今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

氷点下のPEN-FTの巻

2017年12月15日 19時25分23秒 | ブログ

過去にO/Hを実施したPEN-FT(B) #3349XXが戻りました。なんでも氷点下の野外で撮影していたら巻き上げが不調になったとか。ご老体に氷点下は堪えるよね。巻上げの引っ掛かりの原因はブレーキレバーが僅かに変形をしてブレーキ軸との嵌合が悪くなっているため引っ掛かり現象を起こしているようです。凍っちゃったのかなぁ?

別の検討用ユニットで見ます。このレバーの微妙な干渉が巻上げのゴリツキ感として感じます。しかし、エンジニアさんは、こんなカラクリを良く考え付くものですね。私らリペアマンには考えもつきません。今回は修正で対応しておきます。

 

あら、ハーフミラーはオリジナルですね。前回交換しなかったんだぁ・・

 

 

前回も交換しておいた接眼枠をまた壊して来ましたね。貴重ですから大切に扱ってくださいね。

 

その他、セルフタイマーレバーの固定が不安定ですのでメンテナンスをしておきました。氷点下の撮影はちょっと考え物かも知れませんね。

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IWC YACHT CLUB の巻

2017年12月14日 18時12分01秒 | ブログ

じつは、休止をしながら作業をしていましたので画像があっちこっちに行っちゃって・・UPしない予定でしたが、簡単にしておきます。スイスのIWC ヨットクラブというモデルがご常連さんから来ていたのでした。しかし、裏蓋が特殊で14角になっていまして、当然、専用工具は持っていない訳です。汎用工具では開かないので、簡易工具を作りました。

よいしょっと、開いたぜ。

 

 

汎用工具で簡単に開かない訳だぜ。ネジ部がかなり腐食して固着していたのでした。

 

 

仕上げの美しい機械はCal.8541Bで、8541にハック機能を追加したものだそうです。自動巻きの機構が特殊です。ペラトン式という2つのローラーでカムによって巻き上げるツメ巻上げ方式です。

 

現状は不動でガンギ車に全くトルクが来ていません。ゼンマイかな?

 

 

香箱真がクルクル回ります。ゼンマイだね。

 

 

香箱真の引っかけ部分が折れていました。珍しいね。

 

 

新品のゼンマイに交換するしかありません。

 

 

分解洗浄で新しいゼンマイの香箱をセットします。

 

 

トルクは来ています。アンクル、テンプを取り付けます。

 

 

受け石に注油をします。

 

 

カレンダー機構も独特です。

 

 

文字盤と針を取り付けます。

 

 

巻芯はジョイント式(分割)なので、調整中はチューブを嵌めて固定します。

 

 

付属のベルトはこのモデルのものではないようで、弓カンのR形状が合いませんので削って合わせておきます。

 

ケースと機械の固定方法がユニーク。6つ(だったかな?)のゴムのダンパーを外周に嵌め込んでいくというものです。

 

本当は、まだいろいろあるんですけど、終わらないので取りあえず完成ということで・・

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OM用ズイコー135mmの巻

2017年12月13日 21時20分37秒 | ブログ

今日は外回りの仕事に行ってましたので作業はあまり進みません。12月も中旬になると、段々と忙しなくなって来ましたね。甲州街道の車の量も多かったです。例年外回りの仕事も25日のクリスマスまでなんですが、23、24日が連休となるので、実質的には来週一杯ですかね。カメラや時計もあとどのくらい出来るかな?

で、カメラ店様からのご依頼ですけど、ピント不良とのことです。フォーカスリングを回してみると、カクカクっとガタを感じます。カメラに取り付けてみるとやはりズレていますね。ではピントの再調整をしておきます。

フォーカスリングのゴムは滑り止めのため内面を接着で固定されていますので、古い接着剤を完全に取り去ってから再接着をしないと、デコボコに盛り上がったりしますので丁寧に作業をします。

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低速不良のPEN-Fの巻

2017年12月11日 20時02分08秒 | ブログ

うちの近くの日野市ご在住の方から来ています。ネットで評判が良いのでご依頼を頂いたとのことで有難いことです。で、PEN-F #2541XXですが、低速特に1/4秒が速くコントロールされていないとのこと。どれどれ? なるほどね。シャッタースピードを測定してみると他も変ですね。

トップカバーを開けて見ると・・過去に修理を受けていますね。

 

 

三脚環のネジが緩んでいて1本ありませんね。

 

 

秒時を作り出しているのはピンセット先(両側)のガンギ車とアンクルですが、目視では、他の歯車とも問題は無いように見えました。しかし、超音波洗浄と注油調整で正常に復活しましたので、このまま再使用することにします。

 

原因は判明して解決しましたので、本体から組み立てて行きます。今日は与太話なしです。

 

基本的にはスローガバナー以外は良好な個体でした。前回来たPEN-Fも美品でしたが、この個体もかなりきれいな個体です。あまり使われなかったのでしょうね。

 

全反射ミラーはオーナーさんの精神衛生上の観点から新品と交換しています。

 

 

欠品していた三脚環のネジもオリジナルで補っています。レリーズのリンケージはFTと同様なタイプに改良後の仕様です。

 

その他、裏蓋のラッチの飛越を修正して最後にFの花文字の金色を入れ直して完成です。

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マレー沖海戦の巻

2017年12月09日 17時41分57秒 | ブログ

今日はPEN-Fの限定修理と70mmの清掃なので書くこともありませんね。12月10日はマレー沖海戦により英国東洋艦隊の主力、プリンス・オブ・ウェールズとレパルスを撃沈した日です。開戦劈頭、山下奉文中将率いる陸軍二五軍のマレー半島上陸部隊の上陸を阻止する意図でシンガポールから出撃して来た英国東洋艦隊(Z部隊)をマレー半島東岸クワンタン沖で三番索敵機が発見。帆足予備少尉からの作戦緊急信。「一一四五敵主力見ゆ。北緯四度東経一〇三度五五分針路六〇度」により鹿屋航空隊(一式陸攻)元山(ゲンザン)航空隊、美幌航空隊(九六式陸攻)が出撃(ツドモー・サイゴン)した。各隊の到着がバラバラのまずい攻撃となったが、まず、「レパルスが四十五度傾斜」すぐさま「レパルス沈没す、艦影を見ず」プリンス・オブ・ウェールズも攻撃隊離脱後に沈没したことが触接中の帆足機によって確認された。それまで、航空攻撃では戦艦は撃沈出来ないという定説を打ち破った攻撃で世界が驚愕した。英国空軍のバッファロー戦闘機の到着が遅れ、艦隊直衛戦闘機がいない幸運もあった。到着したバッファローを発見した帆足機は戦場を離脱して撃墜を逃れた。これ以後、英国東洋艦隊は二度と復活しなかった。Youtubeの画像は戦時中の戦意高揚映画、東宝製作の「ハワイ・マレー沖海戦」で、私が中学生の時にアメリカに接収されていたフィルムが返還されて「加藤隼戦闘隊」と同時に記念上映がされました。勿論、見に行きましたよ。因みに撮影ロケ地は海軍木更津基地です。https://www.youtube.com/watch?v=ZWPvNIz8KLo

70mm f2ですけどね。部分的にコーティングが劣化をして曇っている部分がありますね。

 

レンズの外周のバルサム剥がれも始まっています。

 

 

まぁ。分解をして1枚づつ清掃していきます。

 

 

100mmは個体数が多いと思いますけど70mmは少ないですかね。ヘリコイドグリスが抜け気味でしたのでグリスの交換をして終了です。

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