(十七)ベタ惚れ?
「ばんごはん、なにたべた?」
「いま、なにしてた?」
「どんなテレビ、みてた?」
「フリーターってたのしい?」
「おふろ、はいった?」
「どこから、あらうの?」
「シャンプー、なにつかってる?」
「トリートメントは、しゅうなんかい?」
「-----?」
「*****?」
矢つぎ早の問いかけ。
答えるまえに、次のしつもんが飛ぶ。
右腕にしがみついて、しなだれかかるminako。
ときおり拳をつき上げて、そして嬌声をはりあげるminako。
どうした? こんやは。
唯ただ、とまどうばかりだ……。
のらりくらりと歩くふたりの目に、緑の木々が飛びこんでくる。
チラホラと紅葉した葉っぱが、じつにきれいだ。
が、立ち止まって見入ることはない。
ぼくの急かす声に、動くminako。
とどまりたげなminakoの気持ちに気づいてるくせに、わざと意地悪するぼく。
神社仏閣めぐりの好きな、minako。
閑静な場所が好きな、minako。
付き合うぼくは、minakoにベタ惚れ?
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