25日(月)。昨日の朝日新聞朝刊によると、イタリアのピアニスト、マウリツィオ・ポリーニ氏が死去しました(去年82歳)。記事を超略すると次の通りです
「1960年にショパン国際ピアノ・コンクールで優勝し、審査委員長のルービンシュタインが『審査員の誰よりもうまい』と絶賛した逸話が残る たびたび来日し、2002年には東京都内で1か月間に9回の演奏会を行うプロジェクトを展開。レパートリーは古典から現代音楽まで幅広く、録音にも積極的に取り組んだ
」
ポリーニの演奏はLPでもCDでも何枚か持っていますが、代表的な演奏を数枚ご紹介します
ポリーニの録音の中でマイベストはモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番&第19番」(カール・ベーム指揮ウィーン・フィル)です これは23番の演奏でのマイベストでもあります
ポリーニはショパンも得意中の得意でした 下のCDは練習曲集です
ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」からの3楽章は、明晰な演奏として発売当時大きな話題を呼びました
ポリーニがショパン・コンクールで優勝した時のライブ録音です
心残りは彼の演奏を生で聴けなかったことです あらためて故人のご冥福をお祈りします
ということで、わが家に来てから今日で3359日目を迎え、22日夜にモスクワ郊外のコンサート会場で武装グループによる襲撃事件が発生し多くの死傷者が出た事件について、イスラム国(IS)が犯行声明を出したが、プーチン大統領はウクライナが関与していることを示唆した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
テロが起きるとウクライナのせいにして 徴兵強化するのは プーチンの常套手段だ
昨日、TOHOシネマズシャンテでジュスティーヌ・トリエ監督による2023年製作フランス映画「落下の解剖学」(152分)を観ました
人里離れた雪山の山荘で、視覚障害をもつ11歳の少年ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)が、血を流して倒れていた父親サミュエル(サミュエル・セイス)を発見し、悲鳴を聴いた母親サンドラ(サンドラ・ヒュラー)が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた 当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦喧嘩をしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく
弁護士にヴィンセント・レンツィ(スワン・アルロー)を立てて、必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲睦まじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦の間に隠された秘密や嘘が露わになっていく
【以下、ネタバレ注意】
裁判では、サンドラが「夫は薬を飲んで自殺未遂をしたことがある」と証言したのを息子のダニエルが法廷で聞いて、過去のある出来事を思い出して証言したことをきっかけに、サンドラは無罪になりますが、真相は必ずしも明らかではなく曖昧のままです
この映画の凄いところは、法廷闘争における検事と弁護士の激しいやり取りです 二人の攻防戦が凄まじく、どちらの言い分も説得力があり、息つく間もない緊張感を強いられます
とくに検事役のアントワーヌ・レナルツの迫真の演技には圧倒されます
こんな検事に追及されたら、つい「私がやりました
」と自白してしまうのではないかと思ってしまうほどです
この映画は2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞していますが、先がまったく読めないまま2時間半引っ張る脚本の素晴らしさと、主人公サンドラ役のサンドラ・ヒュラーの迫真の演技をみれば、当然の受賞だと思います