昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

これって、愛なのか…?

2012-04-05 20:55:35 | 
[ふたまわり]の構想を練っていたときです。
茂作が痴呆症になっていく過程にするか、
その経過にするか……
そんなことを考えていた時でした。


会社の昼休みどき、鏡の前で髪をとかす君。

何度も何度も前髪に櫛をとおし、そして後に髪を束ねる。

にっこりと鏡にほほ笑みかけて、そして哀しげな目をしてみせる。

片手を差し出し、ピストルで撃つ真似を。

それは誰に向けて放った、恋の弾丸なんだい?

ぼくに向けての、愛の弾丸かい?

そして君は、もう一度鏡にほほ笑みかけて、

そして去って行く。


自席に座った二十歳の娘が、やおら手鏡を取り出して
前髪やら横の髪やらを、手櫛で整え始めたのです。
そのあまりの可愛さに、浮かんだ文でした。



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