今日は久しぶりに「サッポロ北街ひとり日誌」です。一年半年ぶりですね。今回はコペンハーゲンからのフライトが、乗機を完了してから貨物部のドアの故障が判明し、その修理のために離陸まで二時間半の「待ち」となりました。
スカンジナヴィア航空なのですが、幸いなことに六割り程度の入りだったのと、座席のエンターテイメント機器がリニューアルされていて、自分の気に入った映画をいつでも見られるようになっていたため、「Get Smart」を見て過ごしたのですが、二時間ほどの映画を見終わった時点で、まだ離陸していない、というのには多少心が折れそうになりました。(^-^;
それでも無事に札幌到着。札幌の気温はほぼレイキャビクと同じで、その点は苦労しません。途中、成田は暑かったです。
さて、今回は海外在住者の私の目に「これこそ日本の商売精神の典型的な見本」と映る現象?というかリチュアルというか「作法」についてです。それは高級百貨店の開店時の模様なんです。
札幌に住む私の母は、「堂島ロール」というケーキ菓子が好物なので、私が帰省した際にはよく買いに行くことがあります。堂島ロールは札幌駅西口の大丸の食品売り場で買うことができます。
ところが、これは人気商品で結構早い時間に売り切れになります。そこでこれを買う時にはいつも開店と同時に行くことにしています。で、デパートの開店の有り様に出会ったわけですが、これは本当に「ニッポン」だと思います。
できればスマフォでビデオを撮って、アイスランドでFacebookに公開したいと思うのですが、一般の方が大勢写ってしまいますので、おそらく迷惑行為になるのだろうと思い、断念しています。
今回は、母の使いでお歳暮を送りに同じ札幌駅前の東急デパートへ行く機会がありました。日程の都合でこれも開店と同時に済ませてしまおうと思い、開店の五分あまり前には正面入り口のロビーに入りました。
平日の十時前ですから、それほど待っているお客さんの数は多くはありませんが、それでも二十人くらいは開店を待って馳せ参じていました。
開店時間の一分前くらいになると館内放送で女性の声が流れます。「今日も楽しくお仕事をしましょう。笑顔でお客様をお迎えしましょう」確かそんな内容でしたが、これはスタッフ向けの「ハッパ」なんでしょう。
その後で、あのコマーシャルとかでよく使われるクラシックの小曲 −スミマセン。なんという曲か知りません。m(_ _)m− が流れます。なんというか、思わず下を向いて吹き出してしまうような曲なのです。
その頃には、入り口から見える範囲のすべての部署の店員さんが入り口に向き直り直立不動で「お迎え」のスタンバイに入っているのが伺えます。
皆さんご承知のように、デパートの一階はだいたい女性用の化粧品とか装飾品のコーナーが普通ですよね。ですから多勢に無勢で女性の店員の方がおおいのですが、入り口の真ん前には、ちょっと位が高そうに思える男性スタッフもお出ましになっています。
そして十時きっかりに開店のアナウンスがあり、私たちが入って行きますと、皆さん、深々とお辞儀をして迎えてくださいます。いやいやこれはまたご丁寧に、と言いたくなってしまいます。
私はお歳暮を送りに来たので、そのためのコーナーがある九階までエスカレーターで上ります。そうすると二階エスカレーターの到着地点にもフロア長とおぼしき男性が女性の方を従えて?深々とお辞儀をしてくれます。
三階に行くとまた、三階のスタッフが待っていてお辞儀をしてくれます。
四階、五階...と儀式は続きます。
ところがです。もともとそれほど多くない開店時のお客さん、二階、三階のうちは、私の他にもお客さんがちらほらとエスケレーターに乗っているわけですが、階を増す毎にひとりふたりと抜けていきます。で、六階くらいから、エスカレーター上には私ひとりしかいない、という状況にはまってしまったのです。
たとえ私ひとりでも、六階、七階、八階、九階と、ちゃんとフロア長らしきおじさんと女性の方々が(彼らにとっては)今日第一号の客を待ち受けているのです。「いらっしゃいませー」と深々とお辞儀。他でもない、私に向かってなのです。
無視できる状況ではないので、こちらもお辞儀をして返さねばなりません。「いえいえ、こちらこそお招きいただき...」って、招かれてるわけではないか。
このデパートの開店時のセレモニー。こちらが恥ずかしくなってしまうほどの丁寧さなのですが、これをデパートのスタッフの皆さんは毎朝繰り返しているわけですよね。
というわけで、私はこれを「日本の商売精神をあっぱれに具現している現象」のひとつとしたいと思います。
もちろん、このような接客態度はデパートに限られたものではなく、広く日本の商売業に浸透しているものですし、私個人としては「お客様は神様です」という教えには頷けないものもあるのですが、これはこれとして、なんというか「非常に面白い」と言いたくなってしまうのです。
もっと面白いだろうと思うのは、これをアイスランドの人々が体験したらなんと言うだろうか?ということなのです。少しは見習えよー! っと言いたいワタシでした。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
