人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アンドレア・バッティストーニ ✕ 阪田知樹 ✕ 東京フィルでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」「ヴォカリーズ」、ラヴェル「道化師の朝の歌」「ボレロ」を聴く ~ 響きの森クラシック・シリーズ

2024年03月10日 00時01分02秒 | 日記

10日(日)。わが家に来てから今日で3343日目を迎え、バイデン米大統領が7日の一般教書演説の冒頭、ルーズベルト大統領(当時)が1941年に議会で行った演説に言及し、「米国は歴史上かつてない転換期に直面している」と述べたことに対し、ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長は「ルーズベルトはファシストと戦っていた。バイデンはファシストのために戦っている。彼は米国の恥だ」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     スターリンはファシストとして戦っていた  プーチンはネオナチとして戦っている

 

         

 

昨日、文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ第79回公演」を聴きました   プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30」、②ラヴェル「道化師の朝の歌」(管弦楽版)、③ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、④ラヴェル「ボレロ」です 演奏は①のピアノ独奏=阪田知樹、指揮=アンドレア・バッティストーニです

 

     

 

会場はいつも通り満席です 今回が今シーズン最終回なので自席の1階15列31番とも”今日でお別れ”です

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつも東京フィルの並び。コンマスは依田真宣です

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)がアメリカ演奏旅行中の1909年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」、第2楽章「間奏曲:アダージョ」、第3楽章「フィナーレ:アッラ・ブレーヴェ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の阪田知樹は東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト課程に在籍中です 2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位及び6つの特別賞を受賞 2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール第4位入賞 世界各地20か国以上で演奏を重ねています 昨年9月17日にはラフマニノフの全ピアノ協奏曲(第1~第4番と「パガニーニの主題による狂詩曲」)を1度の公演で弾き切り、大きな話題を呼びました もちろん私も聴きましたが、圧巻の演奏でした

バッティストーニの指揮で第1楽章に入ります 阪田の独奏ピアノが淡々と第1主題を奏でますが、この単純な曲想からすでに”阪田のラフマニノフ”の世界に引き込まれます この楽章に限らず、阪田の演奏は高音部はキラキラと輝き、低音部は深みを増して響きます そしてどんなに強く打鍵しても決して濁ることはありません 第2楽章ではオーボエの抒情的な演奏がソリストに華を添えました 第3楽章では、阪田はどんなに速いパッセージも超絶技巧で乗り切り、ゆったりしたパッセージでは旋律をじっくりと歌わせます そしてバッティストーニ ✕ 東京フィルによるアグレッシブなサポートのもと、圧巻のフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、阪田はリストの超絶技巧曲「ハンガリー狂詩曲 第11番 イ短調」を確かな技術の裏付けのもと 圧倒的な演奏を繰り広げ、会場割れんばかりの拍手とブラボーを浴びました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はラヴェル「道化師の朝の歌」(管弦楽版)です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1904年から05年にかけて作曲したピアノ曲集「鏡」(全5曲)の4曲目の作品で、1918年に管弦楽用に編曲されました

バッティストーニの指揮で弦の小気味のよいピッツィカートで開始され、カスタネットなどの打楽器によりスペイン情緒豊かな演奏が繰り広げられます 中間部でのファゴットのソロは哀愁漂う素晴らしい演奏でした 全体的に独特のリズムが心地よく感じられる爽快な演奏でした

次の曲はラフマニノフ「ヴォカリーズ」です この曲は1912年に作曲された「14の歌 作品34」の最終曲にあたります 「ヴォカリーズ」とは歌詞ではなく母音の「ア」だけで歌う歌唱法です

バッティストーニの指揮で演奏に入りますが、弦楽器のアンサンブルが美しく響き、オーボエの抒情的な演奏が冴えていました

最後の曲はラヴェル「ボレロ」です この曲はイダ・ルビンシテインが自ら踊るための曲としてラヴェルに作曲を依頼したもので、1928年に作曲、同年パリ・オペラ座で初演されました 曲は、2小節のリズム・パターンが169回反復される中、「スペイン=アラビア風」(ラヴェルの言葉)の2つの主題が交互に繰り返されるだけのシンプルな作りで、最初から最後まで小太鼓が同じリズムを刻み続けます

小太鼓奏者が指揮者の正面辺りの位置に配置され、バッティストーニの指揮で演奏に入ります 最初の主役はフルートですが、この段階では小太鼓の音はほとんど聴こえません チェロとヴィオラのピッツィカートがかすかに聴こえてくる程度です これが、主役がフルートからクラリネット ⇒ ファゴット ⇒ 小クラリネット ⇒ オーボエダモーレ ⇒ トランペット ⇒ テナーサックス・・・と変わっていくにしたがって、小太鼓をはじめ各楽器の音が大きくなっていきます 面白かったのはヴィオラセクションで、トップから後ろへ1プルトずつピッツィカートに加わっていったことです バッティストーニはかなり細かいようです そして最後にオケの総奏により音が頂点に達した直後、どんでん返しで一気に終結します

聴衆の熱気で会場の温度が上昇したように感じました   さすがにバッティストーニ ✕ 東京フィルは熱いです

やはり、日本一の楽団員数160人を誇る東京フィルは巧い奏者が揃っています ソロを務めた木管、金管をはじめ各楽器とも安定感抜群で、素晴らしい演奏を聴かせてくれました 特に印象に残ったのはファゴットとトロンボーンの女性奏者です 2人ともすごく巧かった 東京フィルに限らず、最近は女性奏者の活躍が目立ちますが、良いことだと思います

次シーズンのラインナップは下のチラシの通りですが、私はすでに先行販売で全4回セット券を取っています しかし、先行販売時点では座席指定が出来ないという大欠陥があるため、通路から一番奥に入った最悪の席になってしまいました 良心的な料金設定はありがたいのですが、主催者本意・聴衆無視の一方的な座席選定方式は絶対 止めてほしいと思います

 

     

 

     

コメント
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