昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[舟のない港] (五十一)

2016-05-30 18:52:30 | 小説
時間は未だ、八時前だった。 どうしてもミドリに会いたくなった。 “ミドリが出たら‥‥”と、公衆電話に手を伸ばした。 予感がしていたと喜ぶミドリの声に、男は救われる思いだった。 すぐにアパートに行きますと、弾んだ声だった。 今夜は、母と妹が母の実家に泊まりに行き、兄の道夫は残業で深夜近くの帰宅になるという。 そこで、友人宅を訪れる予定にしていたという。 あと五分も遅ければ、居なかったとも。 占 . . . 本文を読む

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