昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)本音の気持ち

2015-09-10 17:56:39 | 小説
「そんなに上手く、行くものなんですか?」 「だから必死よ、みんな。自分をアピールすることに関しては、凄まじいものがあるわ。もう、見ていて恥ずかしくなるぐらい媚を売ってるんだから。今の娘は、それぞれ自分のチャームポイントを良く知ってるからねえ」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)行って来て。楽しんで来て

2015-09-04 08:56:13 | 小説
指差す先を見ると、数人のグループが一人の女性を介抱していた。 飲みすぎたらしい女性が、苦しそうにうずくまっている。 「どうするよ」 「どうするったって、弱ったなあ」 「チーフ、からまれてたもんなあ。課長、酒癖悪いもんなあ」 「何時だ、今?」 「えぇっと、一時ちょい前だな」 小声で話しているのだが、良く聞こえる。 「ねえ、ねえ、どうするぅ? 」 「帰ろうかあ、チーフがこんなだし」 二人の女性が、 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)きっかけは、不純なものでした

2015-09-02 09:12:32 | 小説
「きっかけは、不純なものでした。 夜の女を口説き落とせるか? という、賭け事でした。 いえ、訂正します。そんなカッコイイものじゃない。 クラスメートに脅されたんです。 一生女と縁のない生活を送ることになるぞ、と。 彼らにとっては、面白半分のゲーム感覚だったと思います。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十六)冗談だよね、冗談だ。

2015-09-01 08:49:32 | 小説
きっぱりと告げる青年に対し、マスターは慌てた。 付き合いをやめるよう迫ったつもりが、本気だと告げられて困惑した。 「ねえ。結婚を、そんなに簡単に決めていいの?  親御さん、反対なんでしょ? 当たり前だよ、そりゃ。 ねっ? お客さんもそう思うでしょ?」 「え、ええ。でもぼくはまだ学生の身ですし、そんな、結婚なんて考えられませんし」 はっきりとした意思を持つ青年に戸惑う彼だった。 牧子に対する思い . . . 本文を読む

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