今月の24日に新たに一万クローナ紙幣が発行されることになり、先日中央銀行がその一万クローナ紙幣をメデイアにお披露目しました。現在流通している紙幣は500、1000、2000、5000クローナなのですが、紙幣を実際に使う感覚はほとんど日本でお金を使う感覚と同じです。
つまりアイスランドでの1000クローナの使いでは、日本での1000円の使いでとほぼ同じです。(ちなみにここのところはアベノミックスのおかげで、1000円は約1200クローナと1:1に近づいてきました)
それで考えていただければ分かると思うのですが、一万クローナ紙幣がないのは相当不便なことだと私自身感じていました。ですから今回の報には「ようやく来るか」という歓迎の気持ちを持っています。
「お札の顔は誰なの?」というのは日本もアイスランドも共通の関心事のような気がしますが、一万クローナ札に登場するのはヨナス・ハットルグリムスソンという人で、十八世紀の自然学者にして詩人だった人です。
フリェッタブラーズ紙の新札紹介記事
特に彼の詩はデンマーク属領時代にあって、アイスランド語を維持し誇りを持つことを強くアイスランド人に鼓舞したものと受け取られており、ある意味での英雄です。彼の誕生日11月9日は「アイスランド言語の日」と定められています。祝日ではありませんが。
余談ですがこのヨナスさん、ものすごくお酒が好きだったようで、それがもとで身体をこわし37歳という若さで亡くなってしまったそうです。
新札の発行は18年ぶりのことで1995年の二千クローナ札以来のことです。私が移ってきた1992年くらいにはまだ百クローナ紙幣もたまに見かけることがあったのですが、今はコレクターの収集品になっています。
ついでですので現役の紙幣のことについてもご紹介しておきます。
まずは五百クローナ札ですが、これは現役最古参で1981年に発行されました。
お札の顔は十九世紀の独立運動の父であったヨウン・シグルズスソン。
次に出てきたのは千クローナ札で、これは1984年のことでした。お札の顔はブリンヨウルブル・スベインスソンという人で、十七世紀にスカウルホルト教会でビショップであった人です。
その二年後の1986年に五千クローナ札が登場しました。お札の顔は女性で十七世紀から十八世紀にかけて生きた人なのですが、この人は北のホーラル教会のビショップの夫人でした。(アイスランドには北と南にひとりずつビショップがいました) 名前はラグンへイズル・ヨウンストホティル。
そして二千クローナ札が1995年に発行され、今のところまだこれが最も最近発行された紙幣です。お札の顔はヨハネス・キャルバルで十九世紀末から二十世紀前半に存命した著名な画家です。レイキャビクには彼の名を被せた美術館があります。
モルグンブラーズ紙の現行及び新札紹介記事
さてこの二千クローナ札で面白いことがあります。ほとんど見かけることがありません。そしてたまに手元に回ってくると「珍しい」ということでお蔵入りになってしまうか、いの一番に使われてしまいます。そうです。日本の二千円札とまったく同じ運命なのです。私自身、最後に二千クローナ札を見たのはいつだろうか?思い出せません。
日本の場合は多くの自販機で使えないとか(今はどうなんだろうか?)実際的な理由があったのでしょうが、アイスランドではどのみち紙幣を使う自販機はありません。どういう理由かは分かりませんが「使いにくい」というイメージを持たれているのでしょうか?
それにしてもここはカード社会で、現金そのものが使われる率は日本に比べると画然に低いので、そもそも「使いにくい」ということはないはずなのですが...
唯一思い当たる実際的な理由は -個人的な見解です- 千クローナ札と見分けがつきにくく、時々間違えてしまうことです。流通量は圧倒的に千クローナ札が多いので、千クローナ札を二千クローナ札と間違えることはないです。二千を千と間違えるだけ。
そもそも「二千」という単位の紙幣が本当に必要なのだろうか?
この存在の意義を問われるような二千クローナ札が十八年前にも出てきていて、待ちこがれられていた(少なくともワタシに)一万クローナ札がようやく出てくるとは、紙幣の世界も不条理ですねえ。
一万クローナ札。楽しみです。いっぱい手元に流れてきてくれれば嬉しいのですが...それはないか?
