3日(水)。わが家に来てから今日で2316日目を迎え、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らによる愛知県の大村秀章知事へのリコール署名活動で、県選挙管理委員会は1日、提出された署名43万5千筆のうち約83%が、同一筆跡などの無効の疑いがある署名だったと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
フェイクはトランプの専売特許じゃなかったんだね? イエス 高須クリニック!
昨日は諸般の事情により夕食作りはお休みしました
昨夕、東京芸術劇場コンサートホールで2021都民芸術フェスティバル参加公演「東京交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」、③ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55 ”英雄” 」です
演奏は②のヴァイオリン独奏=前橋汀子、指揮=原田慶太楼です
自席は1階H列24番、センターブロック右通路側です 会場は市松模様を取らない通常配置ですが、結構聴衆が入っています
拍手の中、楽団員が登場し配置に着きます 弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります
コンマスはグレブ・二キティン。弦楽奏者は全員マスクを着用しています
1曲目はグリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲です この曲はミハイル・グリンカ(1804‐1857)が1838年から42年にかけて作曲した5幕8場からなるオペラの序曲です
物語の舞台は古代キエフ公国。キエフ大公の娘リュドミラは悪魔チェルノモールに連れ去られますが、3人の求婚者がリュドミラを助け出そうと競争し、ルスランが救出に成功、二人は結ばれるというストーリーです 序曲は、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの超高速演奏と比べてどっちが速いか、と思わず比較してしまう趣が強い傾向にあります
指揮者を迎える拍手が起こるや否や、コンマスの二キティンはじめ楽団員が即、演奏する構えを見せたので、原田はやるな と思っていると、予想通りやってくれました
原田は 指揮台に上るや否や、拍手が鳴りやまないうちにタクトを振り下ろし、演奏に入りました
若き日の小澤征爾がよくやった棒さばきです
東響のメンバーは、原田の求める超高速演奏に応え、爽快な演奏を展開しました
2曲目はブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」です この曲はマックス・ブルッフ(1838ー1920)が名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの助言を受けて1866年に作曲した作品です
第1楽章「前奏曲:アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「終曲:アレグロ・エネルジコ」の3楽章から成ります
前橋汀子が赤(むしろ朱色か)の鮮やかな衣装で登場、原田の指揮で第1楽章に入ります 両足を少し開いてヴァイオリンを大きく振りかぶる前橋の姿を見て、歌謡界の女王・美空ひばりを思い浮かべました
美空ひばりにヴァイオリンを持たせたら前橋汀子になります(ならないか
)。演奏は、第1楽章で原田がソリストに合わせにくそうに見えましたが、第2楽章以降は息が合ってきました
全体的にゆったりしたテンポで、ソリストもオケも堂々たる演奏でした
演奏後のカーテンコールの際、すぐ前の席の高齢男性がケータイで写メを始めました この人「許可のない写真撮影はお断りします」という場内アナウンスを聞いていないのか? あるいは耳が悪いのか・・・と首を傾げました
すると、休憩後のベートーヴェンが始まると、なぜか耳に手を当てて音を聴こうとする仕草を見せたので、本当に耳が悪いのかもしれないと思い、気の毒になりました
だが待てよ、プログラムには「撮影禁止」の注意書きが書かれているぞ、と思い直しましたが、そうか 目も悪いのか
と再び気の毒になりました
が、「じゃあどうやってこの会場まで来たのか?」とまたまた疑問に思いました
それにしても、サントリーホールだったら、すぐにレセプショニストの女性が飛んできて「写真は ✕ 」と注意されます
その点、芸劇はおおらかなのか、あるいは職務怠慢なのか
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55 ”英雄” 」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1803年から翌04年にかけて作曲、1804年にウィーンのロブコヴィツ男爵邸で私的に初演され、1805年4月にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト」の4楽章から成ります
この曲は当初、ナポレオン・ボナパルトに献呈するつもりでしたが、彼が皇帝に即位したことで「彼は民衆を裏切った」と激怒し、献呈を取り止めたというのは有名な話です
原田の指揮で第1楽章に入りますが、原田はこの曲でも高速テンポで音楽を進めます オーボエの荒木奏美、フルートの相澤政宏、クラリネットの吉野亜希菜の演奏が素晴らしい
原田はここぞ、というところでティンパニの強打を求めます
これが良いアクセントになり、メリハリのある演奏が展開します
第2楽章は冒頭の荒木奏美のソロが冴えわたります
第3楽章ではホルン3重奏が力強く、いかにも「英雄」に相応しい演奏でした
そして第4楽章ではオケ総力による渾身の演奏が展開しました
原田は第2楽章から第4楽章までを、間を空けることなく、ほとんど続けて演奏しました もしかして、第5交響曲のように「苦悩から歓喜へ」というベートーヴェンの哲学を、この曲の演奏に反映させようとしたのかもしれません
個性のない演奏が多い昨今のコンサートの中で、この日の原田 ✕ 東響の演奏は「ベートーヴェンの演奏はかくあるべき
」という刺激に溢れたパフォーマンスでした