人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

佐藤俊介 ✕ 東京交響楽団でシュポア「ヴァイオリン協奏曲第8番」、ベートーヴェン「交響曲第1番」、メンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第8番」を聴く ~ 水谷コンマス、ラストステージ

2023年03月20日 02時35分00秒 | 日記

20日(月)。わが家に来てから今日で2988日目を迎え、トランプ米前大統領は18日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「ニューヨークのマンハッタン地区検察官に来週火曜日に逮捕される」と投稿し、支持者に対して抗議するよう呼び掛けたが、地区検察官は、トランプ氏が2016年の大統領選中に元ポルノ女優に「口止め料」を支払った問題をめぐって捜査を続けており、米メディアは「捜査が大詰めを迎えている」と報じている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     またしても支持者を扇動して 自分の立場を有利にしようとしている 懲りない男だ

 

         

 

18日(土)夜、サントリホールで東京交響楽団「第708回定期演奏会」を聴きました プログラムは①シュポア「ヴァイオリン協奏曲第8番 イ短調 作品47 ”劇唱の形式で” 」、②ベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調 作品21」、③メンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第8番 ニ長調」(管弦楽版)です 指揮&ヴァイオリン独奏は佐藤俊介です

佐藤俊介は2010年、第17回ヨハン・セバスティアン・バッハ国際コンクールで第2位および聴衆賞を受賞、2018年6月からオランダ・バッハ協会第6代音楽監督に就任しました(今年6月まで)

 

     

 

オケは10型ですが、変わった配置です 弦楽器は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれますが、ヴィオラも左右に分かれ、その後ろにチェロ(5)が横一列に配置され、コントラバスが左右に3人ずつ分かれてスタンバイします ”完全対抗配置”とでもいうようなスタイルです。コンマスはこの公演を最後に退団する水谷晃、その隣は”友情出演”のコンマス、グレブ・ニキティンです

1曲目はシュポア「ヴァイオリン協奏曲第8番 イ短調 作品47 ”劇唱の形式で” 」です この曲はドイツの作曲家ルイ・シュポア(1784-1859)が1816年に作曲、同年9月27日にミラノ・スカラ座でシュポアの独奏により初演されました 第1楽章「レチタティーヴォ:アレグロ・モルト」、第2楽章「アダージョ ~ レチタティーヴォ:アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・モデラート」の3楽章から成りますが、続けて演奏されます 奥田佳道氏のプログラムノートによると、シュポアは1820年頃に『あご当て』を考案したヴァイオリン近代奏法の始祖とのことです

佐藤俊介が登場し弾き振りで第1楽章の演奏に入ります サブタイトル”劇場の形式で”の通り、独奏ヴァイオリンがオケとの掛け合いによって、まるでオペラの登場人物が歌うレチタティーヴォ(叙唱)とアリアのように演奏します ソリストと弦楽奏者はノンビブラートのピリオド(古楽器)奏法で演奏するため、歯切れの良い透明感のある美しい音が印象に残ります メリハリの利いた心地よい演奏でした

2曲目はベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調 作品21」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1799年から1800年にかけて作曲、1800年4月2日にウィーンのブルク劇場で初演されました 第1楽章「アダージョ・モルト ~ アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アダージョ ~ アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

オケをよく見るとホルンとトランペットはバルブのない古楽器(ナチュラル)を使用しています

佐藤の弾き振りで第1楽章に入ります 佐藤のリードにより強いアクセントによるメリハリの利いた演奏が繰り広げられます 荒絵理子のオーボエ、相澤政宏のフルート、福士マリ子のファゴットが素晴らしい 本当は今月末で退団する荒木奏美のオーボエを聴きたかったのですが、仕方ありません 第3楽章のメヌエットはこれまで聴いたことのない高速演奏で度肝を抜かれました 躍動感あふれる素晴らしい演奏でした 第4楽章では、佐藤と水谷が向かい合って掛け合いをする姿が何とも楽しそうでした 全4楽章を聴き終わって、まるで生まれたばかりの曲の初演を聴いたような新鮮な驚きを感じました

 

     

 

プログラム後半はメンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第8番 ニ長調」(管弦楽版)です    この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が1821年から1823年にかけて作曲した「弦楽のための交響曲」全12作のうちの1曲で、1822年11月6日から27日にかけて作曲されました メンデルスゾーンはこの曲に自信を持ったようで、同年12月30日に管弦楽用に編曲、翌1823年4月26日に初演されました   第1楽章「アダージョ・エ・グラーヴェ・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト・トリオ:プレスト」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります ここで気が付くのは、各楽章の速度指定がベートーヴェン「交響曲第1番」とまったく同じだということです さらに、星野宏美氏のプログラムノートによれば、「弦楽オーケストラにフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット各2本、ティンパニという楽器構成はベートーヴェンの第1番と同じ」とのことです いかに若きメンデルスゾーンがベートーヴェンの最初の交響曲を意識していたかが分かります

佐藤は、この曲では指揮に専念します。第1楽章が重心の低い音楽で開始されますが、間もなく躍動感あふれるメロディーが取って代わります この落差が魅力です 第2楽章ではヴィオラの青木篤子、西村眞紀、武生直子の3人による演奏がとても印象的でした 第3楽章のメヌエットはベートーヴェンと同じように高速演奏による溌溂とした演奏が繰り広げられましたが、トリオの部分では木管楽器群の演奏が素晴らしかった 第4楽章は快速テンポにより愉悦感に満ちた音楽が展開、今月末で退団する大野雄太のナチュラルホルンの素晴らしい演奏もあり、爽快なフィナーレを飾りました

演奏を聴き終わって思うのは「この曲、本当に13歳の少年が作ったのか 」ということです 「モーツアルトの再来」と騒がれたのも無理はありません

満場の拍手のなか、カーテンコールが繰り返されましたが、弾き振りの佐藤俊介とともに、今月末で退団する水谷晃と大野雄太の両氏にも惜しみのない拍手が送られました

     


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