スカンジナヴィア航空なのですが、幸いなことに六割り程度の入りだったのと、座席のエンターテイメント機器がリニューアルされていて、自分の気に入った映画をいつでも見られるようになっていたため、「Get Smart」を見て過ごしたのですが、二時間ほどの映画を見終わった時点で、まだ離陸していない、というのには多少心が折れそうになりました。(^-^;
それでも無事に札幌到着。札幌の気温はほぼレイキャビクと同じで、その点は苦労しません。途中、成田は暑かったです。
さて、今回は海外在住者の私の目に「これこそ日本の商売精神の典型的な見本」と映る現象?というかリチュアルというか「作法」についてです。それは高級百貨店の開店時の模様なんです。
札幌に住む私の母は、「堂島ロール」というケーキ菓子が好物なので、私が帰省した際にはよく買いに行くことがあります。堂島ロールは札幌駅西口の大丸の食品売り場で買うことができます。
ところが、これは人気商品で結構早い時間に売り切れになります。そこでこれを買う時にはいつも開店と同時に行くことにしています。で、デパートの開店の有り様に出会ったわけですが、これは本当に「ニッポン」だと思います。
できればスマフォでビデオを撮って、アイスランドでFacebookに公開したいと思うのですが、一般の方が大勢写ってしまいますので、おそらく迷惑行為になるのだろうと思い、断念しています。
今回は、母の使いでお歳暮を送りに同じ札幌駅前の東急デパートへ行く機会がありました。日程の都合でこれも開店と同時に済ませてしまおうと思い、開店の五分あまり前には正面入り口のロビーに入りました。
平日の十時前ですから、それほど待っているお客さんの数は多くはありませんが、それでも二十人くらいは開店を待って馳せ参じていました。
開店時間の一分前くらいになると館内放送で女性の声が流れます。「今日も楽しくお仕事をしましょう。笑顔でお客様をお迎えしましょう」確かそんな内容でしたが、これはスタッフ向けの「ハッパ」なんでしょう。
その後で、あのコマーシャルとかでよく使われるクラシックの小曲 −スミマセン。なんという曲か知りません。m(_ _)m− が流れます。なんというか、思わず下を向いて吹き出してしまうような曲なのです。
その頃には、入り口から見える範囲のすべての部署の店員さんが入り口に向き直り直立不動で「お迎え」のスタンバイに入っているのが伺えます。
皆さんご承知のように、デパートの一階はだいたい女性用の化粧品とか装飾品のコーナーが普通ですよね。ですから多勢に無勢で女性の店員の方がおおいのですが、入り口の真ん前には、ちょっと位が高そうに思える男性スタッフもお出ましになっています。
そして十時きっかりに開店のアナウンスがあり、私たちが入って行きますと、皆さん、深々とお辞儀をして迎えてくださいます。いやいやこれはまたご丁寧に、と言いたくなってしまいます。
私はお歳暮を送りに来たので、そのためのコーナーがある九階までエスカレーターで上ります。そうすると二階エスカレーターの到着地点にもフロア長とおぼしき男性が女性の方を従えて?深々とお辞儀をしてくれます。
三階に行くとまた、三階のスタッフが待っていてお辞儀をしてくれます。
四階、五階...と儀式は続きます。
ところがです。もともとそれほど多くない開店時のお客さん、二階、三階のうちは、私の他にもお客さんがちらほらとエスケレーターに乗っているわけですが、階を増す毎にひとりふたりと抜けていきます。で、六階くらいから、エスカレーター上には私ひとりしかいない、という状況にはまってしまったのです。
たとえ私ひとりでも、六階、七階、八階、九階と、ちゃんとフロア長らしきおじさんと女性の方々が(彼らにとっては)今日第一号の客を待ち受けているのです。「いらっしゃいませー」と深々とお辞儀。他でもない、私に向かってなのです。
無視できる状況ではないので、こちらもお辞儀をして返さねばなりません。「いえいえ、こちらこそお招きいただき...」って、招かれてるわけではないか。
このデパートの開店時のセレモニー。こちらが恥ずかしくなってしまうほどの丁寧さなのですが、これをデパートのスタッフの皆さんは毎朝繰り返しているわけですよね。
というわけで、私はこれを「日本の商売精神をあっぱれに具現している現象」のひとつとしたいと思います。
もちろん、このような接客態度はデパートに限られたものではなく、広く日本の商売業に浸透しているものですし、私個人としては「お客様は神様です」という教えには頷けないものもあるのですが、これはこれとして、なんというか「非常に面白い」と言いたくなってしまうのです。
もっと面白いだろうと思うのは、これをアイスランドの人々が体験したらなんと言うだろうか?ということなのです。少しは見習えよー! っと言いたいワタシでした。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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