人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

三浦友理枝「CDデビュー10周年記念 ピアノリサイタル」を聴く~ヤマハホール

2016年02月22日 07時30分44秒 | 日記

22日(月)。わが家に来てから512日目を迎え、まるで月曜日の朝 会社のデスクに座ったサラリーマンのごとき表情のモコタロです

 

          

          あ~あ あっという間に また月曜日がきちゃったよ サラリーマンはつらいよ ってか

 

  閑話休題  

 

昨日、銀座のヤマハホールで三浦友理枝「CDデビュー10周年記念 ピアノリサイタル」を聴きました 三浦友理枝は1981年東京生まれ。3歳からヤマハ音楽教室に入会、1993年からヤマハマスタークラスに在籍。2005年英国王立音楽院大学課程を首席で卒業、07年同音楽院・修士課程を首席で修了。01年には第47回マリア・カナルス国際音楽コンクール”ピアノ部門”第1位ほか、内外のコンクールに入賞しています ヤマハ音楽教室出身者と言えばピアニストの上原彩子もそうですね

プログラムは①シマノフスキ「ロマンティックなワルツ」、②同「創作主題による変奏曲 変ロ長調」、③同「『仮面』より第1曲”シェヘラザード”」、④同「マズルカ作品50-1、50-6」、⑤同「ピアノ・ソナタ第3番」、⑥酒井健治「ピアノのための練習曲集」より「グルーヴ」、⑦リゲティ「ピアノのために練習曲集」より「開放弦」「金属」「魔法使いの弟子」、⑧プロコフィエフ「ピアノソナタ第6番イ長調”戦争ソナタ”」です

 

           

 

座席指定とばかり思っていたら チケットに「全席自由」とあり、あわててヤマハホールに行きました 「人気ピアニストの三浦友理枝で なぜ自由席なのか?」と疑問を感じつつ開場10分前の1時20分に着きましたが、エレベーター前には かなりの人が並んでいました

何とか1階L列5番の左ブロック通路側席を押さえ、プログラムと文庫本を席に置いてトイレに行きました 戻ってくると、その席に夫人用コートが置いてあり、私のプログラムも本もありません さてはL列の奧の席に入ろうとした人が椅子の座面に引っかかって下に落としたな、と思いました 椅子の下を調べると やはりそこに落ちていました。コートを置いたご婦人は下に落ちたプログラムと本に気づかず、通路側席が空いていたので これ幸いにコートを置いたのでしょう。500ページ以上もある重い本まで置いてせっかく早めに良い席を押さえたのに 何にもなりません 本人が席に戻った時に捕まえて理由を話して席を取り戻すこともできたでしょうが、周りの人に迷惑がかかるので、その後ろの左端M1番に座りました。こういう時には自分の心をコントロールしてクールダウンしないと コンサートを聴く気構えが出来ません これは自分に対する試練だ、と自分に思い込ませてジッと耐えることにしました

プログラムの前半は、今 彼女がライフワークとして取り組んでいるポーランドの作曲家カロル・シマノフスキの作品です。三浦友理枝がシルバーの輝くドレスで登場、1曲目の「ロマンティックなワルツ」の演奏に入ります この曲に限らず、この日演奏するシマノフスキの曲は初めて聴く曲です。何とか音を追っていくのが精一杯です 2曲目の「創作主題による変奏曲」が終わり、3曲目の「仮面~シェヘラザード」の演奏に入って 音が最高音に達したあたりで、すぐ後ろの列で、テクノポップス調のケータイ着信音が鳴りました 演奏がフォルテの時だったから目立たず良かったのですが、これがピアノの時だったら、当人はもう二度とヤマハホールには入れないでしょう、恥ずかしくて

三浦は次の「マズルカ」までは暗譜で演奏していましたが、「ピアノ・ソナタ第3番」では、さすがに複雑な曲なのでしょう、譜面を置いて演奏しました とは言うものの、かなり速いパッセージで超絶技巧を要する曲なので、譜面を見ながら演奏するヒマもない程です 完璧な演奏と言っておきましょう

 

           

 

プログラム後半の第1曲目は酒井健治の「ピアノのための練習曲集」から「グルーヴ」です 三浦友理枝が鮮やかなブルーの衣装に”お色直し”して登場します この曲も初めて聴く曲ですが、一種のミニマル・ミュージックのように思いました。相当速いパッセージで駆け抜けます 彼女は次のリゲティ「ピアノのための練習曲集」から「開放弦」「金属」「魔法使いの弟子」を続けて演奏しました

最後にプロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第6番イ長調”戦争ソナタ”」の演奏に入ります プロコフィエフの第6番から第8番までのピアノ・ソナタは第二次世界大戦中の1939年~40年に作曲されたことから「戦争ソナタ」と呼ばれています。とくに第1楽章と第4楽章はプロコフィエフ特有のリズムによって戦時下の不穏な空気を表しているかのようです 三浦のピアノは時にロマンティックに 時に鋭角的にプロコフィエフの音楽を表現していきます 第4楽章のフィナーレにおける畳みかけは見事でした

文字通り満席の会場から大きな拍手を受け、シマノフスキの「エチュード作品4」から「第3番」をアンコールに演奏しました そして、マイクを持って再登場し次のように挨拶しました

「今日はたくさんの方々にご来場いただきありがとうございました。今日のプログラムを見て『いったい何事が起ったのか?』と思われた方も多いと思いますので、少し説明させていただきます 2005年にエイベックス・クラシックスから初めてのCDを出してから今年度(2015~16)は10周年ということで、昨年はフィリアホールで『ラヴェル ピアノ作品全曲演奏会』を行ったりしてきましたが、今回は自分で弾きたい曲を選んでプログラムを組み、初めての『自主企画』の形でリサイタルを組むことにしました 自主企画なので、何から何まで自前でやらなければならないということで、こんなことにもお金がかかるのか、こんなに手間がかかるのか、と いろいろと勉強になりました  すべて自分で選んだ曲ですが、どれもが難しい曲で、この半年間は準備が大変でした。今になって『何でこんな大変な曲ばかり選んだんだろう?』と思い、半年前に戻って こんな選曲をした自分を殴りたい気分です

これを聞いて「なぜ全席自由なのか?」という理由がやっと分かりました。「自主企画」なので運営、経費の両面でいろいろと合理化しなければならなかったのでしょう

最後に2曲目のアンコールとしてプロコフィエフの「シンデレラ」からの6つの小品より「ワルツ」を演奏、大きな拍手を受けました

今度はショパンだけのリサイタルがあれば是非聴いてみたいと思いました

 

          

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