人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパンでJ.S.バッハ「ヨハネ受難曲」を聴く ~ オール・ジャパンによる公演が定着した感のある第141回定期演奏会

2021年02月20日 10時08分13秒 | 日記

20日(土)その2.よい子は「その1」も見てね。モコタロはそちらに出演しています

昨日、19時からサントリーホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの「第141回 定期演奏会」を聴きました プログラムはJ.S.バッハ「ヨハネ受難曲」BWV245です 出演はエヴァンゲリスト=櫻田亮、ソプラノ=松井亜希、アルト=久保法之、テノール=江口洋介、イエス/バス=加来徹。管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です

危うく初台の東京オペラシティコンサートホールに行くところを、途中で気が付いて何とか開場時間の18時半ちょうどにサントリーホールに到着しました(その1参照)

自席は2RA6列2番、ステージ右上ブロック6列目、左から2つ目です 会場は市松模様ではなく通常配置ですが、1階3列目まで(とP席)が感染症対策で空席にしてあることもあり、約半数の入りでしょうか

拍手の中、オケのメンバーが入場し配置に着きます 舞台下手にヴァイオリン、ヴィオラの10人が、上手にフラウトトラヴェルソ、オーボエ、ファゴットの6人が、センターにチェロ、ヴィオローネ、オルガン+チェンバロの4人がスタンバイします。後から入場したコーラス20人がオケの後方に扇状になってスタンバイします エヴァンゲリスト(福音史家)役の櫻田亮は指揮者の左サイドに控えます

 

     

 

鈴木雅明の指揮で第1曲の合唱が歌われます。「主よ、私たちを支配される方よ、その誉れは全地にあまねく輝いています。あなたの受難を通して示してください。あなた、まことの神の子がいかなるときにも、低さの極みにおいてさえ、栄光を与えられたことを」と歌われる冒頭の合唱を聴くと、いつも「ああ、これからバッハへの旅が始まるんだな」と思います 男女混声合唱団によるコーラスはどこまでもクリアで深い感動を覚えます

テノールの櫻田亮は、今や日本人では最高のエヴァンゲリスト役として成功しています アリアがあるわけではなく、ひたすらヨハネが語ったキリストの受難の物語をテノールで語っていくわけですが、声が良く通り抜群の安定感があります

イエスを歌った加来徹も、今やバッハ・コレギウム・ジャパンのバス歌手として、なくてはならない存在になっています

ソプラノの松井亜希はノンビブラートの美しい歌唱で聴衆を魅了します テノールの谷口洋介とアルトの久保法之も大健闘でした もう一人、合唱の中で一人バスの歌手の力強い歌唱が印象的でしたが、名前が分かりません

管弦楽では、様々な楽器で歌手に寄り添った演奏が聴かれました 菅きよみのフラウトトラヴェルソ、三宮正満のオーボエ、若松夏美と高田あずみのヴァイオリンが素晴らしかったです プログラムを買っていないので名前は不明ですがヴィオラ・ダ・ガンバの演奏も良かったです

2階席から各楽器の様子が良く分かるのですが、鈴木優人は正面のオルガンを右手で弾きながら、左サイドのチェンバロを左手で弾いていました まさにマルチプレーヤーです。この人、凄いかもしれません

第39曲の「安らかに憩え、聖なるむくろよ~」という感動的な合唱と最後の第40曲のコラールを聴いて、「ああ、これで今年もバッハの旅が終わったな」と思いました

第1部が35分、20分の休憩を挟んで、第2部が75分、正味1時間50分の演奏でした マタイ受難曲が休憩を入れて3時間コース(正味2時間40分位)なので、同じくらいかかると覚悟していましたが、正味時間で50分も短いことを改めて認識しました

コロナ禍の影響で、図らずもオール・ジャパンの演奏家による公演が定着した感のあるバッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会ですが、今ではこれが何の違和感もなく普通に思えてきました 世界に誇るバッハ・コレギウム・ジャパンは日本の財産です

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大友直人 ✕ 牛田智大 ✕ 新日本フィルでショパン「ピアノ協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第5番」を聴く~新日本フィル”ルビー・シリーズ”

2021年02月20日 07時19分02秒 | 日記

20日(土)その1.わが家に来てから今日で2333日目を迎え、米疾病対策センターは18日、米国の平均寿命が2020年1〜6月、前年に比べて1歳短くなったとのデータを公表したが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、死者が増えたのが要因だという  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     マスクを着ける者は弱い奴だ と平然とのたまわってた大統領の貢献度が最も大きい

 

         

 

昨日、夕食に「牛タン塩焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「卵スープ」を作りました 後述の通り、極めて短時間にやるべきことが集中したので手早く出来るメニューにしました

 

     

 

         

 

昨日、14時からすみだトリフォニーホールで新日本フィルのルビー・シリーズ「第37回定期演奏会」を、19時からサントリーホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの「第141回定期演奏会」を聴きました ここでは新日本フィルのルビー・コンサートについて書きます

プログラムは①ショパン「ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11」、②チャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です 演奏は①のピアノ独奏=牛田智大、指揮=大友直人です

