陽気も良くなって作業も暇していましたので、カミさんの電動自転車を留める場所のレンガ敷きをしていました。家に沢山ある古レンガを利用しますので、購入した物は砕石と砂だけの砂きめ工法です。ホームセンターで砕石や砂は安いものですが、腰に持病がある私には運搬が堪えます。まだ工区は半分ですが、季節の花のプランターでも買ってこようかと思います。
カメラの作業に掛かろうかと思うのですが、力仕事をした直後は指先が微妙に振れてしまって困ります。まぁ、同時にやる作業ではないですね。
で、PEN-FT #3614XXの後期型が来ていますが、非常に時間を掛けて丁寧に梱包されています。愛機に対しての愛情を感じますね。しかし、宅急便コンパクトは箱の厚みが5cmですので、外圧が掛かるとかなり危ない状態になりますので、私としてはあまりお勧めは出来かねますね。
非常のきれいなFTです。巻上げのカクカク感が気になる程度です。付属のレンズは使い込まれていてピントリングの黒アルマイトも磨滅気味でグリスも抜けています。シリアルからFTで言うと20万代中頃に製造されたレンズです。
マウントのネジも強引に開けられていて、たぶん違うネジが入っていますね。
FT本体側ですが、駒数ガラスの樹脂に内部崩壊があります。衝撃なども関係している場合もありますけど、10万代の個体に多く発生していて20万代中間から後半は少なく、なぜか30万代で先祖返りのように再発生しているというのが沢山の個体を見て来た私の印象です。
製造が新しいためハーフミラーの腐食は細かく点々と見える程度です。
市販されているモルトの交換キットでご自分で交換されたとのことですが、裏蓋の嵌る上下のスリット部分は純正は貼られていません。この部分にモルトを貼ると、返って裏蓋の開閉がスムーズにならない時があります。
この頃から、オリンパスの他のモデルと同時に圧板の留め方が変更されています。それまでの4点留めから2点留めになります。加工と組立工数の簡略化しか変更理由は思いつきません。
過去に修理歴を示マーキングがありますが、内部を分解された形跡はありません。青のリード線(シンクロ)の通し方が、それまでのアイビース枠との隙間に通すのではなく、単にプリズム押えの上に載せいてるだけというのもこの時期からです。要するに工数の掛かることはしないも~ん。という変更。メカは特に書くことも無いと思いますので、途中のUPは簡単になると思います。
あまり見ない画像。前板のプリズムとシャッターユニットとの位置関係です。ぎりぎりの設計なんですね。
で、何も問題はないと思ったのですが、チャージギヤ軸が摩耗していますね。それほどひどく摩耗しているわけではありませんが、潤滑が切れると急速に摩耗をして行きます。巻上げのカクカク感はこれも影響しているはずです。
完成したシャッターユニットを本体に搭載したらすぐに裏蓋を取り付けておきます。不用意にシャッター幕を傷つけるのを防ぐため。蝶番の固定がヒンジピン1本なのが普及カメラの設計。摩耗によるガタが出易いです。
新しいのでプリズムのコーティングはきれいです。
露出計ユニットの製造は昭和47年1月27日ということか? この個体の製造は1970年7月(昭和45年)ですから、露出計ユニットの方が後に製造されたことになります。修理履歴はこのユニットを交換されたものかも知れません。そのユニットがどうも調子が良くありません。感度が安定しないのです。基板の抵抗に触れるとメーターの針が振れる。基板の半田付けをやり直して安定はしましたが・・
ここもあまり出てこない画像。露出計の針の動きをファインダー内左側の情報窓に表示させるための光学路。すべて清掃をしています。ハーフミラーは新品に交換。
シンクロターミナルの接片の半田付けは良く外れます。再半田付けをしておきます。
リターンミラー先端部の塗装が剥げています。
修正をしておきます。
セルフタイマーのレバーロック不良がありましたので、分解洗浄をしてあります。これでメカは完成。
38mmレンズの方がカメラより製造は古いのですが、しかし、設計変更後のレンズです。内部は汚れとヘリコイドグリス抜けでかなり厳しい。清掃とグリス交換をしてあります。
まぁ、製造が新しいと言っても比較の問題ですから古いことには違いがありませんので、いろいろありますね。巻上げのカクカク感も改善されて、良いコンディションになっています。大切にしてくれるオーナーさんの手元で幸せなFTです。