人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パリ・オペラ座バレエ・ライブビューイングでマーラー「交響曲第3番」を観る

2013年07月23日 07時01分03秒 | 日記

23日(火)。昨日は1日の夏休みを取りました。実は台所のガスレンジが3つのうち2つが点かず、最後の1つもチャッカマンに頼っている今日この頃なので、そろそろヤバイのではないかということで、業者に来てもらい見積もりを出してもらうことにしたのです

要件はほんの30分程度で終わったので映画を観に行くことにしました 候補は3つ。一つは「25年目の弦楽四重奏」、二つ目は「アンコール!!」、三つ目は「パリ・オペラ座バレエ”マーラー:交響曲第3番”」です 1分ほど迷って「パリ・オペラ座バレエのマーラー」を観に行くことにしました

午前11時半からの指定を取りましたが、ウィークデーということもあってか日比谷のTOHOシネマズみゆき座はガラガラです。20人までは居ませんでした

 

          

 

この映画は今年4月18日にパリ・バスティーユのオペラ座で上演されたバレエ「マーラー:交響曲第3番」のライブ録画です 音楽は言うまでもなくグスタフ・マーラーが作曲した「交響曲第3番ニ短調」ですが、この長大な曲にハンブルク・バレエの芸術監督ジョン・ノイマイヤーが振付を施したのもです ノイマイヤーは就任早々真っ先にこの曲を取り上げたといいますが、マーラーが1891年3月にハンブルク市立劇場の指揮者に就任し、1893年からザルツブルク郊外のアッタ―湖畔のシュタインバッハで夏の休暇を過ごし、そこで交響曲第3番を作曲したことと、少なからず関係があるのではないかと思います

交響曲第3番ニ短調は1895年から96年にかけて作曲された全6楽章から成る交響曲ですが、第4楽章にアルト独唱、第5楽章にアルト独唱と児童合唱、女声合唱を導入しており、演奏時間は100分にも及びます

マーラーは作曲当初、全曲と各楽章にタイトルを付けていました。全体の表題としては「夏」をテーマにしています また楽章ごとには、第1楽章「夏が行進してくる」、第2楽章「野原の花々が私に語ること」、第3楽章「森の動物たちが私に語ること」、第4楽章「夜が私に語ること」、第5楽章「天使たちが私に語ること」、第6楽章「愛が私に語ること」としています。しかし、これらの標題は、後に誤解を受けるとして、マーラー自身の手によって破棄され、楽譜には書かれていません

ノイマイヤーは、マーラーの当初の標題を生かし、「夏」、「秋」、「夜」、「天使」、「愛が私に語るもの」として再構成し、演出しています

彼は、公演が始まる前のインタビューで「このバレエを観て、考えないで下さい。自分のものとして吸収してください」と語っていました チャイコフスキーの3大バレエ曲や、ストラヴィンスキーの「春の祭典」などのように、もともとバレエのために作曲された曲ではない曲に振付を施すことの困難さを言い表したのだと思います

サイモン・ヒューヴェットという指揮者のタクトで第1楽章が開始され、まず、男性陣による男っぽい「夏」が展開します どうも、男ばかりのバレエは味気なくて困ります。ベジャールのボレロは別ですが

「秋」になって、やっと女性ダンサーの登場です。時に2人で、3人で、集団で、音楽に合わせて現代バレエが踊られますが、マーラーの曲自体が長いため、間を持たせるのが大変です はっきり言って、バレエ音楽としてマーラーの交響曲第3番は向かないのではないか、と言うよりも100分にも及ぶマーラーの交響曲全体をバレエで表現することに無理があると思います 同じマーラーの交響曲でも第5番の「アダージェット」はバレエに向いていると思いますが(これもベジャールだったかも知れません)

全曲を通して思うのは、この曲を振付するのなら最後の「愛が私に語るもの」だけを取り上げた方が良いのではないかということです 全曲を聴くのなら、バレエ抜きで純粋にオーケストラの演奏を聴いた方が良いと思います 上映時間は1時間54分。入場料は3,500円です

パリ・オペラ座ライブビューイングはバレエだけでなくオペラのライブ録画も上映します。ビゼーの「カルメン」、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」、オッフェンバックの「ホフマン物語」、ヴェルディの「ファルスタッフ」、ポンキエッリの「ジョコンダ」です。こちらの方が期待できるかも知れません

 

          

 

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