昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)女将の声が母の声に聞こえた

2015-09-16 08:52:59 | 小説
凄まじいまでの実社会を、垣間見たような気がした。男女平等が叫ばれてはいるが、ビジネス社会においては完全な男社会なのだ、と思い知らされた。 『男にとって、男のエゴが生命の源だ!』 父親である武蔵の口癖だった言葉が、思い出された。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)もう壮絶のひと言よ

2015-09-14 09:06:05 | 小説
「でも、私なんか運がいい方かもね。同期三人で頑張ってたけど、結局私だけなのよね、残ったのは。一人は結婚に逃げ込んだし、一人は水商売にトラバーユしちゃったし」 「水商売って、ホステスさん、ですか?」 「意外? でもね、証券レディが水商売へ、って間々あるわけ。接待でお供することが多いからね」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)僕なんて、かわいいものさ

2015-09-11 08:49:30 | 小説
話し足りなそうな表情の蛍子に対し、身を乗り出す素振りで問い掛けた。 「蛍子さん、チーフなんですよね? もっと面白い話、あるんじゃないですか?」 得意げな表情を見せつつ、かつまた困り顔も見せつつ、 「どうしょっか、なあ。機密事項みたいなもんだし…」 と、焦れる彼を楽しんでいる蛍子だった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)本音の気持ち

2015-09-10 17:56:39 | 小説
「そんなに上手く、行くものなんですか?」 「だから必死よ、みんな。自分をアピールすることに関しては、凄まじいものがあるわ。もう、見ていて恥ずかしくなるぐらい媚を売ってるんだから。今の娘は、それぞれ自分のチャームポイントを良く知ってるからねえ」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)行って来て。楽しんで来て

2015-09-04 08:56:13 | 小説
指差す先を見ると、数人のグループが一人の女性を介抱していた。 飲みすぎたらしい女性が、苦しそうにうずくまっている。 「どうするよ」 「どうするったって、弱ったなあ」 「チーフ、からまれてたもんなあ。課長、酒癖悪いもんなあ」 「何時だ、今?」 「えぇっと、一時ちょい前だな」 小声で話しているのだが、良く聞こえる。 「ねえ、ねえ、どうするぅ? 」 「帰ろうかあ、チーフがこんなだし」 二人の女性が、 . . . 本文を読む

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