20日(土)その2.よい子は「その1」も見てね。モコタロはそちらに出演しています
昨日、19時からサントリーホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの「第141回 定期演奏会」を聴きました プログラムはJ.S.バッハ「ヨハネ受難曲」BWV245です
出演はエヴァンゲリスト=櫻田亮、ソプラノ=松井亜希、アルト=久保法之、テノール=江口洋介、イエス/バス=加来徹。管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です
危うく初台の東京オペラシティコンサートホールに行くところを、途中で気が付いて何とか開場時間の18時半ちょうどにサントリーホールに到着しました(その1参照)
自席は2RA6列2番、ステージ右上ブロック6列目、左から2つ目です 会場は市松模様ではなく通常配置ですが、1階3列目まで(とP席)が感染症対策で空席にしてあることもあり、約半数の入りでしょうか
拍手の中、オケのメンバーが入場し配置に着きます 舞台下手にヴァイオリン、ヴィオラの10人が、上手にフラウトトラヴェルソ、オーボエ、ファゴットの6人が、センターにチェロ、ヴィオローネ、オルガン+チェンバロの4人がスタンバイします。後から入場したコーラス20人がオケの後方に扇状になってスタンバイします
エヴァンゲリスト(福音史家)役の櫻田亮は指揮者の左サイドに控えます
鈴木雅明の指揮で第1曲の合唱が歌われます。「主よ、私たちを支配される方よ、その誉れは全地にあまねく輝いています。あなたの受難を通して示してください。あなた、まことの神の子がいかなるときにも、低さの極みにおいてさえ、栄光を与えられたことを」と歌われる冒頭の合唱を聴くと、いつも「ああ、これからバッハへの旅が始まるんだな」と思います 男女混声合唱団によるコーラスはどこまでもクリアで深い感動を覚えます
テノールの櫻田亮は、今や日本人では最高のエヴァンゲリスト役として成功しています アリアがあるわけではなく、ひたすらヨハネが語ったキリストの受難の物語をテノールで語っていくわけですが、声が良く通り抜群の安定感があります
イエスを歌った加来徹も、今やバッハ・コレギウム・ジャパンのバス歌手として、なくてはならない存在になっています
ソプラノの松井亜希はノンビブラートの美しい歌唱で聴衆を魅了します テノールの谷口洋介とアルトの久保法之も大健闘でした
もう一人、合唱の中で一人バスの歌手の力強い歌唱が印象的でしたが、名前が分かりません
管弦楽では、様々な楽器で歌手に寄り添った演奏が聴かれました 菅きよみのフラウトトラヴェルソ、三宮正満のオーボエ、若松夏美と高田あずみのヴァイオリンが素晴らしかったです
プログラムを買っていないので名前は不明ですがヴィオラ・ダ・ガンバの演奏も良かったです
2階席から各楽器の様子が良く分かるのですが、鈴木優人は正面のオルガンを右手で弾きながら、左サイドのチェンバロを左手で弾いていました まさにマルチプレーヤーです。この人、凄いかもしれません
第39曲の「安らかに憩え、聖なるむくろよ~」という感動的な合唱と最後の第40曲のコラールを聴いて、「ああ、これで今年もバッハの旅が終わったな」と思いました
第1部が35分、20分の休憩を挟んで、第2部が75分、正味1時間50分の演奏でした マタイ受難曲が休憩を入れて3時間コース(正味2時間40分位)なので、同じくらいかかると覚悟していましたが、正味時間で50分も短いことを改めて認識しました
コロナ禍の影響で、図らずもオール・ジャパンの演奏家による公演が定着した感のあるバッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会ですが、今ではこれが何の違和感もなく普通に思えてきました 世界に誇るバッハ・コレギウム・ジャパンは日本の財産です