中古店様から珍しいカメラのメンテナンスご依頼で来ました。リコーフレックスTLS401という大柄で立派なカメラです。メーカーHPによると発売は1970年10月とのこと。私にしたら、ついこの間のカメラです。マウントはM42でシャッターは縦走りのコパルスクエアが採用されています。特徴としてはアイレベルのほかウエストレベルのファインダーも装備していることです。
シャッターは丈夫なのでファインダーやモルトの交換などします。ファインダーはあり得ないほど曇っています。
化粧プレートに傷をつけないように分離して中のネジを緩めます。当時のメーカーSSでは組み立て時は新品を付けるのが普通だったのでしょうけど、私たちは交換する新品がありませんので、当時より返って困難な作業をしなければなりません。
このレバーはAvとSp(平均測光とスポット測光)の切り替えです。接着されているメ〇ラ蓋を剥がしてネジを緩めます。
ウエストレベル側にセットすると、アイピースシャッターが下りて来る構造。
切り替えダイヤルを回すとリンケージを経由してシャッターが閉じる機構。
枚数の多い接眼レンズ、この他にトップカバーに保護ガラスがありますから曇りが強いのも分かります。ペンタと見えて、楊枝の先は空洞です。プリズムではなく「樹脂成型品による中空5角ミラー」なのだそうです。
ウエストレベル側のレンズを外してみると・・表面鏡の半分程度が腐食しています。
ウエストレベル時の位置。プリズムがないので、劣化したモルトのカスが大量にスクリーンに落ちています。これを清掃します。
きな粉のついた美味しい和菓子のような劣化したモルトからファインダーにカスが落ちてきます。
その他、グリスと注油をしました。最後に化粧プレートを貼って完成。HPには「軽量化のために開発されたファインダー」のような表記がありますが、ペンタが無くても立派に重いカメラですよ。ウエストレベルファインダーはモデル撮影などに有効なのでしょうか?
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)