昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~ (六十ニ)

2013-05-23 18:32:05 | 時事問題

(五)

やたらと語尾を甘ったるく伸ばす様は、聞かされている身としては辛いものがある。

「わたしとしては、ありきたりの美人には飽きたんだ。
良く言うだろ?『美人は三日で飽きて、不美人は三日で慣れる』って。
更には、『醜女の深情け』ともね。」

しっかりと薫の肩を抱き寄せて、真底の思いを語ったかの如くに、満足げな表情を見せる。

「安らげるんだよ、薫の傍だとね。」

“こんな痩せぎすのおばさんの、どこが良いんだよ。”

そんな思いを抱いていた面々だが、杉田の言葉に妙に納得させられている。

“確かに、美人相手だと気を使うかもな。”
“鼻っ柱の強い女が多いからな。”
“プライドの高い女は、確かに、ある意味疲れはする。”

“すぐに指名が入って、じっとしていない。けしからん!”
“キョロキョロして、落ち着きがない。”
と思いはするが、それでも、
“グラマーな美人がいい。”が、本音ではあった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