今回からしばらく「サッポロ北街ひとり日誌」です。毎年やっているので(14-1)というように2014年の14を加えました。
凡庸人間のワタシは、今回も例年のごとくコペンハーゲン経由のSAS便で成田まで行き、そこから再生JALで札幌まで飛ぶ、というパターンでした。今回の出発はイースター前の金曜日、Good Fridayまたはアイスランド語ではFostudagurinn lengi(長い金曜日)と呼ばれている日でした。
この日はアイスランドでは祭日(おめでたい日ではなく、キリストの十字架を偲ぶための日)であり教会人としては大切な日なのですが、私の里帰りにも理由があるのでご容赦。
さて同じキリスト教文化圏のデンマークでもイースター前の休暇時期という条件は同じだったからでしょう、今回のコペンハーゲンからのフライトは満員でした。私が経験した範囲では、ここ数年では珍しいことです。
ワタシの定席はエコノミーの32Gで、これは機体中央部のトイレに近いエリアの通路側席です。その通路を挟んだ左側にはスペイン語を話す若い夫婦と二歳くらいの男の子が座っていました。
ところがこの男の子、離陸スタンバイになった頃から泣き始めました。離陸が怖かったのかもしれません。かなり激しく泣き出した男の子をお父さん、お母さんがしきりになだめようとします。
うるさかったのですが、こういう時に見たりしてはいけません。パパ、ママには余計なプレッシャーになってしまいます。子育て経験者なら誰でもこういう経験はあるでしょう。私も長男が一歳未満だった時、ひっそりとした長距離バスの中で泣き止んでくれずしんどい思いをしたことがあります。
男の子はロドリゲス君という名前であることがいきさつの中で分かりました。ロドリゲス君は泣き止むどころかますます喚き度がアップしていきます。時間を測ったわけではないのですが、かれこれ十五分は続いています。相当なうるささで、もし私が仏様のような澄んだ心を持っていなかったら「いい加減にしろ、ガキ!」と切れていたかもしれません。
私は切れませんでしたが、ロドリゲス君のパパママは切れ始めてしまいました。まずなだめすかしが全く通じないママがついにロドリゲス君のお尻をピシャッ! そりゃあ、ダメだよ、逆効果でしょー。
パパがリリーフに入りましたが、これも効き目無し。涙と汗で顔が真っ赤に湯であがったロドリゲス君は、身体中で抵抗しています(何が嫌なのか、一番根本的な点が不明でしたが)。するとパパも切れ始めお尻にピシャを三連発。
するとママの時は介入を押さえていたデンマーク人フライトアテンダンスのおばさん、たまらず「エクスキューズ・ミー」と仲裁に。「もし男の子が泣き止まないならそれはそれでオーケーです。でもデンマークの法律では子供にピシャをすることは禁じられています。それは止めてください」
そうなんですよねー。北欧共通の文化として、子供への体罰はしつけとしては全く認められず家庭内暴力として扱われてしまいます。アイスランドも同様。スウェーデンでは子供が一時間泣き続けると警察が来る、と言われていました。ホントかな?
一度スウェーデンのウプサラの友人一家宅に泊まらせてもらったことがあります。友人夫妻が友達の送別会に出かけてしまった時に、まだ二歳くらいだった下のお嬢さんが泣き始めてしまい往生したことがあります。子供の泣き声よりポリスがチラチラ目に浮かびました...
飛行機の中に戻ります。スペイン語を話す若夫婦はどこの国の人かは分かりませんでしたが、おそらくは多少の体罰をしつけとして容認する文化を持っているのかもしれません。興味があって見ていたのですが、素直にデンマークのおばちゃんフライトアテンダンスの要請を受け入れて、それ以降はピシャはなくなりました。
ロドリゲス君もしばらくすると体力を使い果たしておとなしくなりました。ピース、ピース。よかった。
最近は日本でも体罰は否定的な目で見られていると聞いていますが、それでも中高学年では体罰関連ニュースが絶えないのは、それを「しつけ」の関連で肯定する向きも根強くあるからでしょう。
私自身は、そうですねえ、体罰全面否定派ではありませんが、それはある程度年齢がいってきてからのことだとは思います。さらに言うと体罰が肯定的になり得るのは、暴力が人間関係を支配する根本になりえると考えているのを矯正する場合だけではないかとも考えています。まあそれも「やっぱり力の強い者が支配するってわけだ」などと開き直られては逆効果ですね。そうすると体罰効果は本当に例外的な状況に限られるでしょうか?
