アイスランド大学の日本語学科の若者たちに「どうして日本語を学ぼうと思ったのか?」と訊くと、平均的な答えというものは「アニメやマンガを日本語で楽しめるようになりたい」「日本映画は素晴らしさを味わうため」「PCゲームで少し知って興味が出た」「嵐」というようなところです。趣味が先行している?
多少年配の方々になりますと、日本語を勉強するところまではいかなくとも、日本に関心がある理由については「お茶は素晴らしい体験だった」「着物が美しいから」「日本人の立ち振る舞いがとても私たちとは異なっていて新鮮」というようなことがよく聞かれます。まあ、納得できそうです。
このようなメインストリームの陰に隠れてはしまうのですが「俳句」「短歌」をたしなむアイスランド人もいらっしゃいます。Haeka, Tankaといいます。
アイスランド語でどうやって?と思われる方がほとんどでしょう。私も始めはそう思いました。どういう仕組みか、簡単に説明しましょう。
俳句はご承知のように日本語の17音で成り立ちます。アイスランド語での場合はこの「音」を「シラブル(音節)」で置き換えます。1シラブルというのはおおまかにいえばひとつの母音を含みますが、母音が連続する場合は1シラブルに複数の母音が存在することもあります。
アイスランド語には Æ(英語表記AE アイ)、Á(英語表記A アウ)、Ó(英語表記O オウ)などのように一文字で二重母音になっているものもあります。これもシラブル的にはひとつの中に勘定します。
おそらく文字化けしてしまうので例をお見せすることができないのですが、完成品はそれなりにまとまってなんとなく俳句っぽく聞こえるから不思議です。
ただしこの仕方ですと語数そのものは日本の俳句よりは多少多くなる気がします。
古池や蛙とびこむ水の音(助詞を含めずに5語)
山路来てなにやらゆかしすみれ草(同5語)
手元にあるアイスランド語で創られた俳句を見てみますと、9語、7語、8語など語数は多少多くなっているのが確認できます。
また短歌ですが手元にある啄木の歌集を見てみますと、だいたい一首に使われている言葉は(助詞を含まず)10語程度です。
アイスランド語で詠まれた歌はだいたい16から17語が使われています。やはり「音」に替えて「シラブル」を取ると語数にゆとりができるということでしょうか?
もちろん「だからこうだ」というような結論に飛びつけるものではありません。「一語」の持つ役割とかそれが意味できる可能性などが日本語とアイスランド語では違うでしょうから、何か結論的なことをいうにはもっと広範で深い洞察が必要になることでしょう。ということは、ワタシには無理ということです。
とにかくアイスランドで俳句や短歌を、自分たちでアクセス可能な詩歌に転換してたしなんでいる人たちがいるのは嬉しいことだと思います。
そういえばこちらでは過去数年寿司ブームが続いているのですが、アイスランドオリジナルみたいなものは地元名産の鮭や鯨にぎりくらいのものでした。それが最近はカレイ、馬肉、牛肉、スパイシーチキンなどで「アイスランド寿司を創るんだ」というような攻め?の意欲が出て来ているような気がします。
日本の文化がアイスランドで進化?しているのは個人的には歓迎したいです。
ただこっちの人、すぐに舞い上がるからそれがちょっとシンパイ。
応援します、若い力。Meet Iceland
多少年配の方々になりますと、日本語を勉強するところまではいかなくとも、日本に関心がある理由については「お茶は素晴らしい体験だった」「着物が美しいから」「日本人の立ち振る舞いがとても私たちとは異なっていて新鮮」というようなことがよく聞かれます。まあ、納得できそうです。
このようなメインストリームの陰に隠れてはしまうのですが「俳句」「短歌」をたしなむアイスランド人もいらっしゃいます。Haeka, Tankaといいます。
アイスランド語でどうやって?と思われる方がほとんどでしょう。私も始めはそう思いました。どういう仕組みか、簡単に説明しましょう。
俳句はご承知のように日本語の17音で成り立ちます。アイスランド語での場合はこの「音」を「シラブル(音節)」で置き換えます。1シラブルというのはおおまかにいえばひとつの母音を含みますが、母音が連続する場合は1シラブルに複数の母音が存在することもあります。
アイスランド語には Æ(英語表記AE アイ)、Á(英語表記A アウ)、Ó(英語表記O オウ)などのように一文字で二重母音になっているものもあります。これもシラブル的にはひとつの中に勘定します。
おそらく文字化けしてしまうので例をお見せすることができないのですが、完成品はそれなりにまとまってなんとなく俳句っぽく聞こえるから不思議です。
ただしこの仕方ですと語数そのものは日本の俳句よりは多少多くなる気がします。
古池や蛙とびこむ水の音(助詞を含めずに5語)
山路来てなにやらゆかしすみれ草(同5語)
手元にあるアイスランド語で創られた俳句を見てみますと、9語、7語、8語など語数は多少多くなっているのが確認できます。
また短歌ですが手元にある啄木の歌集を見てみますと、だいたい一首に使われている言葉は(助詞を含まず)10語程度です。
アイスランド語で詠まれた歌はだいたい16から17語が使われています。やはり「音」に替えて「シラブル」を取ると語数にゆとりができるということでしょうか?
もちろん「だからこうだ」というような結論に飛びつけるものではありません。「一語」の持つ役割とかそれが意味できる可能性などが日本語とアイスランド語では違うでしょうから、何か結論的なことをいうにはもっと広範で深い洞察が必要になることでしょう。ということは、ワタシには無理ということです。
とにかくアイスランドで俳句や短歌を、自分たちでアクセス可能な詩歌に転換してたしなんでいる人たちがいるのは嬉しいことだと思います。
そういえばこちらでは過去数年寿司ブームが続いているのですが、アイスランドオリジナルみたいなものは地元名産の鮭や鯨にぎりくらいのものでした。それが最近はカレイ、馬肉、牛肉、スパイシーチキンなどで「アイスランド寿司を創るんだ」というような攻め?の意欲が出て来ているような気がします。
日本の文化がアイスランドで進化?しているのは個人的には歓迎したいです。
ただこっちの人、すぐに舞い上がるからそれがちょっとシンパイ。
応援します、若い力。Meet Iceland