昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ポエム ~焦燥編~ (敬 虔)

2024-08-12 08:00:01 | 

俺はなんとかして
ケイケンな気持ちになろうと務めた

シュウキョウという観念の前で
ユルシを請おうとこころみた

轟々とミズの流れおちる滝の下で
修行者のマネゴトごとをしてみた
白いユキの降りつもった山中で
白装束いちまいでダイノジになってみた
そしてそして じりじりとヤケツク砂浜を
素の足でハシリつづけてみた

しかし そのスベテが むだだった

理知的、論理的ニンゲンの俺には
              許されるコトのない
              許されるハズのない
              ことだった


(背景と解説)

なんとも傲慢な若者でした。
いま思うと、ある意味、唾棄すべき人間です。
カタカナにしてしまうことで、己とは無縁な、いえそれらを超越した人間なのだと思い込んでいる――思いこもうとしている、まったく馬鹿な若者でした。

彼女らに、次第に距離を置かれたとしても、自業自得というものでしょう。
形の上では己を責めているようにしても、内面では、相手を責めているのです。
そして最後には、自己擁護のことばを羅列して……

情けないです、みっともないです。
人生も終盤にかかった現在になって、やっと気がつくとは……。
これもまた、終活の一つなのでしょうかねえ。



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