昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第五章:蒼い情愛 ~はんたー~

2024-04-06 08:00:11 | 物語り

(六)煙草

 ○刑囚は独りつめたいベッドに横たわり、仲間からとりあげた煙草をくゆらせた。

 すこしずつ窓から夜のとばりが、闇が、入りこんできた。
 気持ちの高ぶりが少しずつ収まる。

 闇の広がりとともに、僧侶がしきりに唱える安心《あんじん》の世界に入り込んでいく、と考えた。

 しかしそんな○刑囚のこころの営みは、結局のところ徒労に終わる。
 ○という現実の壁は、容赦なく○刑囚を追いこんでいく。

 しかしまた、どうして俺はあの二人を○したんだ? 実のところ、おれにも分からない。



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