今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

いろいろやっての巻

2023年02月05日 20時00分00秒 | ブログ

通常よりも夜遅くまで作業をしています。デジカメのSDカードが書き込みエラーとなったこともあって、画像も殆んど撮っていないのですが簡単にUPしますね。これはPEN-Wですが、どうやったらここまで壊せるのか不明です。左側の巻上げカムに接するレバーのカム接触面が大きく曲げられています。曲げられると言うのは変な表現で、90度に曲がっている部分が戻されているような変形。このレバーは熱処理がされているので通常は曲がりません。曲げようとすると折れます。また、右側のダイカストネジ部が割れています。ここは逆転防止爪が付く部分です。故意に破壊をしたとしか考えられません。或は相当なア〇か?

ダイカストボディーは当時でも非売品でパーツ番号の設定もありません。本体が破損した時は修理不能。新しいカメラを買ってね。ということです。今回は鋼線でタガを嵌めて修理しました。

 

他にスプロケット軸の先端(スリ割り部)が開いています。軸受けは嵌っていたのスプロケット軸は回転しませんでした。自然にはならないと思いますが、全くミステリーな個体です。スリ割りの隙間を直して再使用としました。

 

これはローライ35Sですが、沈胴のロックが掛からず(回転しない)固着状態と言うもの。原因は部分の作動不良でした。珍しい不具合です。指先のレバーはトップカバーを外した時にロックを制御するための工具。

 

ついでに沈胴のスライドが緩いのでチューブを抜いて調整をしたところ。ローライ35と比べてローライ35Sはこの部分の調整が非常に面倒です。簡単にシャッターユニットとチューブが取り出せませんからね。

 

この黒いリングが残るので外さないとチューブが後ろに抜けません。

 

 

これは非常にきれいでヤレ感のないローライコードⅤbです。長期放置でレンズ汚れやシャッター不調があるのとミラーの腐食が目立ちます。

 

美品レベルなので新品のミラーを奢っておきます。これはお買い得の個体。

 

 

これからローライ35ブラック(ジャーマニー)とローライ35Sブラックに掛かります。どちらもアタリのない良いコンデションの個体です。どちらも中古市に出ますので欲しい方は狙ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


忙しくなっての巻

2023年02月01日 13時00分00秒 | ブログ

すみません。カメラ市も近づいて来て時間的な余裕が無くなって来ましたので、ブログの更新は出来る時にだけさせて頂きます。また、昨日もカメラが複数到着していますが、拝見するのが少し遅れますのでよろしくお願いいたします。m(__)m

で、セイコーGSは歩度調整が終わりケースニ入れます。回転錘を取付けるので一番仲介車をセットします。

回転錘を取り付けました。

 

 

パッキンを交換して裏蓋を閉めます。

 

 

これで完成です。

 

 

で、直接のお客様のローライ35も作業をしています。シンガポール製で古くは無いので問題はないと思いましたが・・露出計ですが、すでにCdsは交換されていました。また、調整用の高輝度側の半固定抵抗も交換されています。

 

オリジナルより少し大きいのでビニールテープで絶縁してありますね。このタイプの抵抗もすでに入手不能ですので、Cds共々かなり早い時期に交換されていたのではないかと思います。

 

巻き上げレバーの戻り不良をご指摘頂いていましたが、分解してみるとに掛かるバネが外れていました。途中で外れることはまず考えられませんので前回の組立時にミスをしたのでしょう。

 

スプール軸などを分解洗浄して新しいグリスを入れます。

 

 

清掃をしたファインダーを取り付けます。

 

 

沈胴は緩いというほどではないのですが、少しフィーリングが気になるので分解して調整をします。

 

意外にもこのシャッターは未分解です。3本のネジに緩み止めのニスが塗られたままです。分解時にはニスを溶かしてからネジを緩めます。

 

全て分解の上レンズの清掃をして組み立てます。レンズの状態は良好です。

 

 

この化粧プレートですが、ジャーマニーの初期の個体では、部の切り欠きがありません。これが無いと分解時に困るのです。また、この切り欠きの位置ですが、未分解と思われる個体を調べても、特に時計で言う何時の位置で接着するという決まりは無いようです。それぞれバラバラです。

繰り出しの前玉はヘリコイドグリスが抜けています。条数が少ないですからね。回転にして2回転で終わりです。

 

シャッターユニットを取付けてフィルムレールを取り付けます。

 

 

トップカバーはレバーアテが欠落していますので熱カシメをして本体に取り付けます。

 

巻き戻しダイヤルは分解清掃をして組みます。

 

 

この個体はシボ革を交換されていますが、本革の場合はどうしてもオリジナルより厚くなりますのでサイドの終端部が盛り上がってしまいますね。純正のシボ革でもこの部分は薄く成形されているのです。(本体側の落し込みが浅いため)交換をされる場合は、紙ヤスリで先端部を薄く剝いてから貼ると良いです。

ヘリコイドグリスを塗布して前玉を取付け無限調整をしました。距離リングをセットしますが、このリングの樹脂は非常に溶剤に弱いですから分解時などの溶剤の使用は注意が必要です。簡単に溶けてしまいますから・・

 

最後に化粧リングを接着して完成です。

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)