今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ローライ35量産の日々の巻

2021年06月12日 10時50分00秒 | ブログ

すみません。通常の量産作業のためUPすることがありません。ローライ35を続けてやっていました。トップカバーに付いているレバーアテは欠損が多いので新しいものを熱カシメしてあります。また、カウンター窓も剥離が多いので古い接着剤を取り除いて一度全体を洗浄してから接着をしています。

 

ジャーマニーの初期型はヘリコイドグリスが抜けていますので、洗浄をして新しいグリスを入れておきます。良い感触・・

 

この個体はシンガポールですが未分解機なのにネジが斜めに入っています。シンガポール~・・頼みますよ。取り外して裏側のアイドルギヤを洗浄注油をしてからネジ穴を正しく修正してねじ込みます。

 

この個体のトップカバーは微妙にへこみがあります。まぁ、見なかったことにしても・・やっぱ直します。

 

 

この個体はレンズ内の汚れが多いですね。きれいなやつは全くきれいな個体もあるのに環境でしょうかね。すべて分解清掃します。

 

この個体はクセナー付きです。全体に程度は良いので探している方も多いのでは?

 

 

しかし、左側の絞りユニットが動きません。

 

 

原因は1枚の羽根のピポット部の腐食拡大による固着です。修正で正常に作動するようになりました。

 

 

ネジ穴右の小さなへこみね。これも修正しておきましょう。このような作業が続いて行きます。

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 


SAWYER'S MARK Ⅳ を修理するの巻

2021年06月07日 11時00分00秒 | ブログ

途中からのUPなんですけどね。ソイヤーズmk Ⅳという小さくて可愛いカメラですね。東京光学製の輸出向けカメラだそうです。4X4 Topcor 6cm F2.8 フィルムの入手が難しいですかね。

で、シャッターは精工舎のMXLですが不動の原因は開閉環というのでしょうか、シャッターチャージをする先端の部分が折れていました。地板側のY路地の部分にも衝突した陥没があります。

そこで、同じMXLシャッターを採用している安いジャンクを入手して調達しました。同じMXLでも搭載されるカメラによってストロボターミナルの取り出し位置などが違う場合もありますが開閉環は共通でした。

 

予めメンテナンスをしておいたシャッターに組み込んで作動をテストします。問題ありません。

 

 

カメラ本体に搭載します。

 

 

ファインダー関係の清掃をします。意外に汚れは少なく程度は良好です。

 

 

スクリーンを留めるバネはローライなどとは違いますね。サイズが小さいですからね。

 

 

ガラスとフレネルは汚れが目立つので洗浄しました。

 

 

問題はシボ革です。過去に分解されていまして、シボ革の材質が悪く、すでにモザイク状に割れていました。新しく新製とも思いましたがピースはほぼ揃っているので1つずつ接着をして行きます。

 

殆ど気にならない程度に貼れました。なるべくオリジナルが良いですからね。コンデションは良くたぶん早期に故障をして使われなかった個体でしょう。ローライフレックスと比べると本当に可愛いですが良く出来ていますね。

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


PEN-Wの駒数ガラス交換の巻

2021年06月07日 10時30分00秒 | ブログ

ご常連さんからのご依頼を簡単に。「駒数ガラスのクラックが2か所に及んで視認性が悪いので交換して」じつは塗装のPEN-Wはエポキシ接着剤との親和性が高く、古い接着剤を取り除くのが困難なのです。

 

トップカバーを開けてみると・・ご常連さんの個体なので過去に私がO/Hしたと思い込んでいましたが違いましたね。巻上げダイヤルの留めネジがオリジナルではないですね。このネジは左ネジなので良く代替ネジがあったものです。 緩めるとどんなことになるのか不明のため手を付けません。というかご依頼がありません。

で、このように交換しました。視認性スッキリ。

 

 

気になったのは無限のズレとヘリコイドグリスが抜け掛かっていること。ご依頼はありませんがサービスで交換調整をしておきます。良く見るとシャッター羽根に指紋のような汚れがあります。これは腐食で染みついていて取れません。

 

では、また頑張って来なさい。

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 


コーワ・Kallo W 2台の巻

2021年06月05日 22時00分00秒 | ブログ

コルゲンコーワのカロワイドと言うカメラです。1955年の発売とのことですが、露出計は内蔵しない距離計連動カメラです。シャッターは精工舎のMXと定番のシャッターの供給を受けますので、カメラメーカーはレンズと暗箱を作れば製品が完成する時代です。今回は2台同時にメンテナンスをしますが、初期型なのかなぁ#300XXと#374XXの個体です。まず、#300XXの方からですが、純正フィルターを外すと本体側のリングまで外れて来ました。周り止めのようなイモネジもありません。

