人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパン第103回定期演奏会を聴く~世俗カンタータ第3回目

2013年07月27日 07時00分23秒 | 日記

27日(土)。昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)の第103回定期演奏会を聴きました 今回はバッハの世俗カンタータ・シリーズ第3回目です。プログラムは①音楽劇「響き交わす弦による 一致する不一致よ BWV207」、②音楽劇「鎮まりしアイオロス」〈破れ、砕け、うち壊て、この洞窟を〉BWV205」です

キャストはジョアン・ラン(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、ヴォルフラム・ラトゥケ(テノール)、ロデリック・ウィリアムズ(バス)、演奏は鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽・合唱)です

 

          

 

開演前にお決まりのアナウンスがあります

「ケータイ電話のご使用は他のお客様のご迷惑になることがございます。会場内ではマナーモードに設定のうえ電源をお切りください

どこかおかしいと思いませんか?この場合、「迷惑になることがある」という言い方が変です。演奏中ケータイが鳴ったら「迷惑になる」のであって「迷惑になることがある」のではありません それから、電源を切って欲しいと言っているのに、なぜマナーモードにしなければならないのか、意味不明です こういう言い方はこの東京オペラシティコンサートホールだけだと思います。他のほとんどのコンサートホールでは次のようにアナウンスしています

「ケータイ電話のご使用は他のお客様にご迷惑になります。会場内では電源をお切りください

関係者の再考を求めます

拍手の中、オケのメンバーが三々五々登場してきます。フラウト・トラヴェルソは管きよみと、いつもは前田りり子なのですが、この日は菊地香苗という新人が入ります また、オーボエも三宮正満と尾崎温子のほかに星春海という新人が加わっています さらに合唱の男声も2~3人新しい人が入っているようです。年度が代わって少しずつメンバー変更が進められているのでしょうか

1曲目の音楽劇「響き交わす弦による 一致する不一致よ」は大学教授祝賀カンタータということもあって、幸運(ソプラノ)、感謝(アルト)、勤勉(テノール)、名誉(バス)がそれぞれ主役になって歌われる真面目なカンタータです 舞台左サイドに控えた3人のトランペット奏者は片手でトランペットを支え、もう一方の手は腰にあててかっこよく吹きます 古楽器トランペットはバルブがないので吹くのが困難だと思われます それでも3人は高度な技術力で演奏に集中します。全体的には「祝賀」カンタータなので明るく輝かしい音楽です 4人のソリストは、それぞれ持ち味を発揮して会場一杯に喜びの歌声を響かせます

休憩後、指揮者の鈴木雅明がマイクを持って登場、曲の解説をしました

「前半は大学教授祝賀ということで堅苦しい面がありますが、次に演奏する音楽劇『鎮まりしアイオロス』は風の神が吹き荒れるのを、他の神々がなだめすかして鎮めるという、説明するまでもないような劇音楽です バッハとしては、他のカンタータよりも多種類の楽器を使用して大規模な音楽を作曲しています。背景には、相当大きなスポンサーがいたことは間違いないでしょう

この曲でもトランペットの3人が舞台左サイドにスタンバイし、反対の右サイドにはホルンが2人スタンバイします。ホルンは管を丸めただけでバルブはありません。中央にはヴィオラ・ダ・ガンバが控えます

歌手は4人とも実に楽しそうに歌います。これはおそらく指揮者・鈴木雅明の考えによるものだと思われます。「みんな、楽しくやりましょう」という掛け声があったはずです その一方で、歌手に伴奏をつけるオケのメンバーを見ると、オーボエの三宮正満はいつものように抜群の好演で聴衆を唸らせ、ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・モーレを弾いたコンマスの若松夏美は安定した実力を発揮していました また、フラウト・トラヴェルソの管きよみと菊地香苗は美しいハーモニーを奏でていました それとティンパ二の乾いた響きが何とも心地よく、”軽快なバッハ”演奏に貢献しています

それにBCJと言えば、ソリストを含めた合唱の素晴らしさを指摘しないわけにはいきません 文字通り、世界に通用する超一流の合唱団です バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏を聴いていつも思うのは、バッハが現代に息づいている、ということです

終演後は拍手 とブラボーが鳴り止まず、何度もソリストたちと鈴木雅明は舞台に呼び戻されていました 会場の1階後方に空席が目立ったのは何とももったいない話だ、と残念に思いました

 

              

 

コメント (2)
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