今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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きれいなPEN-Wだなぁの巻

2017年12月07日 18時10分16秒 | ブログ

師走の今頃には毎年書いているのですけど一年は早いなぁ、12月8日は開戦記念日です。択捉島単冠湾を出撃した機動部隊は、商船との遭遇を避けて波の荒い北方航路を、一路ハワイに向けて航行していましたが、前衛の伊号潜水艦が向かって来る商船を発見した。これはソ連の商船であったが、最悪は味方潜水艦によって撃沈するとの判断も示されたが、商船がコースを変えたために事なきを得たのでした。また、ハワイ近海のアメリカの哨戒圏内では、B17偵察機が艦隊付近に飛来したのに、何事も無かったように飛び去っています。私には空母6隻からなる大艦隊を上空から約10名の偵察員が発見できなかったはずはないと思っています。要するにアメリカは、日本の真珠湾攻撃は察知しており、どこまで接近したかを偵察に来たのでしょう。すでに邦人引き上げ船の龍田丸がアメリカに向けて出港しており,フィリピンのアメリカ軍クラーク基地には警戒配備が発令されて開戦は暗黙の事実となっていました。ルーズベルト大統領は日本を追い込み日本から先に手を出させるように仕組んだもので、毎週末には訓練から寄港する空母(サラトガ・レキシントン)は2隻共、その時に限って真珠湾に在泊していなかったのは偶然ではないでしょう。果たして現在の北朝鮮が先に手を出すか?

日本時間1時30分と言うからハワイ時間では前日の6時30分かな、発艦指揮官の上げる白旗を信号に、戦闘機隊、艦爆隊、水平爆撃機隊、雷撃隊の順で次々に発艦をしたが、これは、滑走距離の短い母艦からの発艦は機体の軽い飛行機が前面に配置されるためです。それでも800㌔の魚雷を抱いた雷撃機はいっぱいいっぱいの離艦でした。映画「トラトラトラ」では、アメリカの空母を使用しての撮影のため、艦影を隠すために日の出前の暗い時刻に発艦したことにしています。南雲長官や源田参謀が居ることから旗艦赤城からの発艦としていますが、赤城は唯一、艦橋が左側にあるので、辻褄が合いませんけどね。

あぁ、与太話を書いていると長くなります。ご常連さんからPEN-Wが来ています。程度の良い個体ですねぇ。最近珍しいぐらいです。

トップカバーの塗膜の艶消しを見てください。これがオリジナルで、ピーカピカの使い込まれた状態がオリジナルではありません。

 

シャッターは不調、ファインダーは一度分解清掃を受けています。

 

 

しかし、アメリカ軍の中でも、日本軍が真珠湾を攻撃する可能性があることは報告されていました。イギリスの情報部なども日本海軍の動静を諜報活動していたし、駐日ペルー大使が真珠湾攻撃の可能性についてアメリカに報告している。なんでペルー大使が? 当時の防諜はザルで、真珠湾の浅海面に合わせた魚雷を製造していた三菱の工員達は、夜の飲み屋などで、やっと間に合わせた魚雷の話などをしていたようだ。スパイの女給が居たら・・ハワイのアメリカ太平洋艦隊司令長官、キンメル海軍大将は日本軍の奇襲には懐疑的で、一人で責任を負わされた格好だが、そのキンメルを任命したのはルーズベルト大統領なので任命の意図があったはず。尚、真珠湾攻撃によるわが方の損害は、零戦九機、艦爆十五機、艦攻五機であった。強襲となった第二次攻撃隊の損害が多いと推測されるが、艦爆(九九式)による急降下爆撃の損害が多かったんですね。私も過去に真珠湾のアリゾナ記念館を訪れて犠牲となった両軍の将兵を慰霊してきました。

で、お仕事。シャッターは未分解で経時的に不動となったものです。最後の洗浄をしたシャッター羽根をセットして完成です。

ストロボ接片の半田は殆どが簡単に外れてしまいます。再半田付けをしておきます。

 

 

この個体は使ってないですね。非常にきれいです。これから組み立てて行きます。

 

 

チャージレバーの当たるコロが腐食して固着していましたので、コロを交換しています。

 

問題なく組み上がるかなと思いましたが、レンズのスリ割りが痛んでいて、レンズに少しダメージがあるかな?

