5日(月)その2.今日はモーツアルトの命日です.1756年1月27日生まれのモーツアルトは1791年12月5日に死去しました.今日からちょうど220年前のこの日でした.35年11ヶ月の短い生涯でした 彼の死後モーツアルトの作品を研究したオーストリア生まれのルートヴィヒ・ケッヘルによる「モーツアルト全音楽作品の年代別主題別目録」によれば,モーツアルトは626曲の作品を残しています.「ケッヘル番号」として現在その名が残るケッヘルについては,講談社現代新書「モーツアルトを”造った”男~ケッヘルと同時代のウィーン」(小宮正安著)に詳しく書かれています.これについては4月6日のブログで紹介しました
モーツアルトの命日に際して,クラシック音楽を聴き始めてまだ日が浅い人のために,”どんな曲を聴いたらいいのか” 「モーツアルト入門」をお贈りします 彼の音楽は数も多く,ジャンルも多岐にわたっているので,ジャンルを搾り込んで,あくまで独断と偏見で選びました
1.交響曲
第39番,40番,41番(ジュピター)の後期3大交響曲は甲乙つけ難い名曲ですが,まず「第39番K.543」の第3楽章「メヌエット」を聴いてみてください.踊りだしたくなるような楽しい音楽です また,「第25番K.183」は映画「アマデウス」で一躍有名になりました.初めてこの曲の冒頭部分を聴く人にとっては衝撃の出会いとなるでしょう.このほか,「第31番k.297(通称”パリ交響曲”)」がモーツアルトの青春の息吹を感じさせる名曲だと思います
2.ピアノ協奏曲
第20番,第21番,第23番,第24番,第26番,第27番といったところです.このうち「第20番K.466」と「第24番K.491」は短調の魅力溢れる名曲です.一番好きなのは「第23番K.488」です.このほか彼の最初の協奏曲である「第5番K.175」は17歳のときの作品ですが,溌剌として心がウキウキする名曲です(第1番から4番までは他の作曲家の曲の編曲なのでオリジナルではない).どの曲も第2楽章(アダージョ)がしみじみと心に沁みます.
3.クラリネット協奏曲イ長調K.622 第2楽章「アダージョ」は地上の音楽ではありません.天国の音楽です
4.セレナード第9番「ポストホルン」k.320 七つの楽章から成りますが,どの楽章もモーツアルトの魅力に溢れています
5.ピアノ・ソナタ第15番K.545 12分程度の小曲ですが,愛らしいキラキラした曲です
お薦めしたい曲は山ほどありますが,とりあえず上に挙げた曲を聴いてみてください なお,CDショップやTUTAYAなどで,誰の演奏がいいのか,と悩むかもしれませんが,結論を言えば誰の演奏でも良いのです.お店に並んでいるCDはプロの演奏家による演奏なので,どれもが鑑賞に堪えうるものです.不安ならCDショップだったらお店の人に相談するのもいいかもしれません 大切なこと,とくにビギナーにとって大切なのは,同じ曲を何回も繰り返して聴くことです.いつしか,メロディーを口ずさむようになった時,あなたはモーツアルトの世界から抜け出せなくなります
今夜,コンサートから帰ったら,「レクイエム」を聴いてモーツアルトを偲びたいと思います
〔ピアノ協奏曲第23番,19番〕 〔ポストホルン・セレナード〕
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ) ジョージ・セル=
カール・ベーム=ウィーンフィル クリーヴランド管弦楽団