人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マレク・ヤノフスキ ✕ スチュアート・スケルトン ✕ ビルギッテ・クリステンセン ✕ NHK交響楽団による「トリスタンとイゾルデ」を聴く ~ 東京春祭ワーグナー・シリーズVol.15

2024年03月28日 00時03分14秒 | 日記

28日(木)。東京都交響楽団の公式サイトによると、東京交響楽団のコンサートマスターを2013年4月から2023年3月まで務めた水谷晃氏が、4月1日に都響のコンサートマスターに就任します これにより、都響のコンマスは矢部達哉、山本友重との3人態勢となります 水谷氏には心機一転頑張ってほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3362日目を迎え、トランプ前米大統領が立ち上げた新興メディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは26日、特別買収目的会社との合併を通じて米ナスダック市場に株式を上場したが、初日終値から算出した時価総額は約80億ドル(約1.2兆円)となり、6割の株式を保有する前大統領の持ち分の資産価値は50億ドル規模になるとみられる  というニュースを見て感想を述べモコタロです

 

     

     新会社の資産は 提訴されてる4つの裁判で負けた際の 罰金に充てるつもりだろう

 

  昨日は午後3時からワーグナーの楽劇を5時間近く聴くため、娘の了解をとって夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨日、東京文化会館大ホールで東京春祭ワーグナー・シリーズVol.15「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式)を観ました 出演はトリスタン=スチュアート・スケルトン、イゾルデ=ビルギッテ・クリステンセン、マルケ王=フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ、クルヴェナール=マルクス・アイヒェ、メロート=甲斐栄次郎、ブランゲーネ=ルクサンドラ・ドノーセほか。管弦楽=NHK交響楽団、合唱=東京オペラシンガーズ、指揮=マレク・ヤノフスキ、音楽コーチ=トーマス・ラウスマンです

 

     

 

「トリスタンとイゾルデ」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が中世の悲恋物語トリスタン伝説に基づき、1857年から59年にかけて作曲した全3幕から成る楽劇です

コーンウォールのマルケ王の甥、騎士トリスタンは、アイルランドの王女イゾルデを王の妃として迎えに行く かつて愛し合ったことのある二人は毒薬で心中を図るが、侍女ブランゲーネの手により毒薬は愛の媚薬にすり替えられていた 二人の愛は燃え上がり逢瀬を重ねるが、密会の場面を王に見つかり、トリスタンは王の家臣メロートの剣により重傷を負う トリスタンは故郷の城でイゾルデを待ち、やっと到着した彼女の腕の中で息を引き取る イゾルデもまた彼を追い愛の死を迎える

 

     

 

自席は1階R5列2番、右サイド左から2つ目です 5列と言ってもすぐ前は通路で、見通しの良い席です。会場は5階席までかなり埋まっています

オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは外人の客演で、隣は郷古廉です

オケの後方に東京オペラシンガーズの男声コーラス40人がスタンバイします

演奏会形式なので特別な舞台づくりはありません 歌手陣は左右の舞台袖から中央に移動し譜面台の前で歌い、歌い終わると引き上げていきます

第1幕では下手でイゾルデ、上手でトリスタン、ブランゲーネが歌います

ヤノフスキの指揮で前奏曲が”トリスタン和音”で開始されます N響から出てくる音は重心の低いドイツ的などっしりした音です

トリスタン役のスチュアート・スケルトンはオーストラリア・シドニー生まれのヘルデンテノールです 米メトロポリタン歌劇場、ミラノ・スカラ座、バイエルン国立歌劇場など世界各国の歌劇場でワーグナー等を歌っています 外観は巨漢ですが、声量豊富で高音部が良く伸び、騎士トリスタンに相応しい堂々たる歌唱で聴衆を魅了しました

イゾルデ役のビルギッテ・クリステンセンはノルウェー生まれのソプラノです オスロの国立音楽アカデミーで学び、チューリヒ歌劇場、ベルリン国立歌劇場などでモーツアルト、ヴェルディなどを歌っています 美しくも強靭な歌唱で、どんなに強く歌っても決して絶叫調になりません 第1幕と第2幕はほとんど出ずっぱりでしたが、手元に水のボトルを用意することもなく、第3幕のラスト「愛の死」まで強く美しいイゾルデを歌い上げました

マルケ王役のフランツ=ヨゼフ・ゼーリヒドイツ生まれのバスです ケルン音楽舞踏大学で宗教音楽を学び、バイエルン国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場などでワーグナーを中心に歌っています 第2幕からの登場ですが、よく声の通る見事な艶のあるバスで、王としての存在感を示しました

クルヴェナール役のマルクス・アイヒェはドイツ生まれのバリトンです シュトゥットガルトやカールスルーエの音楽大学で学び、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場と専属契約を結び、ワーグナーなどを歌っています 春祭ワーグナーの常連ですが、迫力のある歌唱で説得力がありました

ブランゲーネ役のルクサンドラ・ドノーセはルーマニア生まれのメゾ・ソプラノです 特にモーツアルトとフランスのオペラに定評があり、近年はドイツ・オーストリア系のドラマティックな役柄にも取り組んでいます 声に力があり美しい歌唱で聴衆を魅了しました

第1幕で特筆すべきは東京オペラシンガーズの力強いコーラスです 会場割れんばかりの大迫力で迫ってきました

全体を通して素晴らしかったのはヤノフスキ指揮NHK交響楽団の渾身の演奏です 通常のオペラではオケがピットに入るため音が薄く籠りがちになりますが、演奏会形式のためオケがステージ上に乗っているため、音楽がストレートに押し寄せてきます 特に木管楽器群が素晴らしい演奏を展開しました。第3幕冒頭では池田昭子のイングリッシュホルンによる「嘆きの調べ」が、胸を締め付けるような悲しみに満ちた演奏で素晴らしかったです

 

     

 

満場の拍手とブラボーの嵐が吹き荒れました 世界レベルの素晴らしい演奏でした カーテンコール時の写メが許されているので、記念に撮影しました

 

     

 

イゾルデ役のビルギッテ・クリステンセンです

 

     

 

マルケ王役のヨゼフ・ゼーリヒです

 

     

 

ブランゲーネ役のルクサンドラ・ドノーセです

 

     

 

クルヴェナール役のマルクス・アイヒェです

 

     

 

なぜかトリスタン役のスチュアート・スケルトンの撮影時にシャッターが切れなかったので、手でハートマークを作っているお茶目なヤノフスキと一緒のシーン(右から2人目)です

 

     

 

イングリッシュホルンを吹いた池田昭子さんです 右の奏者が持っているのは第3幕で船の到着を告げる「ホルツトランペット」か

 

     

 

最後は1階席総立ちのスタンディング・オベーションです

 

     

コメント (2)
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