中古カメラ市用の作業が終わりました。美品の初期ローライ35の完成が間に合わなかったのが残念ですが、お休みなしの長時間作業で少々疲れました。で、ぼちぼち通常の作業を再開です。PEN-S3.5の後期になるとシャッターユニットがコパルによって設計変更を受けるのですが、永く使うには変更前のユニットの方が良いので、オーナーさんに生産時期の近いドナーを探して頂いていました。このユニットに換装しますが、仕様は良いのですがシャッター羽根などの腐食が目立つ個体です。
全て分解をしてハウジングも完全に洗浄します。特に摩耗は無いようです。
やはりシャッター羽根は気になるので、元々のユニットに使われていた羽根を使いました。
PEN-S3.5改は終了。次は2台のPEN-Wをニコイチで仕上げてというご依頼。私は正体不明のような組立はしたくないので#1091XXの悪い部品を最小限入れ替えるという方針で行きます。
私のところに来るカメラは皆同じですが汚れが目立ちます。シボ革の溝部分にごってりと手垢が詰まっています。修理工賃の中には含めておりませんが、私が汚いカメラを触りたくないので洗浄しているだけです。
PEN-Wの問題はレンズですが、特に後玉のバルサム切れ(黄変)とコーティングの劣化です。この個体の場合はバルサムはほどほどでコーティングの劣化です。すでに殆ど拭き取られています。
すでにシャッターユニットはオーバーホールを終えて本体に搭載しました。シボ革を貼ります。
本体はレンズ前群を残して完成。トップカバー側はファインダーのレンズを分離して清掃と再接着をしてあります。
この個体は駒数ガラスの汚れ(小キズ)が多く、駒数盤が見えにくい状態でしたので研磨をしておきました。新品と交換しても良いのですが、PEN-Wはトップカバーが塗装仕様のため、エポキシ接着剤が塗膜と強く融合しているため剥離はPEN-Sなどのメッキ仕様より困難で注意をしないと塗膜が剥がれます。
何故が外観の悪い#1027XXの方が後玉が良いです。奇跡的にコーティングも生きています。
過去に分解した方も後玉を外そうとしてリングナットを緩めた形跡がありますが、結局、緩めることが出来ず傷を付けています。
本当はレンズの移植はしたくないのです。同じカメラのレンズであっても製造時期のロットの違いや公差の変更もありますので・・まぁ、交換のお陰て、最近見るPEN-Wでは一番レンズがきれいでしょうね。