13日(土)。わが家に来てから今日で1200日目を迎え、野球で打者に投げずに、申告すれば敬遠(故意四球)できるルールが日本でも導入される というニュースを見て感想を述べるモコタロです
新庄剛志選手が阪神時代に 敬遠のボールを打ってヒットにしたことがあったな
昨日、夕食に「豚肉と大根の炒め煮」「生野菜とワカメのサラダ」「大根の葉のお浸し」「チンゲン菜とエノキダケのスープ(中華味)」を作りました 野菜が驚くほど高いので、大根の葉は捨てずに活かしました
2月度読響定期演奏会(16日)がN響Cプロ定期公演と重なっているので、読響の方を2月10日の土曜マチネに振り替えました。指揮者とソリストは変わらずテミルカーノフ+ルガンスキーですが、曲目がラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、レスピーギ「ローマの噴水」「ローマの松」他(16日)からチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、ラフマニノフ「交響曲第2番」(10日)へ変わります
1月9日が振り替え解禁日だったので当日 読響チケットセンターに電話してみたのですが、振替先希望日のS席に空きがないので10日から他日への振替希望が出るまで待って欲しいと言われていたのです さっそく16日のチケットを読響に送りました。現時点では10日の座席番号は分からないとのことですが、チケットを無駄にしないで済むので 良しとします
昨夕、NHKホールでN響第1876回定期演奏会(Cプロ)を聴きました この日のプログラムはバーンスタイン生誕100年を記念して組まれたもので、①バーンスタイン「スラヴァ!(政治的序曲)」、②同「セレナード」、③ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」です
②のヴァイオリン独奏は五嶋龍、指揮は広上淳一です
オケはいつものN響の並びで 左にヴァイオリンセクションを固め、右にチェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成をとります コンマスは伊藤亮太郎氏。ヴィオラを見ると、首席客員の川本嘉子さんがスタンバイしています。この人は存在感がありますね
1曲目のバーンスタイン(1918-1990)の「スラヴァ!(政治的序曲)」は 1977年10月、盟友ロストロポーヴィチのワシントン・ナショナル交響楽団音楽監督兼首席指揮者就任を祝うコンサートのために書き下ろされた作品です
小柄な広上淳一氏が指揮台に上がり、さっそく演奏に入りますがタクトを持ちません。5分足らずの小品にも関わらず 管弦楽炸裂のこの曲をひと言で言えば「ビッグバンド・ジャズ・ナンバー」です 曲の中盤で、テープ録音された政治集会のアジ演説が流れますが、プログラムノートによると、声の主はバーンスタインと脚本家アドルフ・グリーンら4人だそうです
そして、この曲の締めくくりは、楽員全員による「スラバ!」のかけ声で終わりますが、いかにもバーンスタインらしいな、と微笑んでしまいました
2曲目はバーンスタイン「セレナード(プラトンの『饗宴』による)」です 弦楽器と打楽器による楽曲のため、管楽器奏者は全員退場します。「セレナード」は 賢人たちが愛の諸相について対話するプラトンの『饗宴』を再読し、楽曲の着想を得たと言われる作品です
5楽章から成りますが、各楽章のタイトルには『饗宴』に登場する賢人たちの名が付けられています。第1楽章(パイドロス、パウサ二アス)「レント、アレグロ・マルカート」、第2楽章(アリストファネス)「アレグレット」、第3楽章(エリュクシマコス)「プレスト」、第4楽章(アガトン)「アダージョ」、第5楽章(ソクラテス、アルキビアデス)「モルト・テヌート、アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」です
ソリストの五嶋龍が登場しステージ中央でスタンバイします。ハーバート大学で物理学を学んだという異色の経歴の持ち主・五嶋龍を見るのは初めてですが、第一印象は「背が高くてスマート」です。指揮者の広上氏と比べると大人と子供です
さて、バーンスタインの「セレナード」で クラシック好きが思い出すのは、五嶋龍の姉・五嶋みどりの「タングルウッドの奇跡」です
「1987年=五嶋みどり14歳の時、米タングルウッド音楽祭でバーンスタイン指揮ボストン交響楽団のバックで「セレナード」の第5楽章を演奏中に ヴァイオリンのE線が2度も切れるというアクシデントに見舞われた 当時みどりは3/4サイズのヴァイオリンを使用していたが、このトラブルによりコンマスの4/4サイズのストラディヴァリウスに持ち替えて演奏を続行したものの、再びE線が切れてしまう
2度目はアシスタント・コンマスのガダニーニを借りて演奏を完遂した
指揮をとっていたバーンスタインは驚きの表情で彼女にかしずいた
翌日のニューヨーク・タイムス紙は『14歳の少女、タングルウッドをヴァイオリン3挺で征服』の見出しで1面トップを飾った
この時の様子は『タングルウッドの奇跡』としてアメリカの小学校の教科書にも掲載された」
というものです
さて、奇跡を起こした姉を持つ弟の演奏はどんなものか、否が応でも興味が湧きます
第1楽章はヴァイオリンの独奏によって愛の神への賛歌が奏でられますが、日本音楽財団から貸与されている1722年製ストラディヴァリウス「ジュピター」の美しい音色が会場に響き渡ります 私は彼の演奏スタイルに注目していましたが、五嶋龍は最初からリラックスして楽しんで演奏しているように見受けられました
時に聴衆の方を見ながら演奏し「どうです、いい曲でしょう
」と語りかけているように思いました
これは姉の五嶋みどりとは対極にある演奏スタイルです
五嶋みどりの演奏は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いたことがありますが、「寄らば斬るぞ
」といった近寄りがたい緊張感に満ち溢れていました。その点、五嶋龍の方は、曲の違いはあるにせよ、どちらかと言うとフレンドリーで、一緒に音楽を楽しもうよ、という姿勢が垣間見られました
聴く人によっては緊迫感に欠ける演奏と思われるかもしれませんが、あれが彼の演奏スタイルなのかも知れません。なお、アンコールは演奏しませんでした。見識です
プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」です ショスタコーヴィチ(1906-1975)がこの曲を作曲したのは1937年、作曲者31歳の時でした
一昔前までは「革命」というニックネームで呼ばれていましたが、ロシアでの革命とは何の関係もないことを再認識したからか、最近はまったく見聞しません
私が一番最初にこの曲を聴いたのはバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルによるLPレコードでした
レコード・ジャケットの解説に、ショスタコーヴィチがバーンスタイン指揮による演奏を聴いて感激した、と書かれていたことを思い出します
この曲は、第1楽章「モデラート」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります
オケが拡大し、フルオーケストラ態勢をとります。この曲でも 広上氏はタクトを使用せず両手で指揮をとります 全体的に、広上氏はテンポをかなり変えてダイナムズムを生み出します
特に第1楽章の中盤における急激なテンポアップが顕著でした
管楽器では第2楽章におけるフルートの演奏が印象的でした
また、第3楽章の冒頭は 第2ヴァイオリンとヴィオラによる演奏ですが、第2ヴァイオリンは後方の演奏者だけ、ヴィオラは1列だけ演奏させていたのが印象に残りました。何らかの意図があるのでしょう
フィナーレはオーケストラ総動員による熱演で、小柄な広上淳一氏が大きく見えました
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