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富塚孝一
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ローライ35系兄弟の巻き(2)

2023年02月19日 20時00分00秒 | ブログ

さて、ローライ35Sブラックの方です。画像ではこの程度にしか写りませんが現物はもっと汚れ放題の個体です。現役機というよりは放置機? シャッター低速止まりなどがありますが、大きな不具合は無いようですので通常のオーバーホールです。

 

そのためレンズやファインダーにカビが発生しています。

 

 

巻き戻しダイヤルは殆どこのように劣化していますね。

 

 

接眼レンズを取り外してみると、ブライトフレームガラスにカビが多く発生しています。

 

の部分が陥没しています。幸いカバー側は凸になっていませんが、カバーがアルミ製で柔らかいので、このままにしておいた方がカバーにやさしいのか・・やっぱ直しておきます。

 

そのトップカバーですが、汚れを洗浄してみると・・なんと艶消しも完璧に残っていて、アルミ製なのにへこみも無い。すばらしいカバーです。じつは殆んど使われなかったのでは?

 

沈胴の感触が良くない。分離して調整をします。

 

 

沈胴チューブは戻してあります。では、過去に分解歴がある(あるんだぁ)シャッターユニットを分解清掃して行きます。

 

ローライ35系のレンズは比較的にカビが生えにくく、生えていても清掃で取り除けるという印象がありますが、この個体の場合はレンズの各面にカビが生えています。

 

ゾナーレンズは分解はし易いのですが、異形のレンズ座などが入るので、分解時はどのように入っていたかを記録しておいた方が良いです。ほぼ清掃が出来ましたが、絞り羽根の前面にうっすら残りましたかね。作業前と比較したらまずまずです。これだけカビの多いレンズは珍しいので保管が良くなかったようです。

ストラップの金具部分のみを取り付けます。最近は社外のストラップも出回っているようですが、金具からストラップが抜ける事故もあるようですので注意をしないとね。私は昔購入した純正新品を所有しています。

 

汚れ放題の裏蓋も洗浄してあります。こっちも忘れずに巻き戻しダイヤルを黒くしておきます。

 

 

仕上がって見れば目立つアタリも無くきれいな個体となりました。オーナーさんの選択眼は正しかったようですね。

 

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