年2月の製造のようです。極初期だけ、文字盤12時に独楽のマークが入っているのですが、この個体はすでに普通のインデックスになっています。で、正常に動きませんね。ヨタヨタと動く程度です。これは油切れだけではないと思います。

セイコーの自動巻腕時計はスイス製のコピーの11A(インジケーター付き)が初代ですが、高価のため一般には普及しなかったようで、マーベル(ローレル)の機械にマジックレバー式の自動巻機構を載せたジャイロマーベルが2代目として発売されました。二階建て構造ですから裏蓋が盛り上がって厚いです。「GM」と打刻されているのはジャイロマーベルの機種略号。

キャリバー名は290.回転錘にはベアリングを採用されましたので、耐久性は向上した? ようです。

 

回転錘を外したところ。ベアリングが見えますね。

 

 

針を外して文字盤を取ります。

 

 

すべて洗浄しました。では組立です。

 

 

まずはリューズを取付けないと輪列を制御できませんので・・

 

 

香箱(ゼンマイ)を洗浄組み込みをして注油をします。

 

 

輪列を置いて、ここまでは良かったのです。

 

 

左がジャイロマーベル用、右がマーベル用。受けを甘締めで取り付けるとホゾ穴から外れてしまいます。摩耗が進んでいるようです。右のマーベル用と比べてみるとマーベル用の方が全長が僅かに長いです。試しに組んでみましたが、やはりアガキが取れません。

二階建て構造とするため、輪列の受けを薄くしてありますが、それだけではなく、ガンギ車などの寸法も詰めてあるようです。

 

テンプはダイヤショックが組み込まれています。すべて洗浄をして石に注油しますが、ルビーなのに細かな荒れがあります。

 

天真とアンクルへの注油で、やっと大きな振りで動きだしました。

 

 

 組んだままの未調整データ。まともになったね。かなり進み加減ですけど、これは調子が悪くて遅れ気味の時計を無理して進み方向に調整使用していたということ。じつは、裏蓋記載から前回のO/Hはそんなに昔じゃないんだよね。

 

マジックレバー式の元祖ですね。マジックレバーの形状が後期のものと違います。ベアリングは別部品の組立式です。後には地板にカシメとなって、少しでも厚みを薄くするための改良でしょう。しかし、別部品の方が、ベアリングが摩耗をした場合、ベアリングのみ交換が可能なんですね。

自動巻き機構を取付けて回転錘を付けました。摩耗は少なく作動は良好です。

 

 

SSケースは珍しいです。軽く研磨をしてあります。あら、0時下に小さく独楽が入ってましたね。歩度調整をして裏蓋を閉めます。非防水の頃の雰囲気で自動巻きというのが良いですね。過渡期的なモデルです。この機械が以後のセイコー自動巻きの基本となって行きます。

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