前回は三回目のホエールウォッチングに関連して、頼りにしがたい天気予報のことを書きました。実はそのブログはホエールウォッチングから帰ってきて、その晩すぐに書いたものでした。疲れてたんですが「やっちまおうー」という感じで。
ところがその間に、ネットのニュースをチラ見していたら、気になるニュースが入ってきました。実は午後から出ていたニュースだったのですが、クジラツアーの準備にかまけて、ちゃんと読んでいなかったのです。
ニュースの見出しはかなり扇情的で「知ってた上で、HIVウィルスを二十人の女性に感染させる」というようなものでした。さらに小見出し的に「ナイジェリアからの難民」とあります。この「ナイジェリアからの難民」は夕方になってから出てきたものらしく、もしそれが始めから出ていたら、その時点で私も気がついていたはずです。
ニュースの概要は、自分が保菌者であることを承知の上で、複数(二十人?)の「アイスランド」女性と関係を持ち、彼女らに感染させたナイジェリア男性で難民申請者が、警察により拘禁される許可を裁判所が認め、男性は拘禁された、というものでした。
「知ってた上で」「二十人もの」「アイスランド女性に」「ナイジェリア人の」「難民申請者が」感染させた、というのがいたくアイスランド人の気に障ったようです。
故意に感染させた、というのであれば確かにひどい話で激昂する人が出てくるのは当然だと思います。私だって「何という奴だ」と思いました。しかも二十人を感染させるとなると、ちょっと普通じゃない。
ところが「ナイジェリア人の」「難民申請者」という部分がどう問題の核心に関わってくるのか、という点になると「ちょっと待てよ」という気にさせられました。「フランス人の」「金持ち旅行者」だったら問題は変わるのでしょうか?
案の定、ネットの書き込み欄は炎上。「難民申請者などは全部即刻送り返せ」「全部まとめてキャンプに収容しろ」的なことを「ざまあ見ろ」と得意げに書き込む連中がわんさか出てきたのです。
ナイジェリア人の難民申請者の友だちは何人もいます。問題の男性は、拘禁された時の写真も掲載されていて、顔は覆われていて見えませんが、身長がかなり高く、私の知っている人物ではないと思われました。
しかし、このようなニュースが及ぼす負の影響というのは大きなものになりえます。他のナイジェリア人や難民申請者はいい迷惑どころか、すでに「バッシング」の標的にされてしまっています。
翌日の午前中は休みにしようと思っていたのですが、やはり反論しておかないといけない、と決心し昼までかかって「難民申請者の大半は普通の良識のある人たちだし、『ナイジェリア人の難民申請者』という情報は不必要なものだと思う」という意見を書き上げました。
ネットに土曜の昼から掲載されたのですが、幸いなことに賛同してくれる良識のある人たちがかなりいました。ただ残念なことに、HIVポジティブの人たちへの偏見を正す意見はあちこちに見られたのに、難民申請者に対する偏見を正す意見は他には見られませんでした。この辺はまだ課題です。
ところでニュースの続報ですが、調査の中で本人は「自分が保菌者であるとは知らなかった」と主張しているとのこと。さらに、なぜかその人物は義務つけられている血液検査をしておらず、監督が不行き届きであったことも伝えられてきました。
本人が知っていたかどうかはいずれわかると考えています。知っていたなら何らかの薬品の購入や治療の記録が出てくるでしょうから。何もなければ知らなかったと判断していいのではないでしょうか?
さらに実際に感染していたことが確認された女性は、現在のところふたりだということ。ふたりならいい、ということではありませんが二十人とは違います。
というわけで当初の「知っていて二十人を感染」というのは、今のところ事実確認からは大きく遠のいたものになっています。いったいどこからこの見出しは出てきたのでしょうか?
