にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (三十) 2016-02-26 08:54:19 | 小説 その夜久方ぶりに自宅に戻ったほのかを待っていたのは、腫れ物にでも触るが如きの孝男だった。 「お母さんは?」 「母さんは、じいちゃんのところだ。遅くならないうちに帰ってくるさ。 それよりどうだ、お父さんの銀行に入らないか。テラーの一人が産休で席が空くんだが」 . . . 本文を読む