[舟のない港] (五十六) 2016-06-09 19:06:33 | 小説 幾度かの転職後のことだ。 職業安定所の係員に、「プライドを捨てなければ、駄目だよ」と、窘められるに至った。 「そんなつもりはない!」と、強弁したものの、男自身も感じ始めていたことだ。 これといった資格を持たない男に、不況の風は冷たい。 . . . 本文を読む