はっきり名前を出して書きますが、DVとFrettabladid/Visir(同じ経営母体)は最近特にネット版はいいかげんな取材でニュースを流していることが、多々見受けられます。
ひどい時にはですね、誰かがFacebookで不満を述べているいるを、事実確認をせずにそのままニュースとして掲載したりしているのです。これはもうプロのジャーナリズムからはかけ離れています。
私が応援しているアイスランドデザインのネット販売 MeetIceland の創設者の大丸智子さんが、「箱庭」というライフスタイル作りマガジンにインタビュー登場しているのですが、彼女が言うには「アイスランドには、プロとアマの垣根があまりないんです」
全然コンテキストは違いますが、マスコミに関しても「当たってる」と言わざるを得ないようです。
MeetIceland 大丸さんの「箱庭」インタビューはこちら
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
ところがその間に、ネットのニュースをチラ見していたら、気になるニュースが入ってきました。実は午後から出ていたニュースだったのですが、クジラツアーの準備にかまけて、ちゃんと読んでいなかったのです。
ニュースの見出しはかなり扇情的で「知ってた上で、HIVウィルスを二十人の女性に感染させる」というようなものでした。さらに小見出し的に「ナイジェリアからの難民」とあります。この「ナイジェリアからの難民」は夕方になってから出てきたものらしく、もしそれが始めから出ていたら、その時点で私も気がついていたはずです。
ニュースの概要は、自分が保菌者であることを承知の上で、複数(二十人?)の「アイスランド」女性と関係を持ち、彼女らに感染させたナイジェリア男性で難民申請者が、警察により拘禁される許可を裁判所が認め、男性は拘禁された、というものでした。
「知ってた上で」「二十人もの」「アイスランド女性に」「ナイジェリア人の」「難民申請者が」感染させた、というのがいたくアイスランド人の気に障ったようです。
故意に感染させた、というのであれば確かにひどい話で激昂する人が出てくるのは当然だと思います。私だって「何という奴だ」と思いました。しかも二十人を感染させるとなると、ちょっと普通じゃない。
ところが「ナイジェリア人の」「難民申請者」という部分がどう問題の核心に関わってくるのか、という点になると「ちょっと待てよ」という気にさせられました。「フランス人の」「金持ち旅行者」だったら問題は変わるのでしょうか?
案の定、ネットの書き込み欄は炎上。「難民申請者などは全部即刻送り返せ」「全部まとめてキャンプに収容しろ」的なことを「ざまあ見ろ」と得意げに書き込む連中がわんさか出てきたのです。
ナイジェリア人の難民申請者の友だちは何人もいます。問題の男性は、拘禁された時の写真も掲載されていて、顔は覆われていて見えませんが、身長がかなり高く、私の知っている人物ではないと思われました。
しかし、このようなニュースが及ぼす負の影響というのは大きなものになりえます。他のナイジェリア人や難民申請者はいい迷惑どころか、すでに「バッシング」の標的にされてしまっています。
翌日の午前中は休みにしようと思っていたのですが、やはり反論しておかないといけない、と決心し昼までかかって「難民申請者の大半は普通の良識のある人たちだし、『ナイジェリア人の難民申請者』という情報は不必要なものだと思う」という意見を書き上げました。
ネットに土曜の昼から掲載されたのですが、幸いなことに賛同してくれる良識のある人たちがかなりいました。ただ残念なことに、HIVポジティブの人たちへの偏見を正す意見はあちこちに見られたのに、難民申請者に対する偏見を正す意見は他には見られませんでした。この辺はまだ課題です。
ところでニュースの続報ですが、調査の中で本人は「自分が保菌者であるとは知らなかった」と主張しているとのこと。さらに、なぜかその人物は義務つけられている血液検査をしておらず、監督が不行き届きであったことも伝えられてきました。
本人が知っていたかどうかはいずれわかると考えています。知っていたなら何らかの薬品の購入や治療の記録が出てくるでしょうから。何もなければ知らなかったと判断していいのではないでしょうか?
さらに実際に感染していたことが確認された女性は、現在のところふたりだということ。ふたりならいい、ということではありませんが二十人とは違います。
というわけで当初の「知っていて二十人を感染」というのは、今のところ事実確認からは大きく遠のいたものになっています。いったいどこからこの見出しは出てきたのでしょうか?
はっきり名前を出して書きますが、DVとFrettabladid/Visir(同じ経営母体)は最近特にネット版はいいかげんな取材でニュースを流していることが、多々見受けられます。
ひどい時にはですね、誰かがFacebookで不満を述べているいるを、事実確認をせずにそのままニュースとして掲載したりしているのです。これはもうプロのジャーナリズムからはかけ離れています。
私が応援しているアイスランドデザインのネット販売 MeetIceland の創設者の大丸智子さんが、「箱庭」というライフスタイル作りマガジンにインタビュー登場しているのですが、彼女が言うには「アイスランドには、プロとアマの垣根があまりないんです」
全然コンテキストは違いますが、マスコミに関しても「当たってる」と言わざるを得ないようです。
MeetIceland 大丸さんの「箱庭」インタビューはこちら
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