昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (十二)

2015-05-15 08:37:04 | 小説
(百九十一) 彼は、ひと言も発することなく聞き入った。彼の母親にも通じる苦労に、言葉が出なかった。牧子は、彼の手をしっかりと握りしめて、話を続けた。 母の復讐心というのは、そんな苦労のせいじゃないの。お祖父さんの、毎晩の愚痴なの」 『おまえのせいで、息子は死んだんだ!』 『おまえが来てから、婆さんの気苦労が始まった。それが高じて死んだ!』 「それが、毎晩のように続いたの。殴られたことも、あっ . . . 本文を読む

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