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レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランドツアーの「七戒」(2)

2015-08-16 05:00:00 | 日記
さて、前回に続いてのアイスランド観光での「七戒」です。今回は第五戒から。

前回も書きましたように、これは「アイスランド人がツアービジネスで嫌う七個条」なるものを、Guide to Icelandというツアービジネスが参集して作った団体がホームページに掲載したものです。

増加の一途のツアー客の皆さんにアイスランドではしてはいけないことになっている事柄を、きちんと理解してもらおう、という趣旨で書かれたものです。

第五戒。「どこでもトイレはやめなさい」臭い話しでスミマセン。これは冗談のように聞こえますがそうではありません。考えてみれば、排泄行為は誰でも避けえない必至の行為ですので、人が増加する状況であればいの一番に考えなくてはならない出来事でしょう。

私の考えでは、もともとアイスランドには公共のトイレが少なすぎます。街中でもそうなのですから、田舎の様子は推してはかるべし。余談ですが、札幌に行った時に「トイレ事情が素晴らしい!」と感じ入りました。そこのデパートでもトイレは清潔でしかも100%ウォシュレット。アイスランドではそうはいきません。

Guide to Icelandの教え。「街中では最寄りのバーやレストランに頼めばトイレを使わせてくれます」これは本当ですし、それが公共トイレの少ない理由でもあったようです。しかし、最近は「当店のお客様以外のトイレ仕様はお断りします」という向きも結構あるようです。日本でならこれが普通でしょうが、ここでは最近の現象です。

ランドマーク的なハットルグリムス教会などはトイレをクローズドにしてしまっていました。今でもそうだと思いますが。理由は「掃除が大変」「近所に有料公共トイレがある」だって。はっきり言って無責任。観光名所化しているのですから、トイレくらい掃除の人を雇っても開けるべきだと思います。

GTIの教えの続き。「山の中や原野に行く場合はポリ袋を持参し、コトが終わった後はちゃんと回収してゴミ箱のあるところまで持って行ってください。犬の散歩と同じです」これは確かにその通り。

ただ準備よくトイレットペーパー持参の人が、きれいにした後でその紙の始末に困り、火をつけて燃やそうと試み、火が草に引火してしまったことがあるそうです。原野での「火」は厳禁です。山火事はここでもあるのですから。

自然の中へ足を踏み入れて「自然が呼んでいる」状態になった場合でも、「なるべくならトイレで用を足してださい」とGTIは呼びかけています。

第四戒は「どこもかしこもホテルにするべからず」
第三戒は「ツアー人気に便乗して値上げするな」

このふたつはツアー客用ではなくて、内部向けですので割愛します。

第六戒も微妙なところです。「汝ネイチャーパスと言うなかれ」
もっともこれは「ネイチャーパスを忘れなかれ」かもしれません。この点GTIさんもはっきりYesかNoか述べていないからです。

「ネイチャーパス」というのは要するにデズニーランドの一日パスと同じように入場券のことです。観光要所では入場料というか見学料というかお金を取ろうという試みなのです。

これまでアイスランドの観光地はマイナーな存在でした。そのため例えば危険なところに柵があるわけでもなく、警告の標識があるわけでもなし。滝に至る道は狭くて未舗装の小道が当たり前でした。

ところがツーリスト増えるとそうもいきません。ゲーシル(間欠泉)の周辺は熱湯が吹き出す区域があったりして、きちんとロープを張り巡らせないと危険ですし(それでも簡単なものですが)、グルフォスの滝へ至る道はきちんと木材を使用して整理されました。すべてお金がかかります。

そこで「入場料を取ろう」という意見が出てきたのです。ワタシ的には当然の理屈だと思います。ところが頑強に反対する人たちもいます。「アイスランドの自然は無料なのだ。誰も今までお金を払って自然を鑑賞した者はいない」

要するに一括してネイチャーパスを作られてしまうと、外国からのツーリストもアイスランド人も同様にお金を払わねばならない。それがけしからん、というわけです。確かにそれも理屈です。で、この問題は議論になり、私の理解する範囲ではまだ決着がついていません。

テレビの街頭インタビューなどを見ていると「外国人ツーリストからお金を取るのは問題ないと思う」という声が優勢のようでした。私もそう思いますが、ネイチャーパスなどという仕方ではなく、観光客には納得出来る範囲の一定の観光税を課し、また同様の税を観光業者にもかけるべきだと思います。
儲ける人はそれに見合う税を拠出すべきです。それによりさらに充実した観光が保証されるのですから。

さて最後の第一戒が残ってしまいました。これが最大の問題となっていますので、次回改めて取り上げてみたいと思います。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is

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