4日(木)。わが家に来てから今日で2317日目を迎え、2019年の参院選広島選挙区をめぐり、公職選挙法違反(買収)の罪で有罪判決を受けた参院議員の河井安里被告が3日、山東昭子参院議長あてに議員辞職願を提出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
当然だ! いつまでも国民の税金で養っている訳にはいかない! もう一人いたよね
昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛炒め」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました お酒はワインですね
昨日、新文芸坐で「透明人間」と「ザ・ハント」の2本立てを観ました
「透明人間」はリー・ワネル監督による2020年製作アメリカ映画(122分)です
富豪の天才科学者エイドリアン(オリバー・ジャクソン・コーエン)に束縛された生活を送るセシリア(エリザベス・モス)は、ある夜、計画的に彼の豪邸から脱出を図る 悲しみに暮れるエイドリアンは手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に残す しかし、セシリアは彼の死を疑っていた やがて彼女の周囲で偶然とは思えない不可解な出来事が次々と起こり、命まで脅かされるようになる 見えない何かに襲われていることを証明しようとするセシリアだが、やがて正気を失っていく
光学研究の第一人者であるエイドリアンは、姿を消すことができる”透明人間スーツ”を発明し、それを使って自分の元から逃げ出したセシリアに恐怖を与え、元の生活を取り戻そうとするサイコ・スリラーですが、観ている側が恐怖を感じるのは、画面に映っていない何者かがすぐそばにいるという恐怖と、おどろおどろしい音楽のせいです
この映画を観て、凄いと思ったのはセシリア役のエリザベス・モスの演技力です 見えない相手から精神的にも肉体的にも追い詰められ、憔悴しきって行くセシリアと、最後に勇気を出して 生きているエイドリアンに会いに行き、相手の武器を逆手にとって復讐を遂げた時の勝ち誇ったセシリアと、同じ女優とは思えないほどの落差があります
製作者の力の入れようが窺える見応えのある2時間でしたが、エンドロールが長すぎます
「ザ・ハント」はクレイグ・ソベル監督による2020年製作アメリカ映画(90分)です
12人の男女が広大な森の中で目を覚ます そこがどこなのか、どうやってそこにきたのか、誰にも分らない 目の前には巨大な木箱があり、中には1匹の豚と多数の武器が収められていた すると突然、周囲に銃声が鳴り響く。何者かに命を狙われていることが分かった彼らは、目の前の武器を手に取り、逃げ惑う やがて彼らは、ネット上の噂に過ぎないと思われていた、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る「マナーゲート」と呼ばれる”人間狩り計画”が存在することを知る 絶望的な状況の中、狩られる側の人間であるクリステル(ベティ・ギルピン)が思わぬ反撃に出たことで、事態は予想外の方向へと動き始める そして、狩る側のセレブの女アシーナ・スト―ン(ヒラリー・スワンク)らによる「マナーゲート」の全容が明らかになる
この映画は、上流階級と下流階級との格差が、狩る側と狩られる側として置き換えられ、ネット上で根拠もないのに拡散する”陰謀論”などをテーマとして取り込みながら、アメリカ社会における階層の分断が描かれています クリステル役のベティ・ギルピンが冷酷で強い女性を好演しています
ところで、この映画における音楽の使い方には度肝を抜かれました 冒頭の「ユニバーサル」映画のクレジット映像から本編へと続けて入っていきますが、その音楽が何とマーラー「交響曲 第6番 イ短調 ”悲劇的” 」の第1楽章 冒頭の行進曲風の音楽なのです 映画を観終わってから振り返ると、アメリカ社会の分断の悲劇を皮肉っていたのかな、と思ったりしました
また、最後に狩る側のアシーナと狩られる側のクリステルが対峙するシーンでは、モーツアルト「ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488」の第2楽章「アンダンテ」の美しい音楽が流れ、二人の取っ組み合いシーンに移ると第3楽章「プレスト」の歓喜の音楽が流れます まさか、「人間狩り」の映画でモーツァルトが使われるなんて思ってもみませんでした 第2楽章は良いとしても、第3楽章の使用は 選曲ミスとしか思えません しかし、同じ曲が楽章を変えて流れるところに意図があるとすれば、そもそもこの曲の使用自体が選曲ミスだと思います