7日(木)。昨夜、WEBニュースを見ていたら、PHILE WEB が「ナクソス、シャンドス・レコードを買収。グループ傘下に収める」という記事を配信していました シャンドス・レコード(CHANDOS)は1979年にブライアン・カズン氏によって設立されたクラシック音楽レーベルです イギリスの作曲家の作品を中心にリリースしています 一方、ナクソス(NAXOS)はドイツのクラウス・ハイマン氏が1987年に創設したクラシック音楽レーベルです ナクソスのCDが発売されるようになってから、1枚1000円前後と安価なこともあり、片っ端からCDを買い集めたものです NAXOSのモットーは「クラシックの百科事典を目指す」でした 有名な作品から無名の作品まで世界中のクラシック音楽を次々と録音し販売し続けています NAXOS・CDの収集は途中でギブアップしましたが、あのまま続けていたら4000枚のうちモーツアルトが700枚超という偏った収集にはならなかったでしょう 悔しいですが、すべては後の祭りです なお、NAXOSは最近 配信にも力を入れています
下のCDは所有する数百枚の NAXOSレーベルからランダムに選んだバルトーク「ピアノ協奏曲第1~3番」のCD、その下が CHANDOSレーベルから出たイギリスの作曲家アーノルド・バックスの交響曲全集のCDです
ということで、わが家に来てから今日で3340日目を迎え、米大統領選が5日、予備選や党員集会が集中するヤマ場「スーパーチューズデー」を迎える中、米人気歌手のテイラー・スウィフトさんがインスタグラムで数百万人のファンに、「あなたたちを最も良く代表する人に投票するよう思い出してほしい」と呼びかけたが、特定の候補者に対する支持は表明しなかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプ崇拝者は何をするか分からないから 自分の命を守るためには賢明な選択だ
昨日は寒い一日だったので3月なのに「味噌鍋」にしました 材料は豚バラ肉、牛バラ肉、キャベツ、シメジ、ニラ、モヤシ、ニンジン、豆腐です。温まりました
昨日、東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート「第29回 名曲リサイタル・サロン ~ 田部京子」公演を聴きました プログラムは①吉松隆「プレイアデス舞曲集」より「前奏曲の映像」「線形のロマンス」「鳥のいる間奏曲」「真夜中のノエル」、②メンデルスゾーン「無言歌集」より「ないしょ話」「ベニスのゴンドラの歌 第2番」「紡ぎ歌」、③シューベルト「即興曲作品90-3」、④グリーグ「ペール・ギュント」第1組曲より「朝」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」、⑤グリンカ/バレキレフ「ひばり」、⑥ドビュッシー「月の光」、⑦シューマン/リスト「献呈」です
田部京子は17歳で日本音楽コンクール優勝。東京藝大に進学後、ベルリン芸術大学、同大学院を首席で卒業 エピナール国際ピアノコンクール優勝、シュナーベルピアノコンクール優勝、ミュンヘン国際音楽コンクール第3位など受賞多数 内外のオーケストラと公演を重ねる傍ら、桐朋学園大学院大学教授を務める
自席は1階M列13番、センターブロック左通路側です
1曲目は吉松隆「プレイアデス舞曲集」より「前奏曲の映像」「線形のロマンス」「鳥のいる間奏曲」「真夜中のノエル」です この曲集は吉松隆(1953~)が1986年から2001年までの間に第9巻まで作曲した作品集です 「プレイアデス」とは夜空に広がる おうし座 にある「プレアデス星団」にちなんでいます
銀色の 輝くエレガントなステージ衣装で登場した田部京子がピアノに向かい演奏に入ります 初めて聴く曲ですが、いずれの曲もメロディーが美しい作品で、調性を失った無調音楽に背を向けた吉松の反抗精神がよく表れています とくに「線形のロマンス」における繊細でリリカルな演奏が印象に残りました
次の曲はメンデルスゾーン「無言歌集」から「ないしょ話」「ベニスのゴンドラの歌 第2番」「紡ぎ歌」です 「無言歌」とは「歌詞のない歌」という意味で、フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)は全8巻6曲ずつ、計48曲の「無言歌」を作曲しました 3曲の中ではゆったりしたテンポで優雅に演奏された「ベニスのゴンドラの歌 第2番」が印象的で、次の速いテンポで演奏された「紡ぎ歌」との対比が鮮やかでした
次はシューベルト「即興曲作品90-3」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1827年に作曲した3曲の即興曲(作品90)の3番目の作品です シューベルトは31歳の若さで亡くなったのでその前年の”晩年”の作品です。天才は早死にします 田部は抒情豊かに音を紡いでいきました
次の曲はグリーグ「ペール・ギュント」第1組曲より「朝」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」です この曲はエドワルド・グリーグ(1843-1907)が1891年にイプセン作の同名戯曲のために書いた劇音楽を組曲として編んだものです 今回はピアノ編曲版により演奏されます 第1曲「朝」はオーケストラ版で馴染んだ耳には新鮮に響きました 感心したのは第3曲「山の魔王の宮殿にて」における田部の演奏です。高音から低音まで幅広いレンジで演奏されますが、どんなに強いタッチで演奏しても音が濁らずクリアなところが強く印象に残りました
次はグリンカ/バレキレフ「ひばり」です この曲はミハイル・グリンカ(1804-1857)が作曲した歌曲集「ペテルブルクへの別れ」の中の「ひばり」を、バラキレフ(1837-1910)が技巧的なスタイルに編曲した作品です
演奏を聴いている途中で、「ああ、この曲か」と思い出しました 田部の演奏はリリカルで、トリルがとても美しかったです
次の曲はドビュッシー「月の光」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)が1890年頃に作曲した「ベルガマスク組曲」の第3曲目に当たります この曲はロマンティックでもありリリカルでもあり、映画音楽などでよく使われています 浜松国際ピアノコンクールをモデルにした恩田陸原作による映画「蜜蜂と遠雷」でも使われていました
田部はゆったりとしたテンポにより抒情的に演奏、聴衆に深い感動を残しました
最後の曲はシューマン(リスト編曲)「献呈」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が妻クララのために書いた歌曲集「ミルテの花」第1曲だった作品をフランツ・リスト(1811-1886)が編曲を加え華麗に変身させた作品です 松田華音のコンサートでこの曲を聴いて以来、大好きになった作品です リストの編曲がなかったらオリジナルの良さが分からなかったかもしれません
田部はシューマンへの深い共感を背景に、リストによる華麗な編曲の魅力を前面に押し出して、ドラマティックな演奏を繰り広げました
田部は昨年、CDデビュー30周年を迎え、現在は演奏活動を続けながら、桐朋学園大学大学院で後進の指導にもあたっていますが、幕間のインタビューによると、田部が教えているのは主に富山にある同大学院(全寮制)とのことです さきの能登半島の地震では、幸い校舎への被害はなかったようです
この日の演奏を聴いて、田部はどちらかと言うとテンポの遅い作品をじっくりと聴かせるのが得意なのではないか、と思いました