シャッターは不調ですが定番なのでUPは省略します。ヘリコイドグリスが抜けていますので分解の上、交換しておきます。

 

底部はなんと潔い手作り感満載の作りですね。アンダーカバーにへこみがありますので(赤●)修正をしておきます。巻上げギヤとリンケージの清掃とグリス塗布。

 

トップカバーを外してファインダーの清掃をしておきます。

 

 

巻上げ機構はシンプルです。前面棒状の部品がスライドしてシャッターチャージをします。フィルムカウンターは巻き上げレバー内で完結しています。

 

接眼レンズの清掃。黒の押さえリングはネジ式ではありません(接着)

 

 

距離ダイヤルですが、なぜかヤスリのようなもので削られています。

 

 

何の意図でしょうね? アルマイトが掛かっていたかアロジン処理のみなのかは不明ですが、修正をしてバフ掛けします。

 

こんな感じになりました。緩まないようにしっかりフィルターリングを絞め込みます。

 

 

どうしようかと考えましたがシボ革の欠損部分を補修しておくことにします。

 

 

裏蓋にも。

 

 

おまけ。

 

 

こちらは#374XXです、やはりシャッター不調とヘリコイドグリス抜けがあります。初期のダイカストボディーより仕上がりが格段と良くなっています

 

シボ革はパリパリ剥がれてしまうタイプで、こちらの個体も欠損部があります。気になるので補修しておきます。まずは型紙取り。

 

夜目遠目。

 

 

シャッター制御のリンケージ。左端のリングナットはどちらの個体でも緩んでいました。

 

 

後玉は汚れがありますが、ご覧のようにローレット付きですので分解は非常に楽です。

 

ファインダーは初期型には前面ガラスがありませんでしたが、こちらには前面ガラスがあります。清掃はしにくいです。また、ハーフミラーは初期型は全面蒸着ですが、こちらは中央部のみの蒸着です。よって、ファインダー像に色がつきません。28▲28の深度目盛りは初期型は直接彫刻ですが、こちらは別プレートのネジ留めです。

トッフカバーの巻き戻し側の留め方も変更されています。初期型は側面ネジ留め。こちらは巻き戻し軸部のナット式です。

 

 

比べると良く分かりますね。その他、巻き戻しダイヤルはバルナックのように引き出し式で伸びますが、精度が荒くダンパーグリスを塗布してもスカスカです。#374XXの方は精度が良くなり内部にリン青銅のバネが組み込まれていてガタが無いように改良されています。

左が初期型#300XXで右が#374XXですが、深度目盛り、シャッターダイヤルの彫刻文字が変更されています。

 

 

裏蓋の圧板の材質も違いますね。初期はガラス製、#374XXは金属製。

 

 

初期型は少数生産の手作り感一杯でしたが、#374XXではかなり品質も改良されているのが分かります。スナップ用カメラとして人気があったようですね。

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ニコンFファインダー組立の巻

2021年06月03日 14時10分00秒 | ブログ

ニコンFですけど、ご常連さんかご友人からアイレベルファインダーを分解した状態で譲られたそうです。接眼レンズを留める金属プレートのネジを外してしまい中で遊んでいます。

 

恐らくプリズムと接眼レンズ内側の汚れを清掃しようと思われたのでしょうけど、プリズムの腐食は拭いても取れません。接眼レンズとの遮光部にあるモルトは劣化していますので全て分解清掃で組み立てていきます。

 

接眼レンズの内側にカビがありますので清掃をしておきます。

 

 

プリズムと接眼レンズ間のモルトと押さえ金具取付けます。

 

接眼レンズ押えのネジが1本紛失でしたので追加して組みます。

 

 

カバーを取り付けます。

 

 

ミラーボックス内のホコリや汚れが多いです。リターンミラーの汚れの他、スクリーンAに油が回っています。

 

分解洗浄したところ。コンデンサーガラスのコーティングが劣化(シミ)気味です。

 

 

内部の清掃とモルト交換できれいになりました。

 

 

ファインダーを取り付けます。

 

 

本体には特に不具合はありませんでしたのでメンテナンスで終了です。相場は良く知りませんがこの頃のブラックモデルは高評価ではないのでしょうか? (知りません)流石にプロが使用したカメラでがっちりとして正に道具ですね。

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)