 

分解清掃をしています。

 

 

このナットは緩み止めが塗布されていて普通は緩まないのですがユルユルです。これでは絞りリングがクルクル回ってしまいます。

 

こうなっています。普段は分解しません。PEN-Wの絞りクリックの方式はPEN-Sとは異なります。

 

洗浄したカム板(シャッターリング)のメッキはきれいなままですね。使ってないよね。

 

レンズを接着硬化したファインダーを組み込みます。

 

 

カメラとは別にワッシャーが付いて来ましたが、普通の方はどこのワッシャーが分からないでしょうね。トップカバーと本体の隙間を埋めるスペーサーでした。

 

過去にレンズとファインダーの清掃を受けていましたが、その他は手つかずの、あまり使われなかった個体です。最近はこの程度の個体は少なくなっています。

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緊急帰投20mmの巻

2017年12月05日 21時19分01秒 | ブログ

短くUPします。過去にメンテナンスをした20mm f3.5がレンズ曇りで戻りましたよ。オーナーさんは北海道にご在住ですので、気温の低下による結露が原因でしょうかね。

 

20mmは曇りやすいレンズですが、曇るのは左側のカシメられた後ろ側です。結露による水滴であれば、この状態で放置すれば水分は飛ぶはずですけど、そうはなりませんね。原因と成分は何なのでしょうね。

 

処置が早い場合は清掃でクリアーになりますが、手遅れになるとガラスが曇ってしまいます。組立てたレンズを鏡胴にセットします。右側の後玉内側(絞り側も曇りやすい傾向にあります。

 

とにかく気温の変化は悪影響があるようです。所有されている方は曇りのチェックをお願いしますね。

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最近M-1多くねの巻

2017年12月03日 14時19分40秒 | ブログ

カメラ店様からのご依頼はM-1が多いです。2台来ていますが、重症ではなくメンテナンス程度ですので特別にお書きすることも無い(困った)のですけど・・M-1(OM)系は巻上げレバーを分離するために化粧プレートを取り除くことが厄介なのですが、無理にプレートを分離しようとせず、ナットを回してしまえば良いだけのことです。ナットが分離出来れば、それから充分な溶剤を滴下して化粧プレートを剥がせば良いのです。組み立てられた状態で溶剤を滴下すると、ナットの下の黒の樹脂部品を侵してしまいます。

こういう風にね。この個体は、黒い樹脂の巻上げカバーが割れていて交換を検討しますが、厳密にはM-1とOM-1では仕様形状が異なっています。

 

では、もう一台のM-1を見ていきます。電源スイッチをONにした時に、露出メーターの針が激しく振動するという現象ありとのこと。Cdsの劣化も考えられますが、この個体の場合は過去の分解て配線が荒れています。特に電源スイッチの接片の導通不良(酸化・形状変化)などを点検修正をして改善しました。プリズムは腐植がありますので最初からのオリジナルと思われます。

露出メーターはオリジナルのM-1です。プリズム、接眼レンズの清掃をしています。

 

 

スクリーンも静電気による汚れ(黄ばみ)があったので洗浄してから取り付けます。その他、裏蓋のモルト交換、各部の注油、グリス交換をしておきます。

 

で、最後にこの化粧プレートをどうするか? 次回の分離がしやすいようにアルコール系の接着剤で留めておきます。

 

考えてみれば、PEN-FTより新しいカメラなんですから、まだまだ頑張ってもらわないといけませんね。

 

最初の個体に戻ります。交換用のカバーはOM-1ブラックから調達します。接着とネジ併用で組み立てられていますので、簡単には分離出来ません。

 

下がM-1オリジナルでカバーとの繋がり形状や取付部には、別パーツをネジ留めする凝った設計などが異なりますね。レバーの板厚が2.5mmと薄めなので強度を考えてのことでしょうけど、すぐに簡略設計に変更されたようです。

 

分解してみなければM-1かOM-1かは分からないのですけど、やはりオリジナル仕様にしておきたいですね。しかし、後ろのM-1は、すでにOM系後期の樹脂カバーが厚くなったレバーに交換されています。確かにOM-1(2)のレバーは指が痛くなるので、実用派には使いやすさの向上にはなりますね。しかし、手前のM-1は美品ですよ。

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