会場は金曜日の公演としては結構入っています オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスはチェ・ムンスです

 

     

 

1曲目はショパン「ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11」です この曲はフレデリック・ショパン(1810‐1849)が1830年に作曲、同年ショパンがポーランドを去り、ウィーンに出発する告別演奏会で作曲者自身のピアノ独奏により初演されました ヘ短調の協奏曲よりも早く1833年にパリで出版されたため第1番と呼ばれています 作曲家でピアニストのカルクブレンナーに献呈されています。第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「ロマンツェ:ラルゲット」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ソリストの牛田智大(うしだ・ともはる)は1999年福島県いわき市生まれ。2012年に第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールで最年少(12歳)第1位となり、2018年の第10回浜松国際ピアノコンクールで第2位とワルシャワ市長賞、聴衆賞を受賞しています

今年22歳になる牛田智大が大友とともに登場、ピアノに向かいます 大友の指揮で第1楽章が開始されますが、冒頭の”悲恋の動機”が胸を打ちます 短調特有の世界です。弦楽器のアンサンブルが美しい オケの演奏に次いで牛田のピアノが決然と入ってきますが、彼のピアノは力強さと繊細さを併せ持っていて、まさに「男のロマン」を感じさせます 2月から正団員になったフルート首席の野津雄太の演奏が華を添えます 第2楽章では、牛田は曲を慈しむように一音一音ていねいに音を紡いでいきます 河村幹子のファゴットがぴったりピアノに寄り添います 第3楽章では、ピアノがポーランド民族舞曲クラコヴィアクをもとにした独特なリズムで祝祭感溢れる音楽を展開します 躍動感溢れる素晴らしい演奏でした

鳴り止まない拍手に、牛田はショパンのマズルカっぽい曲をアンコールに演奏し、再び大きな拍手を浴びました 休憩時間にパトロネージュ部の登原さんから「マズルカ第33番」だと教えていただきました

この日の公演に先立って午前11時からホール隣接のホテルのチャペルで開かれた小室敬幸氏の「ワンコイン講座」の冒頭、登原さんから「新日本フィルに入職以来5年間、この講座を担当してきましたが、今回をもって担当が変わることになりました」と挨拶があったので、休憩時間に「寂しくなるけど、5年というのはいい区切りなのかもしれない 5年間お疲れさまでした」と労いました。講座の進行役からは離れても、トリフォニーホールでの公演の時はロビーに出て来場者の対応をするのは変わりないので、これからもお話しする機会はあると思います

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840ー1893)が1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ、コン・アルクーナ・リツェンツァ」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

大友氏の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭は「暗い絶望の運命の動機」です 次第に力強さが顔を見せますが、前日のリハーサルに比べて弦楽器を中心にパワーアップしたように感じました やっぱり本番を聴かないとオケの実力は分かりません 第2楽章では冒頭のホルンが”慰めの音楽”を奏でますが、この演奏がとても良かった クラリネットの仲舘荘志の演奏が冴えていました 第3楽章はチャイコフスキーらしいワルツです 第4楽章は、第1楽章で登場した「暗い絶望の運命の動機」が「勝利の運命の動機」に転換します 同じ動機なのにまったく性格を変えて登場させる手腕はチャイコフスキーならではの才能を感じます この楽章では、弦楽器の渾身の演奏とホルン、トロンボーン、トランペット、テューバなどブラスセクションの咆哮が印象的でした

カーテンコールが繰り返され、大友 ✕ 新日本フィルはアンコールにチャイコフスキー「弦楽セレナーデ」から「ワルツ」を優雅に演奏、大きな拍手を浴びました

牛田智大にせよ、弦楽セクションにせよ、もしこれが夜のコンサートだったらアンコールはなかったでしょう     緊急事態宣言下にある現在、各オーケストラは政府の要請に応えるべく、夜公演の終演時間を早める傾向にあります。そうした中、アンコールに応えればそれだけ終演時間が遅くなるので、やりたくても出来ないのです 個人的には、アンコールはあってもなくてもどちらでも良いという考えで、どちらかと言えば、プログラムに掲げた作品に全力を注いでほしいと思います

さて、前半と後半にアンコールがあったこともあり、終演は16時10分でした この後、JR線で巣鴨に戻り自宅に着いたのが17時でした それから夕食を作って食べ(上記)、お風呂を沸かし、モコタロにおやつをやり、17時45分に再度 家を出ました     サントリーホールに着いたのは開場時間ジャストの18時半でした    これほどハードなスケジュールも久しぶりでしたが、錦糸町からJRで巣鴨に戻る途中、「バッハ・コレギウム・ジャパン」の定期演奏会の開演時間は19時で変わりないかをWEBでチェックしました というのは、コロナ禍の影響で、開演時間を19時から18時へと繰り上げるケースがままあるからです その結果、開演時間は19時で変わりありませんでしたが、会場がいつもの東京オペラシティコンサートホールではなく、サントリーホールであることに気が付きました 危うく初台に行って開演時間に間に合わないところでした   危ねえ 危ねえ

ということで、この続きは「その2:バッハ・コレギウム・ジャパン」をご覧ください

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