昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[舟のない港] (六十)

2016-06-18 12:20:08 | 小説
「夕食後の団らんの時だったの」 ミドリは、ポツリポツリと事の顛末を話し始めた。 「母と妹の三人で、貴方のことを話してたの。 毎日お部屋に行って、お掃除をしたり、夕食の支度をしたりしていることを。 ここ二、三日は残業の連続やら、兄が迎えに来たりしてアパートに寄れないから、寂しいって。 冗談まじりの会話だったのに、急に道夫兄さんが怒り出したの。 『お前は、どういうつもりなんだ。 彼と結婚の約束を . . . 本文を読む

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