とにかくロドリゲス君のような幼児期にあっては、しつけの体罰も百害あって一利もないものでしょう。
中心点がはっきりしないエピソードで、札幌にも行き着きませんでしたので最期にまとめの努力です。北欧では子供への体罰はありません。あるのは子供へのアビューズです。議論の余地はあるかもしれませんが、今ある規則はそれとしてご承知置き下さいませ。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
凡庸人間のワタシは、今回も例年のごとくコペンハーゲン経由のSAS便で成田まで行き、そこから再生JALで札幌まで飛ぶ、というパターンでした。今回の出発はイースター前の金曜日、Good Fridayまたはアイスランド語ではFostudagurinn lengi(長い金曜日)と呼ばれている日でした。
この日はアイスランドでは祭日(おめでたい日ではなく、キリストの十字架を偲ぶための日)であり教会人としては大切な日なのですが、私の里帰りにも理由があるのでご容赦。
さて同じキリスト教文化圏のデンマークでもイースター前の休暇時期という条件は同じだったからでしょう、今回のコペンハーゲンからのフライトは満員でした。私が経験した範囲では、ここ数年では珍しいことです。
ワタシの定席はエコノミーの32Gで、これは機体中央部のトイレに近いエリアの通路側席です。その通路を挟んだ左側にはスペイン語を話す若い夫婦と二歳くらいの男の子が座っていました。
ところがこの男の子、離陸スタンバイになった頃から泣き始めました。離陸が怖かったのかもしれません。かなり激しく泣き出した男の子をお父さん、お母さんがしきりになだめようとします。
うるさかったのですが、こういう時に見たりしてはいけません。パパ、ママには余計なプレッシャーになってしまいます。子育て経験者なら誰でもこういう経験はあるでしょう。私も長男が一歳未満だった時、ひっそりとした長距離バスの中で泣き止んでくれずしんどい思いをしたことがあります。
男の子はロドリゲス君という名前であることがいきさつの中で分かりました。ロドリゲス君は泣き止むどころかますます喚き度がアップしていきます。時間を測ったわけではないのですが、かれこれ十五分は続いています。相当なうるささで、もし私が仏様のような澄んだ心を持っていなかったら「いい加減にしろ、ガキ!」と切れていたかもしれません。
私は切れませんでしたが、ロドリゲス君のパパママは切れ始めてしまいました。まずなだめすかしが全く通じないママがついにロドリゲス君のお尻をピシャッ! そりゃあ、ダメだよ、逆効果でしょー。
パパがリリーフに入りましたが、これも効き目無し。涙と汗で顔が真っ赤に湯であがったロドリゲス君は、身体中で抵抗しています(何が嫌なのか、一番根本的な点が不明でしたが)。するとパパも切れ始めお尻にピシャを三連発。
するとママの時は介入を押さえていたデンマーク人フライトアテンダンスのおばさん、たまらず「エクスキューズ・ミー」と仲裁に。「もし男の子が泣き止まないならそれはそれでオーケーです。でもデンマークの法律では子供にピシャをすることは禁じられています。それは止めてください」
そうなんですよねー。北欧共通の文化として、子供への体罰はしつけとしては全く認められず家庭内暴力として扱われてしまいます。アイスランドも同様。スウェーデンでは子供が一時間泣き続けると警察が来る、と言われていました。ホントかな?
一度スウェーデンのウプサラの友人一家宅に泊まらせてもらったことがあります。友人夫妻が友達の送別会に出かけてしまった時に、まだ二歳くらいだった下のお嬢さんが泣き始めてしまい往生したことがあります。子供の泣き声よりポリスがチラチラ目に浮かびました...
飛行機の中に戻ります。スペイン語を話す若夫婦はどこの国の人かは分かりませんでしたが、おそらくは多少の体罰をしつけとして容認する文化を持っているのかもしれません。興味があって見ていたのですが、素直にデンマークのおばちゃんフライトアテンダンスの要請を受け入れて、それ以降はピシャはなくなりました。
ロドリゲス君もしばらくすると体力を使い果たしておとなしくなりました。ピース、ピース。よかった。
最近は日本でも体罰は否定的な目で見られていると聞いていますが、それでも中高学年では体罰関連ニュースが絶えないのは、それを「しつけ」の関連で肯定する向きも根強くあるからでしょう。
私自身は、そうですねえ、体罰全面否定派ではありませんが、それはある程度年齢がいってきてからのことだとは思います。さらに言うと体罰が肯定的になり得るのは、暴力が人間関係を支配する根本になりえると考えているのを矯正する場合だけではないかとも考えています。まあそれも「やっぱり力の強い者が支配するってわけだ」などと開き直られては逆効果ですね。そうすると体罰効果は本当に例外的な状況に限られるでしょうか?
とにかくロドリゲス君のような幼児期にあっては、しつけの体罰も百害あって一利もないものでしょう。
中心点がはっきりしないエピソードで、札幌にも行き着きませんでしたので最期にまとめの努力です。北欧では子供への体罰はありません。あるのは子供へのアビューズです。議論の余地はあるかもしれませんが、今ある規則はそれとしてご承知置き下さいませ。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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