レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

Ferming - フェルミング

2013-03-13 05:00:00 | 日記
これまでも何回か書きましたが、キリスト教文化圏ではクリスマスと並んで復活祭(イースター)という大きな祭日があります。アイスランド語では「パウスカー」と言います。

パウスカーはクリスマスのように日が決まっておらず、陰暦(月の動き)に拠るため毎年一定期間内で日が動きます。今年のパウスカーは三月の三十一日になります。

そのパウスカーに相前後して行われるもうひとつの教会関連の行事があります。それは堅信礼と呼ばれ、英語ではコンファメイション、アイスランド語ではフェルミングと言います。

日本の皆さんの多くはキリスト教的な行事には馴染みが薄いかと思いますが、日本で教会に通っていらっしゃる方にとっても、このアイスランド(または多くのヨーロッパ諸国)のフェルミングは不可思議?なものに思えるのではないかと考えます。というのは、これが何十人という単位の集団で執り行われるからです。

堅信礼とは何か?ということを非常に簡単に説明します。ヨーロッパはキリスト教文化圏ですので、多くの人が赤ちゃんの時にキリスト教徒になる「洗礼式」というものを授かります。

ところがこれは赤ちゃんの時に親の意向でなされるものですから、個人の自発的決心というものではない。そこで物心ついて、自分で決心ができるようになってから「私はキリスト教徒です」と確認するために儀式が堅信礼なのです。

で、伝統的にここアイスランドではその分別がつく年頃が14歳とされ、毎年その年に14歳となる子供たちがこの儀式に参加するようになったのです。アイスランドはこの堅信礼(フェルミング)の参加率がいまだに高く、七割以上の14歳の子供たちがこの儀式に参加します。

ということで、この時期は街なかもフェルミング・ムードになります。パウスカーの前週あたりからフェルミングが始まります。人口の多いレイキャビクの教会では一回では終了できす、パウスカーを挟んで何週かに分けて行います。

このフェルミングは多少「元服式」的な意味合いも持っていて、「人生の大事な決断を下せる年齢になった」ということを承認する意味も含まれています。そのため、フェルミングはかなり厳粛な儀式であって真面目に受け取られます。フェルミングを受ける時には親戚縁者がこぞって参集し、式後にはパーティーが催され、沢山のプレゼントが山積みになります。(そっちの方が信仰心より問題だ、という諸君もいますよ、もちろん)



私のいるネス教会でのフェルミングより

アイスランドでは、このフェルミングに与るためには復活祭に先立つこと約七ヶ月前の前年の晩夏から始まる「堅信プログラム」に参加し、授業を受けたり、グループワークに参加したり、定期的に教会の礼拝に参加する必要があります。

私が現在イソウロウしている教会では、八月中旬にフェルミングのための一週間集中コースからこのプログラムが始まり、私も講師として参加します。

面白い、というか毎年まざまざと見せつけられる現実は、14歳という年齢の時点でどれだけ男の子と女の子に成長の違いがあるかということです。女子陣の中にはメイクをし(こちらでは禁止事項ではありません)アクセサリーをぶらさげてグラビアアイドル然としている子さえ多いです。

それに対して、男の子たちは「キミ、小学校何年?」と訊きたくなるようなのがほとんどです。平均体格は女子がはるかに勝ります。精神年齢も?劣る男の子たちはそれでも虚勢を張ってえらぶるのですが、やればやるほど「おこちゃまぶり」を振り撒いているようで。これは個人の責任ではなく、生理学上の法則なのでしょう。

それに関連して思い当たったのですが、熟女「マチュアな女性」とは魅力的な雰囲気ですが(ワタシ的には)、「成熟した男性」というのは自己矛盾的な言葉というか、「そんなのいるか~?」という気がしてしまうのですが、どんなもんでしょうね?

オトコってどこか成長しきれないでしょ?自分を基準にして周りを測っては傲慢かもしれませんが、ワタシなんざ大学生の頃以来一歩も進歩も成長もしていない気がしますよ。歳のわりに「若い」のではなくて、「未成長」なんです...


コメント
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