昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~ (六十七) 二

2013-10-11 17:36:13 | 時事問題
(二)

「タケゾーはね、GHQの将校さんたちのガーデンパーティに、
あたくしをどうしても連れて行きたいって言うの。

お庭でね、お食事しながら談笑することを、ガーデンパーティって言うの。
お肉やらお魚やらお野菜をね、そのお庭で焼くの。

そりゃもう、楽しいものよ。

飲み物も、ジュースは勿論のことお酒もね。
お酒といっても、ビールとかウィスキーとか、外国のお酒なんだけど。

シャンパンなんて、すっごくおいしいお酒もあったわ。
シュワーって泡が立つの。
そうね、ラムネのような感覚かしら。

もうね、列を作るのよ。
マダムにご挨拶したいって。

まだその頃は、タケゾーを足長おじさんとしてしか見ていない時期だったのよ。
どうご返事すればいいのか、困ってしまったわ。

恥をかかせるわけにもいかないから、黙って微笑んでいたのよ。
そうしたら、『You are Oriental mystery!Beautiful!』なんて言われて」


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