レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

変化ありました、アイスランド選挙

2016-11-06 05:00:00 | 日記
実は先々週の土曜日、つまり一週間と一日前になりますが、アイスランドの国会選挙がありました。かなり大きな変化があった選挙でしたので、今回はアイスランドの政治模様について、選挙結果を軸にして書いてみたいと思います。

とか、偉そうに書き始めても、私はそんなに政治通ではないので、独自の情報網は持っていません。ニュース報道が頼りです。十年ほど前には「緑の党」に入れ込んでいたこともあるのですが、好き嫌いがはっきりしている私のような人間は政治には向かないようです。(関心分野が狭い(^-^;)

さて、アイスランドの国会選挙はだいたい四年の任期満了に従ってなされてきたように思います。日本のように解散総選挙を政治的戦略の中に組み込むことをこちらではしないように思われます。

解散を国民が迫ることもあります。経済崩壊の半年後の2009年春、まだ二年を経過したばかりだった経済崩壊責任政権は国民の審判を問う選挙に踏み切りました。

その四年後の2013年春の選挙では、進歩党(という名前の保守党)が大勝ちし、独立党と連立を組んでこれまでの政権を担当しました。ですが、この春、首相のグンロイグルスソン氏夫妻のパナマ文書関与のスキャンダルが世に出て、国民の大ひんしゅくを買ったわけです。

注)今、アイスランド人は怒っています!


その時にあまりの国民の怒りに押されて、選挙を前倒しで秋に行うことが約束されました。それが今回の選挙でした。

さてその結果は...? あ、その前に、アイスランド国会は一院制で議席数は63です。チョーシンプル。

予想通り、解散の元を作った進歩党(という名前の保守党)は大敗。11議席を失い8議席へ。

政権パートナーだった独立党は堅実に支持を奪回し、29%の得票率で21議席。ダントツで第一党になりました。

緑の党は健闘し3議席伸ばして10議席。

「不満足な保守層」を基盤にした新党ヴィズレイセンも健闘し7議席。

春から夏にかけて指示が5%を切り、存続が危ぶまれていた(得票率5%未満は議席を認められません)明るい未来党は、終盤で挽回し7,2%を得て4議席。

そして社会民主党。ここのところ絶不人気で6議席を失い3議席へ。

そして今回の話題の的だったのはリベラル、を通り越した過激党の「ピラター」(海賊)、事前のリサーチでは30%の指示を得て一人勝ちの予想が出ていました。国外メディアも大勢特派員を送り込み、ピラターを追っかけ回していたのです。

予想ほどはいかなかったものの3議席党から一挙に10議席と躍進。予想ほど伸びなかったのは、「あまり勝ちすぎるととんでもないことになる」という危機感?が有権者に働いたからでしょう。私もホッとしています。

で、一応の結果が出たところで、次の政権はどのようになるか?というようなことをいろいろと議論する前に、ふたつほど注目すべきことがあります。

その一。総数63の議席のうち、今回の選挙で議席を得た新人議員の数が31。過半数に近いです。これって相当すごくないですか?もっとも新人議員とはいいながら、中には以前議員で大臣まで勤めた人も入っていますから、多少は割引すべきでしょうが、これは日本の例えば衆議院ではなかなか想像できないことではないかと思います。

今回、これほど新旧の入れ替わりが多くなったのは、ひとつにはまだまだ現役続投をできるのに、再選を望まないで辞めてしまった議員がかなりいたことがあるでしょう。

今回話題をさらったピラターの議員のひとりで、「もっとも活躍した議員」にもえらばれていたヘルギ·フラップンはまだ36歳ですが、今回は立候補を見送り。「別に議員でなくても政治はできる」だとか。この辺もピラター人気のひとつだったのでしょう。

アイスランドの政治家を見ていると、「政治家しかしたくない」「政治しかできない」という人はそんなにいないように思われます。皆、ある一定の時人生の時期を政治活動に捧げて貢献しようとしているように見えます。

まあ、中には政治でコネを開拓したら、あとはもっと儲かるビジネスに転身するというような輩もありましょうが、全般的にサバサバした感じで私は気に入っています。

注目すべき第二の点です。63人の選ばれた議員のうち、30人が女性。42,6%です。男女平等度が高いアイスランドですが、国会に限って言えば男女比率がこれほど半々に近付いたことはなかったそうです。

いろいろ面白い話題があった今回の選挙ですが、このブログを書いている金曜日現在、まだ新政権の構造は具体的になっていません。いろいろ議論や工作をしているようですので、続きはまた次回に。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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