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
つまりアイスランドでの1000クローナの使いでは、日本での1000円の使いでとほぼ同じです。(ちなみにここのところはアベノミックスのおかげで、1000円は約1200クローナと1:1に近づいてきました)
それで考えていただければ分かると思うのですが、一万クローナ紙幣がないのは相当不便なことだと私自身感じていました。ですから今回の報には「ようやく来るか」という歓迎の気持ちを持っています。
「お札の顔は誰なの?」というのは日本もアイスランドも共通の関心事のような気がしますが、一万クローナ札に登場するのはヨナス・ハットルグリムスソンという人で、十八世紀の自然学者にして詩人だった人です。
フリェッタブラーズ紙の新札紹介記事
特に彼の詩はデンマーク属領時代にあって、アイスランド語を維持し誇りを持つことを強くアイスランド人に鼓舞したものと受け取られており、ある意味での英雄です。彼の誕生日11月9日は「アイスランド言語の日」と定められています。祝日ではありませんが。
余談ですがこのヨナスさん、ものすごくお酒が好きだったようで、それがもとで身体をこわし37歳という若さで亡くなってしまったそうです。
新札の発行は18年ぶりのことで1995年の二千クローナ札以来のことです。私が移ってきた1992年くらいにはまだ百クローナ紙幣もたまに見かけることがあったのですが、今はコレクターの収集品になっています。
ついでですので現役の紙幣のことについてもご紹介しておきます。
まずは五百クローナ札ですが、これは現役最古参で1981年に発行されました。
お札の顔は十九世紀の独立運動の父であったヨウン・シグルズスソン。
次に出てきたのは千クローナ札で、これは1984年のことでした。お札の顔はブリンヨウルブル・スベインスソンという人で、十七世紀にスカウルホルト教会でビショップであった人です。
その二年後の1986年に五千クローナ札が登場しました。お札の顔は女性で十七世紀から十八世紀にかけて生きた人なのですが、この人は北のホーラル教会のビショップの夫人でした。(アイスランドには北と南にひとりずつビショップがいました) 名前はラグンへイズル・ヨウンストホティル。
そして二千クローナ札が1995年に発行され、今のところまだこれが最も最近発行された紙幣です。お札の顔はヨハネス・キャルバルで十九世紀末から二十世紀前半に存命した著名な画家です。レイキャビクには彼の名を被せた美術館があります。
モルグンブラーズ紙の現行及び新札紹介記事
さてこの二千クローナ札で面白いことがあります。ほとんど見かけることがありません。そしてたまに手元に回ってくると「珍しい」ということでお蔵入りになってしまうか、いの一番に使われてしまいます。そうです。日本の二千円札とまったく同じ運命なのです。私自身、最後に二千クローナ札を見たのはいつだろうか?思い出せません。
日本の場合は多くの自販機で使えないとか(今はどうなんだろうか?)実際的な理由があったのでしょうが、アイスランドではどのみち紙幣を使う自販機はありません。どういう理由かは分かりませんが「使いにくい」というイメージを持たれているのでしょうか?
それにしてもここはカード社会で、現金そのものが使われる率は日本に比べると画然に低いので、そもそも「使いにくい」ということはないはずなのですが...
唯一思い当たる実際的な理由は -個人的な見解です- 千クローナ札と見分けがつきにくく、時々間違えてしまうことです。流通量は圧倒的に千クローナ札が多いので、千クローナ札を二千クローナ札と間違えることはないです。二千を千と間違えるだけ。
そもそも「二千」という単位の紙幣が本当に必要なのだろうか?
この存在の意義を問われるような二千クローナ札が十八年前にも出てきていて、待ちこがれられていた(少なくともワタシに)一万クローナ札がようやく出てくるとは、紙幣の世界も不条理ですねえ。
一万クローナ札。楽しみです。いっぱい手元に流れてきてくれれば嬉しいのですが...それはないか?
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com