9日(土)。昨日の朝、カーテンを開けて外を見ると津軽海峡でした あっ、冬景色でした 東京で3月に雪が降るのは珍しいです
ところで、昨日の朝日新聞朝刊の第1面の題字を見て「おやっ」と思いました 題字に黄色っぽい色が付いています なぜ?と思い すぐ下にある同じ色の囲み記事を見たら「Think Gender ジェンダーを考える きょう国際女性デー」とあり、「Think Genderの記事を特集します。題字にはこの日のシンボル、ミモザの花をあしらいました」と書かれていました 題字に色を付けるのは極めて珍しい 題字は新聞のアイコンのような特別な存在です よ~く考えよ~ ♫ 題字は大事だよ~ ♬
ということで、わが家に来てから今日で3342日目を迎え、国連人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは7日、2018~23年の北朝鮮の人権状況に関する報告書を公表し、国連の安保理事会の制裁や北朝鮮の新型コロナウイルス対策による国境封鎖で、北朝鮮市民の生活は極度に悪化し、監視強化による人権侵害も深刻になっていると指摘した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
金正恩は ミサイル開発のために国民の生活を犠牲にすることを 何とも思ってない
昨日、夕食に「回鍋肉(ホイコーロウ)」「生野菜とアボカドのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました キャベツを多めに使いましたが、野菜は不思議といくら食べても食べ過ぎません
一昨日の朝日夕刊「Entertainment」コーナーで2月22日に朝日新聞と朝日カルチャーセンターの共同企画により開かれた「マエストロと語ろう ~ 井上道義」の模様が、当日インタビューした吉田純子編集委員により紹介されていました 今年12月いっぱいで指揮者を引退する井上道義氏は、次のように語っています
「体力的にぎりぎり。10年前に咽頭がんをやった 昨年も腎臓がイカれ、3か月寝ていたせいで坐骨神経痛になった これじゃ指揮なんてやってられない (引退は)正しい選択だったと思っている」
今はすべての公演で、納得のできる演奏が続いていると語る 「僕自身」と言明するほど入れ込んでいるショスタコーヴィチについて熱く語った後で、次のように語ります
「権威のある指揮者だからこの演奏はいい、なんて思う必要はない 本当にいい演奏か? そう、自分のために疑ってほしい。そして最後に、これは好きだと思える演奏を自分で選んでください」
要は「先入観を排して、ゼロベースで考えて演奏を選びなさい」ということですね ますます井上道義のコンサートが貴重になってきました
昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第368回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112、②マーラー「交響曲第5番嬰ハ短調」です 指揮はシティ・フィル常任指揮者の高関健です
高関健のマーラーということでか、会場はほぼ満席です
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置を採ります コンマスは荒井英治です
1曲目はシベリウス:交響詩「タピオラ」作品112です この曲はジャン・シベリウス(1865-1957)が60歳を迎えた1925年に作曲、1926年12月26日にニューヨークで初演されました 本作は完成された生涯最後の作品に当たります 「タピオラ」とはフィンランドの国民的叙事詩「カレワラ」に出てくる「森の神タピオ」の「住むところ(国)」を意味しています
高関の指揮で演奏に入ります ゆったりしたテンポにより「森の主題」と呼ばれる基本動機が演奏され、それが繰り返される形で進みます フィンランドの深い森と神秘的な「森の神タピオ」が分厚い弦楽セクションと木管楽器により表現されます 全体的に重心の低い堂々たる演奏でした
プログラム後半はマーラー「「交響曲第5番嬰ハ短調」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1901年から翌02年にかけて作曲、1904年にケルンでマーラーの指揮により初演されました 第1楽章「葬送行進曲:悠然とした歩みで、厳格に、葬列のように」、第2楽章「嵐のように荒々しく、この上なく激しく」、第3楽章「スケルツォ:力強く、速すぎずに」、第4楽章「アダージェット:極めてゆっくりと」、第5楽章「ロンド・フィナーレ:アレグロ」の5楽章から成りますが、第1楽章と第2楽章が第1部、第3楽章が第2部、第4楽章と第5楽章が第3部となっています
ステージ下手にハープが2台スタンバイします 舞台上には収音マイクらしきものが7本林立しています
高関の指揮により第1楽章が松木亜希のトランペットのファンファーレで開始されます 音楽はレガートではなく1歩1歩踏みしめるように進みます 第2楽章は弦楽器も管楽器も打楽器もマーラーの指示通り「嵐のように荒々しく」演奏されますが、とくに弦楽器のうねりが凄い テンポを落とした後でチェロが抒情的な第2主題を奏でますが、この演奏がしみじみと良かった
この楽章の後に「長い休みを置くこと」というマーラーの指示があります この間、ステージ下手奥にスタンバイしていたホルンの谷あかねが前に出てきて、指揮台の下手に控えます この楽章はホルン・ソロがまるで「ホルン協奏曲」のように活躍するので、協奏曲のソリストに見立てて演奏するわけです このスタイルはこれまで2回ほど見たことがありますが、そのうちの1回は高関健指揮藝大フィルハーモニア管弦楽団による演奏だったと記憶しています
第3楽章が開始されますが、谷のホルンが大活躍します あるパッセージでは楽器を水平まで持ち上げて(ベルアップ)遠くまで音が飛ぶように演奏します 素晴らしい演奏でした 演奏後、自席に戻る谷に客席から拍手が送られたのは自然なことでした この人、もう首席にしても良いのではないかと思います
第4楽章のアダージェットはヴィスコンティ監督による1971年製作映画「ベニスに死す」で使われたことで人口に膾炙しました ハープと弦楽器だけによるロマンティシズムの極致を行く曲想ですが、高関は極度にロマンティックな演奏スタイルを採らず、どちらかと言うとあっさり目に仕上げることで、逆に深い感銘を与えました
間を置くことなく続けて演奏される第5楽章はホルンから入ります この楽章はフーガ風の音楽の演奏が素晴らしい 前へ前へという推進力を感じさせます そして、終盤には金管と木管が咆哮し、打楽器が炸裂し、弦楽器がアグレッシブな演奏を繰り広げ、華やかなフィナーレを築き上げました
満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返され、高関は最初にトランペットの松木を、次にホルンの谷を立たせました そして各セクションごとに立ち上がり、大きな拍手を浴びました 今月いっぱいで契約満了のため退団する長明康郎氏が高関氏と熱い握手を交わしました
久しぶりに満員の会場で、大好きなマーラーの熱い演奏が聴けて大満足ですが、演奏する側も渾身の演奏で納得のいく出来だったのではないか、と思います